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J2第9節(4月29日)上里3戦連発も虚しく、甲府に1―4で惨敗。

10・04・30
 ゴールデンウィーク初日となる4月29日。コンサドーレ札幌は、アウエー(山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場)でヴァンフォーレ甲府と戦い、終始先手を取られる展開で、1―4と惨敗。MF上里一将(24)の3戦連発弾で一矢報いるのが精一杯の敗戦となった。
 
 「あぁ、またもやセットプレーから2失点・・・。」駆けつけたサポーターの嘆き声が聞こえる。
 
 札幌は自陣ゴール前で人数はいるものの、危険なボールを跳ね返せず、金縛りにあったような状態で連続失点。ここまで来ると「セットプレー恐怖症」も重症だ。
 
 問題のシーンは前半34分の左CKと、後半20分のFKから。CKでは、札幌DF堀田秀平(20)が甲府MF秋本倫孝(27)のマークに付くも、完璧なヘディングを叩き込まれ0−2。相手に競り勝てず、ボールにも触れないなら、相手のバランスを崩させるようなしたたかさが必要だ。ゴール前でシュートを打たせないのは理想だが、打たれてもシュートが入らなければそれでディフェンス成功といえる。ポテンシャルは持っているので、経験が解決してくれると信じよう。
 
 次は、後半6分に上里が素晴らしいミドル弾を決め1−2と追い上げムードの中の相手フリーキック(後半20分)。これもFW片桐淳至(26)から精度の高いボールだったがファーサイドのFWマラニョン(25)が完全なフリーでヘディングを決められるのはいただけない。ゴール前の一番危険なところで、ゾーンか、マンツーマンなどと言っているのは、ただルーズなだけの責任逃れだ。
 
 要所で我慢できないのは守備の問題だけではない。
 
 攻撃に入ったときに、本来安心してボールを預けたい選手が簡単にボールを奪われリズムを掴めない。これでは、サポートに上がるのもカウンターが怖く、結果全体が間延びし悪循環を生んでいる。今季、石崎信弘監督(52)がトップ下として期待をかけ続けている宮澤裕樹(20)も今のところ真価を発揮していない。
 
 厳しい指摘を続けてしまっているが、チームの浮上を願い、あえて批判を恐れずに言おう。―このままでは今年のJ1昇格は幻と消える。何かチームが変わるきっかけが必要だ―
 
 しかし、チーム状態を語る前に、選手は1つのルーズボール、目の前の相手に対し、がむしゃらに「闘う」ことを忘れてはいないか? それを最も体現できる選手がベンチにいるはもったいない。
 
 次節は、5月2日、続くアウエーでロアッソ熊本との一戦が待っている。まずは原点に立ち返り、局地戦で「個が闘う」姿を見せ、1つのボールを必死に奪おう(闘える選手がドンと構えればセットプレーも怖くない)。そこからチーム一丸となって戦い、浮上のきっかけを掴もう。
 
矢田 からす