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室蘭大谷、強豪校相手に善戦も最後は力の差を見せ付けられる

11・01・11
 冬の高校生王者を決める「第89回全国高校サッカー選手権大会」が12月30日に開幕。北海道代表として、3年ぶり29度目の出場となる室蘭大谷高校が全国に挑んだ。

 12月31日に柏の葉公園総合競技場で行われた四日市中央工業高校(三重)との1回戦。試合は素早いプレスで優位に立った室蘭大谷がリズムをつかむと、先制点を奪い前半を折り返す。

 後半は、J2コンサドーレ札幌への加入が決まっているDF櫛引を中心とした堅い守りで四日市中央にゴールを許さず、逆にセットプレーの流れから追加点を奪った室蘭大谷が2−0の完封勝利。年明け2日の2回戦に進んだ。

 2回戦の相手は、今大会の優勝候補にも挙げられていた前橋育英高校(群馬)。前半は、個々の技術が高く、分厚い攻撃でゴールへ迫ってくる前橋育英に対し、伝統の堅守と、時折見せる鋭いカウンターで対抗する室蘭大谷という展開に。

 両チームとも無得点で迎えた後半立ち上がり、先にチャンスをつくったのは室蘭大谷だった。得意のサイドを起点にした攻撃で得点機を演出する。しかし、この時間帯に決めきれずにいると、前橋育英に一瞬の隙を突かれ先制点を許してしまう。反撃に出たい室蘭大谷だったが、攻めに出た裏を突破され追加点を献上。さらにロスタイムには2点を失い、結果0−4の完敗となった。

 1月10日に国立競技場で行われた決勝戦。滝川第二高校(兵庫)と久御山高校(京都)が対戦し、滝川第二が5−3と見ごたえのある乱打戦を征し、初優勝で閉幕した。

 室蘭大谷は大会直前、主力選手に怪我人が相次いだが、伝統校ならではの選手層の厚みで、控えの選手がその穴をカバーしたのは見事だった。しかし、それでも全国と技術力にレベルの差があるのも確か。この差を埋めるためにも、高校年代のみならず、小・中学生年代からの取り組みが不可欠になってくる。2011年も継続した課題となる、北海道の育成年代の更なるレベルアップを期待したい。

 (写真はいずれも12月31日、四日市中央戦、千葉県柏市の柏の葉公園総合競技場、撮影・石井一弘)


 上、上段写真/四日市中央戦、キャプテンとしてチームをまとめたDF櫛引(5番)、後半33分四日市のMF吉田(6番)をかわして中央突破をはかる。櫛引はコンサドーレ札幌への入団が決まっている
 上、下段写真/後半36分、DF櫛引(5番)が思い切りよくシュートを放ったが、惜しくもはずれる


 上、上段写真/四日市中央戦、後半ロスタイム四日市の攻撃を室大谷DF中内(2番)とGK中西(21番)が守りきり完封する
 上、下段写真/勝利の瞬間、メガホンをたたいて喜ぶ室大谷の応援席

写真はいずれも石井一弘撮影