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2020年JFA選手権 天皇杯・皇后杯

21・01・11
 2020年JFA選手権

  天皇杯は川崎・皇后杯はベレーザがV

 天皇杯は川崎フロンターレが初優勝、なでしこは常連の日テレ・東京ヴェルディベレーザが4連勝15度目(前身チーム含む)の優勝を飾った。

 北海道からは天皇杯に札幌大学が出場。2020年9月16日に行われた1回戦は青森県のプライフーズスタジアムで行われ、ラインメール青森と対戦し1−2で敗退した。北海道コンサドーレ札幌(J1)は今季の天皇杯がJリーグ上位2チームのみに限られた為、出場していない。

 皇后杯では、北海道代表のノルディーア北海道は、2020年11月28日に宮城県のセイホクパーク石巻・石巻フットボール場で流通経済大学と1回戦を戦い、3−1で勝利。続く2回戦は12月6日、兵庫県の三木総合防災公園陸上競技場でINAC神戸(なでしこ)と対戦したが、0−4で敗退。2回戦で姿を消した。

 さらに11月29日、セイホクパーク石巻・石巻フットボール場での北海道リラ・コンサドーレ1回戦は、岡山作陽高校に0−4で敗れ、北海道代表が2チームとも敗退した。


―天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会―

 決勝は2021年1月1日午後2時40分から、新装となった国立競技場で、川崎フロンターレとガンバ大阪の間で行われた。約6万席の観客席を埋めたのは1万3千318人。天候は晴れ、気温9・2度、湿度20パーセントの中、木村博之主審(38=千葉県出身、国際審判)の采配で始まった。

 最初のチャンスは6分、ガンバの宇佐見のFKをトップのパトリックが頭で決めたが、オフサイド。肝を冷やした川崎は15分、FWレアンドロ・ダミアンの強烈なシュートはガンバGK東口がキャッチ。

 さらに16分、三笘がゴールを狙うが、決めきれない。ガンバはディフェンスを固め5−3−2の形。激しいせめぎ合いだった。やや川崎優位。

 後半も川崎が主導権を握る。10分には中盤でガンバの中途半端なクリアを川崎が拾い、中央からレアンドロ・ダミアンが走りこんだFW三苫にスルーパス。一瞬で裏に抜け出した三苫はGK東口との1対1を制し、ゴールネットを揺らした。攻守ともに川崎が優位にボールを回す。

 ガンバは3人、川崎は4人の交代をしたが、サブに入っていた川崎MF中村憲剛の「最後の試合」の出番はなかった。川崎は三苫の1得点を守り抜き、1−0で初優勝。中村は川崎一筋に18年間、表彰式では中央で優勝杯を差し上げて「歓喜」の表情を見せたが・・・。

■川崎フロンターレの中村憲剛選手の話
 「ホッとしました。優勝出来たこと、2冠出来たこと。個人的な感情は抜きにしなければいけない戦い。最後は守ってくれと思っていました。みんなに感謝です」

■川崎フロンターレの鬼木達監督の話
 「決勝戦らしい難しいゲームでした。ゼロで抑えられたことは選手の成長を感じます。今年はコロナで大変な中、よく頑張ってくれたと感謝しています」

■ガンバ大阪の宮本恒靖監督の話
 「ゲームプランとしては守備を意識していた。ボールを奪ったら時間をかけて攻める部分と早く攻める部分のふたつをイメージしたプランを作っていました。後半15分、20分が勝負だったが、その前に点を取られてしまった。確実性を増やし、チャンスを増やす試合をしていきたい」


―皇后杯JFA第42回全日本女子サッカー選手権大会―

 決勝は2020年12月29日午後2時から京都府のサンガスタジアムbyKYOCERAで、浦和レッズレディース対日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦を行った。スタンドには今季最大の2千762人の観客を集め、梶山芙紗子主審(43=京都府出身、国際審判)の笛でキックオフ。

 2020年プレナスなでしこリーグ優勝の浦和に対し日テレは皇后杯3連勝中。まず浦和が攻め込み、2分清家がオーバーラップから初シュート。浦和が主導権を握る。さらに9分菅澤のヘディングシュートがポストにはじかれた。

 日テレは押され気味の展開から11分遠藤が3試合連続になるゴールを決め、逆に主導権を握る。浦和はさらにアクシデント。清家がけがで水谷が入る。日テレの攻勢が続き41分にCK。浦和ゴール前の混戦から宮澤が蹴り込んで2得点リードで前半終了。

 後半は浦和の反撃が始まる。8分にロングフィードを受けた高橋がゴール。1点を返す。2−1の時間が長く互いに攻め疲れ。給水タイム後に浦和が走った。24分に菅澤がGKの頭上を越えるループシュートを決め2−2の同点。しかし日テレに28分チャンス。清水のスルーパスを小林が決めて3点目。すかさず浦和は41分に元なでしこ日本代表のFW安藤が3−3の同点にするが、43分日テレの小林がゲット。4−3で勝利した。浦和は同点に追いつくがすぐ後に得点され「締まり」が無く2年連続の敗退となった。

■日テレ・東京ヴェルディベレーザの永田雅人監督の話
 「前からボールを奪って攻撃し、リスクを負いながらも点を取って勝つスタイルで行こうと話していました。失点しながらでも相手を上回って勝ててよかったです。今季はリーグ戦で若い選手を多く起用したので、それが積み重なった結果だと思います」

■浦和レッズレディース・森栄次監督の話
 「結果として負けたことはすごく残念ですが、内容は満足しています。早い時間にチャンスがあり、けがで退場した選手のサイドから攻撃された。これがビハインドになったと思います。日テレに対してゲームコントロール出来ればもっと強いチームになれるはずです」
池田 淳