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J1第3節(3月10日)、アウエーで広島に1−2と惜敗

21・03・12
 札幌に帰れる「これからだ」

  「ショックだった」とミシャ?


 2021明治安田生命J1リーグ第3節の3月10日は「悲喜こもごも」の思いでプレーをしたJリーガーがいたようだ。世界を覆う「新型コロナウイルス」、感染で試合の出来ないチーム。帰りたくても「帰れないホーム」。コンサドーレはそんな「かわいそうなチームだった」。

 北海道コンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島の試合は開始直後の「ぼーっと」している間の2失点だった。原因は数々思い当たるが、久しぶりに「選手のホームシック」を考えざるを得なかった。「やっとキャンプも終わり地元で練習できるのはうれしい」。約2か月の空白を取り戻そう。昔も今も「ホームシックはある」。

 試合の方は、好天の通称Eスタで19時03分に始まった。観客は3千821人とホームゲームとしては少ない。気温12.2度、湿度50パーセント。山本雄大主審(38=京都府出身、自衛隊に入隊したという異例の経歴)のホイッスルで、広島のキックオフで始まった。

 札幌がちょっと変だ。GK菅野孝憲、DF田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗までは変わらないが、右のWBにルーカス・フェルナンデス、左に菅大輝。しかし宮澤裕樹のボランチの相手が深井一希で、トップにアンデルソン・ロペス。右シャドーには金子拓郎、チャナティップがスタメンだったが、チャナティップが試合前の練習中にけがで退場した。代わりに高嶺朋樹が左シャドーに入った。札幌の控えは6人。GK中野小次郎、DF中村桐耶、柳貴博、岡村大八、MF小野伸二、FW中島大嘉で、間違いなく「ルヴァンカップ」メンバー。

 広島は、開幕戦ホームでベガルタ仙台と対戦1−1の引き分け。2節はアウエーで横浜F・マリノスと戦い3−3の引き分け、今回のホームでは先発6人を変える「勝負」に出た。 

 主導権を得た広島は2分、MF藤井が放ったシュートでCKを得て、先発に入った森島がファーサイドにキック。これまた、先発起用に応えた柴崎がフリーでヘディングシュートを決めた。さらに8分、センターライン付近からFWヴィエイラが持ち込んだパスをMF藤井がドリブル、中央に走り込んだMF柏がグラウンダーのシュート、札幌GK菅野の左側のネットを揺すった。

 あっという間「キツネにつままれた」ようなペトロビッチ監督率いるコンサドーレの「泣き所」だった。3人の今季初登場、深井、菅、高嶺は、J1リーグのスピードとポジション取りの「変わり映えを狙った策」にやっと気づいた。

 15分過ぎから札幌ペース。Aロペスのロングシュート。福森のCKとFKが注目の的。この日、右に入ったルーカスのドリブル突破、金子、田中のパスに反応しだした(25分飲水タイム)。

 札幌の福森、菅、金子、Aロペス、田中の動きが目立つようになる。雰囲気的には「いつゴールイン」と期待させる場面が多いが、決め手がいない。Aロペスがマークされ、疲労気味だ。これを感じたか、ルーカスがドリブルで「斬り込む」。何度目かの43分、ルーカスと金子がパス交換、ルーカスを相手MF柴崎が押し倒し「PK獲得」。Aロペスが決めて1−2の1点差(アディショナルタイム3分)。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
 「守備は行く時と引く時のメリハリをつけること」、「アグレッシブさと冷静さを持って戦おう」、「勝負はここからだぞ!」


 後半は札幌が相手陣内に入って「攻める」場面が、チャンスが多かった。この中で選手交代は城福監督が先を取り、ハーフタイムに藤井とMF川辺、16分FWヴィエイラをサントスに代えた。今度はペトロビッチ監督が22分、菅に代えて「ルヴァンカップ」のヒーロー中島を投入。シーソーゲームは24分の飲水タイムを挟んで、広島の選手交代が続く。札幌は深井に代わり岡村、高嶺に代わり小野伸二。42分チャンスらしいチャンスが訪れた。

 福森が左サイド深くからクロスをゴール前に。GKのパンチングにはじき出されるが、セカンドボールを田中が拾いシュート。惜しくもクロスバーにはじき出される(アディショナルタイム4分)。

 札幌が最後の力を振り絞って攻める。47分金子からのクロスを岡村が頭で合わせる。これもダメ。49分、伸二がボールコントロールした。右サイドから中央にクロス、ルーカスがシュートを放つが阻まれる。ルーカスは広島DFのハンドをアピールし、主審はVARで確認。ハンドではないと判定されCKとなり福森の出番。左足でクロスを入れ、中央の岡村が頭で合わせるが、ゴール上に外れる。結局、追いつけずに1−2でタイムアップ。苦しく、情けなく最後のシーンを見入った。両監督の話は疲れて、聞いていられなかった。

 次節、2021明治安田生命J1リーグ第5節は、3月17日午後6時から北海道コンサドーレ札幌対浦和レッズの試合が埼玉スタジアム2002で行われる。(既報・13日の第4節ガンバ大阪戦は中止)


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「7人のケガ人がいる中で試合を迎え、さらにウォーミングアップでチャナティップも負傷しました。非常に厳しい状況になりました。最初のCKで失点し、さらに追加点を奪われ、我々にとってはショックな立ち上がりだった。

 しかし、その中で選手たちは2点リードされたあともしっかりとビルドアップをして攻撃を仕掛けてくれた。その後は我々が支配し、チャンスの数も相手を上回ったと思います。ただ、そこで決め切れなかったことが我々が勝点を取れなかった要因だと思う。前節も十分に勝点を取れるだけの戦いをしていた。今日もそうだった。非常に若い選手が多い中でチームは成長過程にあり、それがなかなか結果に反映されない。ただし、やっているサッカーは間違っていないし、下を向くことなくこうした戦いを続けることが勝点につながっていくと思う」


■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント(一部抜粋)
 「今年に入ってゲーム内容は決して悪くないものの勝点3を取り切れないでファミリーの方々に悔しい思いをさせていたので、今日は一緒に喜び合えて良かったなと思います。

 前半は本当に我々が思い描いたような良い入りができましたし、できれば3点目を取りたかったと思うくらい、非常に内容も良かったと思います。最後のところでPKを取られたところは反省しないといけないですけど、前半の我々のアグレッシブさを、後半の勝利への執念を見せられた。ある意味、我々らしいゲームができたなと思います。もちろん3点目を取ってゲームを終わらせたかったですけど、何よりも最後みんなで勝点3を手繰り寄せる姿勢を見せられたことが良かったと思っています」
池田淳