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【再掲】JAPAN クロアチアにPKで敗退 また16強の壁超えられず・・・

22・12・11
決勝トーナメント1回戦 クロアチア相手にPKで敗れる

  解説の岡田・伸二「手応えあり」
                               
 
 12月2日のワールドカップ(W杯)カタール大会グループリーグを勝ち抜いたE組JAPANは、6日24時から決勝トーナメントでF組2位のクロアチアと対戦した。1−1で前後半を終えた後、延長(15分ハーフ)戦も優位に戦ったが、最後のPK戦で1−3で敗れ去った。

 両試合の解説には、1998年のW杯フランス大会の岡田武史元監督、選手の小野伸二(現・北海道コンサドーレ札幌)が解説者として登場した。

 岡田氏(現・J3のFC今治主宰)は「確かに成長している」と語り、小野選手は「次世代の子供たちや応援してくれているファンの顔が生き生きしていた」とカタールから声をはずませていた。

 今回は選手登録26人。5人の交代を認め、さらにPK戦に入った場合「1選手の交代」を認めた。冬季のドーハ、気温は25度、湿度45パーセントぐらいに換気調節、南半球ながら「天候には注意」とされている。

 1次リーグでは、ドイツに2−1で逆転勝ち、スペインにも2−1の逆転で、いずれも交代で入った堂安の「同点弾」から試合をひっくり返した。この良い流れから「堂安の先発は鬼門」と見ていた。

 決勝トーナメントの6日、クロアチア戦のJAPANは、堂安先発、さらに前半FW前田の先制で1点リードと「ホッと」した「悪循環」。これが危険信号だった。追いつかれPK戦まで、「泣いても、泣いても、諦め切れない」。

 最後に監督、選手の話を聞いて振り返ってみたい。


■日本代表森保一監督のコメント(一部抜粋)
 「最後にPK戦になって試合をものに出来ませんでした。この結果は残念ですが受け止めなければなりません。相手GKが素晴らしいセービングを見せました。日本の選手たちは勇敢に120分間戦ってくれたと思いますし、PKを蹴ってくれた選手たちも勇気を持って自分が蹴ると言ってくれて、プレッシャーがかかるなか、チャレンジすることを選手たちは見せてくれました。選手たちには、世界で戦えると示したことに誇りを持ってほしい(中略)。

 今日、守備から攻撃へつなぐ意識を持って良くトライして、今のベストを見せて戦ってくれたと思います。ボールを握りながらゲームを進めることにトライしましたが、まだ高いインテンシティやハイスピードのなかで常にコントロールしてより優位に進めることは課題だと思います。選手たちもサッカーもレベルアップするポイントととらえていきたい。いきなりは出来ないので、地道に積み上げていくことが大切だと思います」


■日本代表・吉田麻也選手(背番号22・キャプテン)のコメント
 「2点目がとれなかったのが痛かったですが、それでも後ろは1失点に抑えて120分よく守れていたのではないかと思います。ターンオーバーを使ってプラン通りにグループステージを突破して、余力を残して挑んでプラン通りに来ていましたが、相手の守備は堅かった。PKは僕を含めて3本外せばきついと思いますし、東京オリンピックと同じ4番手で研究されていたかもしれません。

 ドイツ、スペインとの戦いと違って、支配する時間も長く、決してドン引きで守り切るサッカーをしたわけではない。こういう形を強豪相手にも出していけるというのは、今後へ明るい材料ではないかと思います。ここで終わって悔しいです。明日もみんなで練習したかったし、少しでも長くこのチームでやりたかった。またこの4年、16強の壁をどうやって超えていくかを考える戦いが始まると思う」


■日本代表・長友佑都選手(背番号5)のコメント
 「ベスト8には届かなかったですが、新しい景色は後輩たちが見せてくれたと思います。確実に成長した姿、たくましく魂のこもった戦いを見せてくれたので、新しい未来を見たと確信しています。この下手なおじさんを生かしてくれたことにも感謝しかありません。PKを外した南野選手や三笘選手が泣いていましたが、彼らは自分から手を挙げて、勇気を持って蹴ってくれました。そのことを称賛したいですし、その勇気を誇りに思います。自分も少し貢献出来たのではないかと思うので、自分のやってきたことにはまったく後悔なく次に進みたいです」


■日本代表・堂安律選手(背番号8)のコメント
 「うまく言葉が見つからないのですが、国民のみなさんには申し訳なく思います。素晴らしい形で得点出来たと思いますし、前半はアグレッシブにプレーも出来て、攻撃のいい形も出来ていました。素晴らしい準備のなかでこの試合に臨めたという手ごたえはありましたが、あの失点から、少し疲れもあってギアを上げきれなかったと感じました。自分も何かしようとしていたがチャンスも少なかった。わずかな差があったからこそドイツ、スペインに勝ったという自信はありましたが、16強敗退が4回目となると何かが足りないからだと思います。しっかり切り替えて考えたい」


■日本代表・三苫薫選手(背番号9)
 「PKを蹴った責任はあるので、迷惑をかけてしまいました。チームを勝たせたいと思って(キッカーに手を挙げて)、思い切り蹴ったのですが…。ドリブルで仕掛けて、守備では左サイドからやられないようにと思ってプレーしていたのですが、チャンスがあって行ききれなかったところは悔いが残ります。自分のミスも多かったですし、相手が2枚で来ても行き切らないといけないですし、1対1もありました。そこで行けなかったので、そういう実力だということです。流れを変えることが出来ませんでした」


■日本代表・鎌田大地選手(背番号15)のコメント
 「すごく悲しいですし、なんという表現がいいのかわかりません。120分間ピッチに居続けてPKも蹴りたかった。クラブでいつも蹴っているので、初めて外で見て、PKを蹴れないと責任も取れない、無力だと感じました。今大会4試合で一番いい試合だったと思いますし、ボールをプレーしようというトライもチームとして出来ていたと思います。自分もこの4試合で最低限やれることはやったと思いますが、得点を期待されていて、そういう部分が出来なかったことは自分の実力不足だと思う。次のワールドカップまで4年、いいところで成長していければいきたい」


■日本代表・前田大然選手(背番号25)のコメント 
 「僕一人ではここまで来られなかったので、たくさんの人の助けに感謝したいです。結果は、これが日本の実力だと思うので、また一からやらないとならないと思っています。得点はしましたが、勝たないと意味がありません。あの場面は僕の目の前にきて、押し込むだけでしたが、相手にはクロス一本でやられたので、そこは修正していかないといけないと思います」
池田 淳