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屋良っティーニの教えある記『南米下剋上、ブラジルもアルゼンチンも?』

11・08・11
 なでしこジャパン優勝おめでとうございます!!

 たくさんお話ししたいことはありますが、ワイドショーの情報力に圧倒されて、そこまでは知りませんので、今回も私の専門分野で参ります! お付き合いくださいまし。。。

 大注目のコパアメリカは、ウルグアイが6大会ぶり最多の15回目の優勝!

 南アフリカワールドカップベスト4メンバーが熟成し、さらに強固な守備を身に付けた感じでしたね。

 MVPはスアレスでしたが、決勝で2点取っちゃうフォルランはエレガントでバリバリうまかった。フランチャスコリやルベン・パスよろしく歴代ウルグアイの10番をほうふつとさせてくれちゃいましたね。

 一方のパラグアイは予選からまさかの5戦連続の引き分け。監督退席まで食らったりで決勝まで生き延びて?来た“ゾンビ”みたいなチーム。しかし、破壊力抜群のウルグアイ2トップに自慢のDFがとうとう、ぶっ壊されてしまいました。

 グループリーグだって、結局3位通過だったんですよね!あそこから、決勝ですからね。

 それにしても、ブラジルはとりあえず、あんなんでグループリーグ1位通過。。。

 腐ってもブラジルかと思わせておいて、エンジンかかり切らないまま、やっぱりチャオ(バイバイ)でしたね。

 それよりも何よりも、私としては優勝予想したコロンビアが、ペルーに敗れ一気に盛り上がりに欠けてしまいました。

 『グランコロンビア帝国の逆襲』なんて優勝宣言までしちゃって・・・(お恥ずかしい↓)。ホントに行けると思ったんですけどね〜。でも、コロンビアってそんなとこあります。アルバレスが、コーチとしてお元気そうな姿を見れただけでいいです。。。

 ですが・・・ もうひとつ私が取り上げた『グランコロンビア帝国』の新興勢力のベネズエラがすごかった!!正直、スゴイとはいってもここまでやってくれるとはね!

 「正直、優勝は無いですが・・・(まぁ 優勝はしてませんし)」なんて、バカにしちゃってすみませんです!

 なかでも、グループリーグ最終戦の対パラグアイの1対3で迎えた後半44分フェドルのゴールで、2対3。そのあと、ロスタイムに突入してからもぎ取った48分。最後、ワンプレーのコーナーキックでGKベガも飛び出し、そのベガのヘディングから、ペルソが押し込んで3対3。

 ベガのヘディングの入り方や位置取りは一流のFWのそれでしたね。南米で唯一サッカーが国技でない国がここまでやるとは思わなかった。

 でも聞くところによると、38歳と若いファリアス監督はU20監督も兼任し若い選手を育成しこの結果に結び付けてきた様なんですね。そんなところも我が日本のやり方と似てたりしてね。

 ってことは、日本が出てたらあのくらいやれたのかも!?なんて都合のいい考えはダメですかね。。。

 それにしても、強豪ブラジル、アルゼンチンの『個』を消すために各国の指導者がものすごく勉強したんだな〜と思わせる大会でしたね。2014年、待望の自国開催のワールドカップでブラジルは!?

 もう下克上! どこが勝ってもおかしくない! 南米戦国時代の幕開けです!


◆筆者プロフィル◆
屋良 充紀(やら みつとし)
現役時代はブラジル、エクアドル、コロンビアでプレー、コロンビアではコーチも兼任。
帰国後、横浜FC泉Jrユースの監督として7年間指導。その後『JFAアジア貢献プロジェクト』で中東のシリアで未来のシリア代表選手を育成するべく、SFA(シリアサッカー協会)フットボールアカデミーを開校しヘッドコーチを務めた。アラビア語で『サッカー指導指針』をつくり、シリアは勿論のこと海を越えてアフリカ・スーダンでも高い評価を得ている。現在は横浜市でブラジルのストリートサッカーをヒントに遊び心をくすぐるサッカースクール、『エスコリーニャFC』に力を注いでいる。

ロベルト・屋良っティーニ