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神戸が初の日本一を天皇杯で飾る

20・01・11
スぺイン選手移入で鹿島を2−0で一蹴

 2020年、令和2年1月元日。オリンピックイヤーの初日、全国民が見守る新国立競技場のこけら落としは「サッカー天皇杯元日決戦」にふさわしい大会だった。

 天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会は1日午後2時35分から、東京都の国立競技場で、鹿島アントラーズとヴィッセル神戸の間で行われた。

 この大会は2019年5月25日に開幕。Jリーグ、都道府県代表47チーム(JFL、企業チーム、大学など)合計88チームが参加して頂点を目指した。

 決勝は、新競技場に5万7千597人の観衆。天候晴れ、気温10度、湿度28パーセント。審判は佐藤隆治主審(42=愛知県出身、ロシアW杯などの国際審判)。2人の副審と第4の審判、2人のVAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が主審の判断を補助した。

 試合は午後2時37分、鹿島FW伊藤翔のキックオフで始まり、2トップの片方はセルジーニョ。4バック−4MFの布陣。神戸は3バック−4MF−3トップ。イニエスタは左下がり気味のボランチの位置。起点になって直接シュートを放ったり、左からの展開の中心になっていた。

 一方、鹿島は2トップが中央からの攻めを展開するが、絞り込まれた3バックに止められる場面が多い。MFの上がりを待ちながら持ち込むが、途中でカットされて逆襲をかけられる。シーソーゲームが続くが、やや神戸が奇抜な展開を見せる。

 前半18分神戸が得意な左からの攻め。MF酒井高徳が持ち込み、左を駆け上がった背番号10ルーカス・ポドルスキが左から強烈なシュート。GKクォン・スンテがはじき出すが、ゴール前の神戸FW藤本憲明と相手DF犬飼智也のどちらかに当たってゴール。この時点では藤本のゴール。

 神戸の得点は認められたが、佐藤主審はVARの判定を見て「オウンゴール」を公式記録とした。

 さらに神戸は左中心の攻撃を右の攻めに変化。今季、鹿島から移籍したMF西大伍からの展開を試みてきた。西―藤本―古橋亨梧のトライアングルパスが相手DFの変化を見極めて、裏を取る動き。これに鹿島DFが引っ掛かり38分、西からのパスを受けようとゴールに向かったFW藤本への低いクロスをインタセプトしようと出たDF犬飼がミスキック、藤本が拾ってゴールに押し込み神戸の2−0で前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■鹿島・大岩剛監督
 「寄せを早くしないと持ち運ばれる場面が多い。攻めは確かなパスが通らない。得点に出来る展開をサイドからして行きたい」 

■神戸・トルステン・フィンク監督
 「良い出来」

 
 後半は、鹿島が4バックから3バックに変え、サイド攻撃を試みる。MF白崎凌兵を土居聖真にハーフタイムで交代。起点を作るがなかなか糸口をつかめない。53分に2人目の選手交代。MF名古新太郎に代えてDF山本脩斗を投入、ポゼッションからの得点を狙う。

 鹿島のポゼッションで、防戦に追い込まれた神戸は、スピードのある藤本や古橋を使ってカウンターを狙う。追加点というよりもボールキープを優先させる形。78分に活躍した藤本に代えFW田中順也を入れて、バランスを保つ。

 両軍とも最後の決戦。鹿島は72分にFW伊藤に代えてMF中村充孝はセルジーニョ、レオ・シルバを生かすための策だったが、実を結ばなかった。

 キャプテンマークを付けたイニエスタは88分に交代、今季で引退を決めたダビド・ビジャは90+2分で交代、勝利の僚友を迎える用意か? 後半は0−0で試合終了。鹿島相手に神戸が2−0で勝利し、天皇杯初優勝。創部以来25年を初タイトルで締めくくった。

 北海道チームの予選を振り返ると、Jリーグの北海道コンサドーレ札幌は2019年7月3日、ホーム札幌厚別公園競技場でHonda FC(静岡県代表)と2回戦を戦い2−4で敗退した。北海道代表の北海道教育大岩見沢校は同5月26日札幌厚別運動公園競技場で、流通経済大学(茨城県代表)に1回戦を戦い0−2で敗れた。
池田淳