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J1第30節(11月28日)、広島と2−2で引き分けるミシャ監督の言い分

20・12・01
 「メンタル」に欠ける

  「ミシャの心」伝わらず

 ミシャ監督が初めて選手たちの「メンタリティー」に触れた。ベンチ前で90分間「ミシャダンス」をする。そこで「精神・心理」を読み取れというのか? 11月28日のアウエー・サンフレッチェ広島戦。コンサドーレは「2−2で引き分けた」。

 上出来だった。敵地で、いや・昔(10年ひと昔)音頭を取った愛すべき広島の地で、晴れやかに好ゲームを披露した。「どうだ! 北海道からも世界に羽ばたいた選手もいる」(鈴木武蔵の事)。この日のゲームは先取点、追加点と「教え子」福森晃斗らの活躍で「思い通り」の展開。私は「勝った」と宣した。ベストゲームだった。かねて用意した「赤飯」と「×−×」を食していた。

 少年のころ監督コーチから何をもらっただろう。「人は大きく己は小さく、腹は立てずに心は円く気は長く」。マラソンの高橋尚子さんいわく「コーチは選手ひとりひとりの性格によって強く、優しく、厳しく、それぞれに違う」と。個人と団体の違いだろうか。今サッポロで、ペトロビッチ監督は、「何をしたいのだろう」。

 試合は2020明治安田生命J1リーグ第30節として11月28日午後2時から広島市のエディオンスタジアム広島で行われた。入場人員は6千346人で赤黒の応援団は60人ほど。試合直前まで雨のち曇りのち晴れ。気温10.5度、湿度67パーセント。地元広島出身の池内明彦主審(37歳)の笛で、札幌が午後2時3分キックオフした。ペトロビッチ監督が2006年から広島を指導、浦和レッズを経て2018年に札幌に来て迎えたこの一戦。互いに3−4−2−1システム同士の対戦で「ミラーゲーム」とも呼ばれる構成。

 札幌は、前節の対戦で大けがのMF荒野拓馬が欠場、FWジェイは帯同していない。GK菅野孝憲、3バックは田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗。ボランチに宮澤裕樹と高嶺朋樹。両ワイドは金子拓郎とルーカス・フェルナンデス。トップ下には駒井善成とアンデルソン・ロペス。トップにドゥグラス・オリヴェイラを配置。控えのメンバーはGKカウィン、DF石川直樹、MF白井康介、早坂良太、深井一希、菅大輝、ウーゴ・ヴィエイラ。

 広島3年目の城福浩監督は前節からスタメン11人を変える。このところ負けなしの2勝3分け。GK林卓人は元札幌、3バックは野上結貴−荒木隼人−佐々木翔、MFは柏好文−青山敏弘−川辺駿−東俊希。トップ下に浅野雄也と森島司。ワントップがレアンドロ・ペレイラ。控えは7人で、交代枠は5人。

 ゲーム展開は札幌の左サイドからの展開。ルーカスのドリブル突破が見ものだったが、6分相手MFに倒され中断。FKを得て福森がキック、宮澤が受けて突っ込むがサイドに流れる。攻守を変えながら進展するが札幌がやや優位。広島トップのLペレイラ、札幌のAロペスが互いに突進するが得点には結びつかない。22分札幌ペナルティーエリア前で広島・浅野が突進DF陣をかわしたところ、宮澤が抑え込んで阻むがファールでイエローカードをもらう。広島のFKキッカー森島のシュートはDF陣に防がれる。(27分飲水タイム)。

 ふと気が付くとNHKの放映はこれで札幌戦2連戦目。宮澤ミッシェル氏が解説していた。試合の方は両軍の攻防は盛んに所を変え進んでいる。

 40分、札幌に最大のチャンスが舞い込んだ。ボランチの高嶺が相手ペナルチィーエリア前で右からの金子のパスを受けた。金子はシュートするが、枠をとらえられない。池内主審の笛。高嶺と接触した相手DFのアフタータックルを取った。

