森保一監督「もっともっとパワーアップ」

　　札幌でＷ杯テスト戦パラグアイに４−１


　札幌ドームが２万４千５１１人の大観衆で埋まった。「ぽいち」の愛称通り「めんこい」長崎県出身の森保一監督（５３）。６月２日、キリンチャレンジカップの一環として行われたＪＡＰＡＮ対パラグアイ戦で、新型コロナウイルスの発生後、日本サッカー界初の「おかしな」マスク姿−紙の鳴子−光と、拍手の応援団の形を、札幌ドームに繰り広げた。

　世界ランキング２３位のＪＡＰＡＮと５０位のパラグアイ戦。さらにパラグアイは、２０２２年カタールＷ杯の出場を逃している。平日開催ということもあり満席とはならなかったが「こんなに人気」と驚くほどのスタンド。

　日本のＷ杯は２００２年・２０１０年・２０１８年の「ベスト１６が最高」。パラグアイは「２０１０年、日本に勝ったＷ杯でベスト８」という歴史がある国。

　この日、札幌ドームに現れたのは「赤の縞模様に白のビジターユニホーム」―ＪＡＰＡＮは「皆が見上げる空の色」とでも表現しておこう。売店の「キリンビール」と同様ユニホームにも行列ができていた。

　試合の審判団はオーストラリアの主審と副審２人、ＶＡＲ１人。第４の審判とＡＶＡＲの２人が谷本涼と木村博之で二人とも主審格。国際試合にかなう―というところ。試合前には、セルビア出身で北海道コンサドーレ札幌の監督ミハイロ・ペトロビッチ監督の恩師、さらにＪＡＰＡＮの監督だったイヴィチャ・オシム氏（５月１日死去）のご冥福を祈り、グラウンド内の両軍選手とスタンドの観客が「黙とう」をささげた。

　１９時０１分、キックオフはパラグアイ。背番号１０のアルミロンがキャプテン。日本は吉田麻也。ＦＩＦＡはＷ杯の出場登録選手を２３人から増やす意向が強い中、ＪＡＰＡＮのこの日の２３人を挙げておく。

　スタメンＧＫシュミット・ダニエル（アメリカ出身、シント・トロイデン＝ベルギー）、ＤＦ山根視来（川崎フロンターレ）、谷口彰悟（川崎フロンターレ）、吉田麻也（名古屋グランパス−サンプドリア＝イタリア）、伊藤洋輝（ジュビロ磐田−シュツットガルト＝ドイツ）、ＭＦ遠藤航（浦和レッズーシュツットガルト＝ドイツ）、原口元気（浦和レッズ−ウニオン・ベルリン＝ドイツ）、鎌田大地（サガン鳥栖−フランクフルト＝ドイツ）、三笘薫（川崎フロンターレ−ユニオン・サン・シロワース＝ベルギー）、堂安律（ガンバ大阪−ＰＳＶ＝オランダ）、ＦＷ浅野拓磨（サンフレッチェ広島−ボーフム＝ドイツ）。

　控えメンバーのうち、交代出場選手はＤＦ中山雄太、板倉洸、ＭＦ久保建英、田中碧、ＦＷ古橋亨梧、前田大然。その他、ＧＫ川島永嗣、権田修一、大迫敬介、ＤＦ長友佑都、ＭＦ伊東純也、ＦＷ上田綺世。今回はメンバー外だが、札幌にいた三好康児も今後の招集に期待。

　今後の日本代表の予定は６月６日ブラジル、６月１０日ガーナ、７月１９日から２７日東アジア選手権（日本開催）。９月１０日から２７日に強化試合を予定。１１月２１日から始まる２０２２ＦＩＦＡワールドカップ・カタール大会に本番に臨む（決勝は１２月１８日）。

　日本の得点シーンは、１点目前半３８分。ＤＦ伊藤が自陣から裏を狙うＦＷ浅野めがけてロングパス。落ちたボールは原口に入り、走り出した浅野に絶妙なスルーパス。受けた浅野はペナルティアエリア中央からループシュート。これが決まりＪＡＰＡＮが先制。

　２点目は４２分、ＭＦ堂安が右サイドから左足でゴールに向かうクロスを入れる。これにＭＦ鎌田がヘッドで合わせゴール。ＪＡＰＡＮは２点をリードし前半を終わる。

　後半は１４分、パラグアイが日本のパスをカットし、ショートカウンターを仕掛け、相手をかわした背番号７ＦＷゴンザレスの右足ミドルでゴールイン。１点を返し、２−１。

　森保監督がベンチ前に立ち進む。１５分これに応えるように原口がドリブルで持ち込みペナルティーエリア内にフリーでいたＭＦ三笘にパス。三苫は細かなドリブルでゲット。３−１。この後、両軍とも選手交代。

　２４分に鎌田がエリア内で、ＧＫサンティアゴ・ロハスに倒されＰＫ。２５分堂安がキックするが、パラグアイの「黒装束ＧＫ」ロハスが見事なセーブを見せた。３７分三笘ＯＵＴ古橋ＩＮでＪＡＰＡＮは６人交代。パラグアイ３人の選手交代が終わり。

　トドメは終盤の４０分。元気のよい前田、鎌田のパス交換からペナルティーエリア前に入り込んだ田中に回り、右足を振り抜き４点目。アディショナルタイムは２分。意外に短い感じ。スコアは４−１で試合終了。

　シュート数は、日２６−１０パ、ＣＫ日６−３パ、ＦＫ日１５−１５パ、ＰＫ日１（ノーゴール）。

　次戦のキリンチャレンジカップ２０２２ブラジル戦は、６月６日、午後７時２０分から東京都の国立競技場で行われる。