サッカーアラカルチョ

一覧に戻る

ヨーロッパサッカー回廊『マネーリーグ』

09・03・11
 2007年/2008年度のいわゆるヨーロッパ・フットボールクラブの「マネーリーグ」のランクが発表された。各クラブの年間売上高である。
 トップ10のランクは次の通り。(単位は百万ユーロ)(125円/ユーロとして換算)
 
1.レアル・マドリッド(スペイン)365.8百万ユーロ=457億円
2.マンチェスターユナイテッド(イングランド)324.8=406億円
3.FCバロセロナ(スペイン)308.8(386億円)
4.バイエルン.ミュンヘン(ドイツ)295.3(369億円)
5.チェルシー(イングランド)268.9(336億円)
6.アーセナル(イングランド)264.4(330億円)
7.リバプール(イングランド)210.9(263億円)
8.ACミラン(イタリア)209.5(261億円)
9.ASローマ(イタリア)175.4(219億円)
10.インターミラン(イタリア)172.9(216億円)
 
 11位以下20位までは11位ユベントス(伊)12位リヨン(仏)13位シャルケ(独)14位トッテナム(イングランド)15位ハンブルグ(独)16位マルセイユ(仏)17位ニューカッスル(イングランド)18位シュツッツガルト(独)19位フェネバーチェ(トルコ)20位マンチェスターシテイ(イングランド)104(130億円)となっている。
 
 イングランドが7クラブとドイツの5クラブ、イタリアの4クラブを圧倒し、世界のフットボールマネーリーグのチャンピオンになっている。この期間、未曾有の経済金融危機には直面していないが、為替が対ユーロ、ポンド安となっている為、例えばマンチェスターユナイテッドは経済金融危機以前であれば500億円を越え1位となっていたはずである事がわかる。
 
 この売り上げを押し上げているのは、やはりテレビ放映権であり、イングランドプレミアリーグの放映権は今後3年、17億ポンド(約2400億円)をキープする契約をBスカイB及びセタンタと契約している。またトップクラブの観客動員もその激しく速い、そしてエキサイテイングな試合と世界中から集まるスター選手のプレーを見たいファンが多く、まだ陰りも見えずにいる。一方ではクラブのオーナーも世界の富豪が株式を買収し、その個人資産を投資。経済危機も何するものぞとの意気込みもある。
 
 ドイツが進出してきた背景には2006年のワールドカップ開催で各クラブのスタジアムが改善され観客席数も増加、それに伴い当然ながら売上高も増えた結果である。
 
 経済危機とスポーツはリンクしているように見えるが、ヨーロッパフットボールを見る限り、いかに人間を楽しませる快適な環境を創生し、その中でエキサイテイングな闘いを行えば必ず人間はその場に行きたいと思うのであろう。
 
 その意味で安易に経済優先(コストダウン)だけでスポーツを切り捨てるのはいかがなものかと思える。人に支えられているクラブほど、経済危機からは遠いのではないかと思える。
 
 日本のフットボールの理念である、地域との共生、一般サポーターとの共生は決して間違ってはいない。ともすればスポンサー企業(経済)に依存しがちな風土に風穴を開け、共生する場を創生すればヨーロッパ並みのスポーツが息付くのではないだろうか。
伊藤 庸夫