 FKはお決まりの福森。広島のペナルティーエリアのちょっと外。中央で左利きの福森のキック。キッカーから見てGK林はゴール中央からやや左に立つ。福森得意の左カーブはゴール枠右側のバーの下ぎりぎりに当たり直下のゴールラインに落ちゴールイン。見応えのあるゲームのタイムは早い。アディショナルタイムの3分は瞬く間に過ぎた。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
 「最終ラインの押し上げをみんなで意識すること」、「攻守の切り替えをもう少し早くすること」、「自分たちのサッカーをやり続けるぞ!」


 両チームとも後半の選手交代は無し。札幌はMFトップ下の駒井の縦横無尽の動きが注目される。Aロペス、DオリヴェイラのFW陣のプレスが激しい。7分に駒井のドリブルで広島中央に迫る。AロペスのシュートはGK林にはばまれCK。福森の出番だ。得意のFKは前半に決めた。今度は「得意中の得意」コーナーキックだ。

 8分、敵陣左からのキックは左足内側に当てた「インサイドからさらに右へ曲がる」カーブを予測。ゴール前にはGK林ら5人の守備陣。「あれっ! そんなに曲がらない」取り残されたように中央にいた宮澤が難なくヘディングシュートで、2‐0と突き放す。

 9分、広島のキックオフから中央に持ち込んだDF佐々木が札幌陣内にパス、受けた浅野が立ち尽くす札幌DFを置き去りに右へ流す。FWのLペレイラが難なくゲットした。1分後の失点に札幌はてんやわんや。誰が「締めるか」落ち着かないまま。2−1と詰め寄ってきた広島が選手交代。MF柏に代わりFWドウグラス・ヴィエイラが入る。

 ますます浮足立つ札幌は13分、札幌の「ハイプレス」が奪われたかのような逆襲、右サイドで広島DF野上が札幌のMF駒井からボールを奪い、中央にいたMF川辺に渡す。ペナルティーエリア中央に川辺が丁寧なスルーパス。走り込んだDヴィエイラは札幌DF田中を置き去りにゴール右わきに流し込んだ。わずか5分間で2−2の同点。

 この後、21分に札幌の2人が選手交代、駒井が菅、宮澤が深井(23分飲水タイム)。札幌は31分Dオリヴェイラと交代でHヴィエイラを入れたが顕著な動きはない。さらに36分交代でルーカスと白井、さらにAロペスと早坂。白井の動きが目立つが「受け手」がいない。同じように広島もMF浅野とMF柴崎が選手交代。アディショナルタイムは5分。48分福森にイエローカード。広島FWのLペレイラに手を使って突進を阻止した。

 51分札幌最後のFK。福森は前半と同じような場所から狙うが「強い」ボールはバーを越えて転転。試合は2−2で引き分けに終わった。

 2020明治安田生命J1リーグ第31節は12月5日午後2時から、北海道コンサドーレ札幌(13位)とセレッソ大阪(5位)が札幌ドームで対戦。今季のホーム最終戦となる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームは非常に洗練されたチームである広島との対戦ということで、非常に難しいゲームになると思っていました。やはり非常に難しいゲームだったんですけど、我々のチームとしての狙いである前線からのプレッシングと、奪ってからの速い攻撃というのは比較的出せていたと思う。そういう中で1−0でリードし、後半に入って2−0でリードするまでは比較的われわれが狙いとする中で試合をコントロール出来たと思うんですが、失点をしたあと、非常に短い時間で失点してしまうというアマチュアチームのような、あってはならない失点を重ねてしまった」

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
 「勝点3を目指していましたし、3点目を取れるチャンスもあったので、勝点1に終わったことには残念という思いしかないです。ただ、先に2点を取られた展開の中で追いついたというのは選手が本当に執念を見せてくれたから。我々らしくゴールを目指すことを遂行してくれた。積み上げてきたことをしっかりと出せたからこそ2点を取れたと思いますけど、おそらくビッグチャンスが3回くらいあり、その手前ぐらいが3回くらいあったと思いますけど、あそこが我々が乗り越えないといけない壁なのかなと思います。チャンスを作り続けること、怒とうの展開の時間帯をもう少し長く作り出すこと、最後をリラックスしてゴールに流し込むようなチームになること。そういったことを続けて取り組みたいと思います。サポーターの後押しもあったので逆転できる空気も作れたと思うんですけど、一緒に喜び合えなくて残念です」
池田淳