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大津一貴のエンジョイフットボールライフ『モンゴルでサッカー教室を!』

19・08・11
 北のサッカーアンビシャスをご覧の皆さま、こんにちは。と、さらりと書き出しましたが、実は寄稿日の今現在、こちらウランバートルでは、朝から雨嵐が吹き荒れ、水も電気も止まってしまい、結構なピンチだったのですが、読者の皆様が待ってくれていると信じ、決死の覚悟でWi−Fi環境を求めてカフェまで来た大津です。

 さて、気を取り直して(びしょびしょになりながら)本題に入ります。現在、私がプレーしているモンゴルでは、少しずつサッカー人気に火が付いてきていると感じております。街の中では海外強豪クラブチームのユニホームを着ている子どもが歩いていたり、大人たちもバーやパブなどでプレミアリーグの中継を見ていたりと、少しずつ国民がサッカーに興味を持ち始めています。

 しかし、モンゴルサッカー界を取り巻くハード面の課題も大きく、サッカーに興味を持っても気軽にプレーする環境は、まだまだ整備されているとは言い難い状況です。これは実際に現地でプレーしている私から見て、早急に改善が必要な部分だと感じています。

 私が一番問題だと思う部分は、自由にサッカーができる場所やグラウンドが少ない点です。首都のウランバートル中心地は、大きなビルや商業施設が立ち並び、自由にサッカーをして遊べるような場所が限られています。これでは、モンゴルの子供たちがサッカー選手に憧れたり、サッカーに興味を持ってくれたとしても、プレーする場所が少なく、自らが楽しむ機会が失われているのではと危惧しています。

 それは、大人も(モンゴルのプロサッカー界も含めて)一緒です。専用練習場を所持しているチームは限られており、ほとんどのチームが練習グラウンドをレンタルして利用しています。国内1部リーグのプロチームも例外なく、大半のチームがグラウンドをレンタルして練習をしています。また、1部リーグ全10チーム中、9チームは首都ウランバートルを本拠地としているので、各チームが限られたウランバートル市内のグラウンドをシェアしている状況です。私が所属するFCウランバートルが利用した後、週末に対戦するチームが同じグラウンドで練習するような光景が、日常茶飯に起きています。

 プロサッカー選手としてプレーしている大人たちがこのような状況ですので、子供たちを取り巻くサッカー環境は、更に良くありません。学校施設のグラウンドも存在しますが、普段は入り口に鍵がかけられており、自由に使用出来ない場所が多いです。学校の体育の時間、または少年少女のサッカーチームに所属している子供たちだけが、限られた時間にグラウンドを使用できる、という状況です。放課後にサッカーをして遊びたい子供たちが、グラウンド横のコンクリート上でサッカーをする姿をよく目にします。サッカーをしたい(遊びたい)子供たちは多く存在するのに、サッカーをする場所が非常に少ないのが、モンゴルの現状です。

 上:上段写真/ウランバートル都市部のコンクリートの上で、ボールを蹴っている子どもたちの様子
 上:下段写真/サッカー教室で使用予定の人工芝グラウンド


 縁があって今年で3シーズン目のモンゴル生活。私の出来ることとして「少しでもモンゴルサッカー界の取り巻く環境を、改善するきっかけ作りをしたい!」と年を追うごとにその気持ちが強くなってきました。この国の方々にたくさんお世話になっており、サッカーを通じて少しでも恩返しがしたい気持ちがあります。

 ですが、現役プレーヤーとして、異国で戦うシーズン中に、簡単には物事は進まないことも分かっています。そんな時、「今を戦えない者に、次や未来を語る資格はない」、かつてイタリア代表として一時代を築いた、ロベルト・バッジョの言葉がふと脳裏をよぎりました。

 私は「サッカーをプレーすること以外でも、自分自身と戦わなくては!」という思いにかき立てられ、さっそく行動に移します。それは、この地モンゴルで“サッカー教室”と題して、芝生の上でサッカーを行う機会を子どもたちに提供したいと考えています。

 シーズンが終わる10月までに、最低でも1度は実行したいです。場所は今年完成したばかりの人工芝サッカーグラウンドがウランバートル市内中心部にあり、モンゴル現地の子供たちを集めて、無料のサッカー教室を開催する計画を立てています。しかし、そのグラウンドを1回利用するには、2時間あたり日本円で約2万円(休日価格)の使用料が掛かります。

 もちろん私1人が負担し、実行してもいいのですが、モンゴルの現状を伝えながら日本との交流を図ること、そしてサッカーで恩返しがしたいというこの気持ちを皆さまと共有したく、今回『KAZUTAKA OTSU 蹴球サロン』という、オンラインサロンを開設しました。

 そして蹴球サロンプロジクト第一弾は『モンゴルでサッカー教室をしたい!』と題しました。オンラインサロンは月額500円です。そのうち、運営費用が20%(100円)かかるので、その金額を引いた400円(1人あたり)を、サッカー教室の開催費用に当てます(50名の参加で、1回分のサッカー教室開催が可能)。

 ちなみに、私のオンラインサロン内では『大津一貴が、海外でプロサッカー選手として生きるための過程で得た成功体験や失敗、直面した課題、思考法、今後のチャレンジなどを、リアルタイムで見られる(共有出来る)場所』となっております。具体的には、入会していただいた方をフェイスブックのグループに招待します。そのグループ内で、私が日々なにかしらの記事を投稿しますので、その記事を見てください。その記事を見て良いと思ったら「いいね」ボタンを押していただければ、私のモチベーションが上がり、記事の質も上がります(笑)。

 また、今回のサッカー教室開催のように、人数が集まれば様々なプロジェクトを発足させたいと考えております(不定期ではありますが、動画配信も予定)。

 と、私のオンラインサロン紹介が混じってしまいましたが、まずは「モンゴルでサッカー教室を開催したい!」と言うのが今回の趣旨です。もし、私の思いに少しでも賛同していただける方がいらっしゃいましたら、『大津一貴 蹴球サロン』で検索していただけると幸いです。オンラインサロン参加の申し込みページがございますので、お手数ですが参加手続きをお願いします。

 異国の地でプロサッカー選手という夢を叶え、モンゴルの地で成長させてもらった大津一貴からのお知らせとお願いでした。読者の皆さま、是非ご協力よろしくお願い致します! また、日頃からご協力いただいている協力企業・団体の皆さま、この場を借りてお礼申し上げます。


◆大津一貴プロフィル◆
少年時代は、札幌山の手サッカー少年団とSSSサクセスコースに所属。中学校時代はSSS札幌ジュニアユース。青森山田高校から関東学院大学へ。卒業後は一般企業へ就職。2013−2014年は、T.F.S.C(東京都リーグ)。2015年FCウランバートル(モンゴル)。2016年スリーキングスユナイテッド(ニュージーランド)。2017年カンペーンペットFC(タイ)、2018年はFCウランバートル(モンゴル)でプレーし、優秀外国人選手ベスト10に選出された。
大津 一貴