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J1第26節(9月14日)、仙台にリベンジ果たせず

19・09・20
仙台・渡邉監督が3−1で札幌に今季2連勝

札幌は初の代表陣に「迷いと疲労」

 J1リーグで勝敗を考察する「岡目八目」を連載して3季目。こんなに迷った「予想」は無い。北海道コンサドーレ札幌は連勝中で、日本代表に外国籍などを含め4人を出している。さらに明治安田生命J1リーグ第26節は、ベガルタ仙台が相手で、今季の17節(6月30日)は1−2で敗れている。さらに仙台は公式戦は2週間無し。選手は元気でDFシマオ・マテがキャプテンになった。

 札幌はルヴァンカップ2試合と、その後鈴木武蔵(2022W杯アジア予選=日本代表)、菅大輝(U−22代表)、GKク・ソンユン(大韓民国代表)、MFチャナティップ(タイ国代表)が、海外での大会でチームを離れていた。

 仙台の渡邉監督が「立て直し中」、札幌ペトロビッチ監督は「迷走中」と言っても過言ではない―と読んだ試合だった。

 このゲームは9月14日午後2時03分、札幌がキックオフした。気温23.8度、湿度47パーセント。微風が東から吹いており仙台が風上を選び、札幌サポーター側に攻めた。入場人員は1万1千254人で、仙台サポーター席は約2百人で埋まり、時折メーンスタンドからも「仙台、ベガルタ」の声が飛んでいた。主審は井上知大氏(41=兵庫県出身、1級審判)。

 J1リーグで唯一のデーゲームは、秋日和。試合開始時は、仙台が押し気味に試合を支配した。トップに並んだFWハモン・ロペス(185センチ)、長沢駿(192センチ)の長身選手が突進を掛ける。札幌DFキム・ミンテと早坂良太(進藤亮佑がけがで欠場)が、時たま裏を取られヒヤリ。

 仙台最初のチャンスは前半2分から4分の間、札幌ペナルティエリア外からFK(フリーキック)をGKク・ソンユンのフェスティングでゴールバーを越えるが、この後、CK(コーナーキック)が連続。仙台の勢いを感じた。

 札幌はMFルーカス・フェルナンデスが先発、いつもの白井康介が左のWB(ウイングバック)に入ったが、ルーカスの中へ中へのドリブルで中央のジェイ―鈴木武蔵―チャナティップの幅が狭くなり、仙台の4バック、シマオ・マテ、永戸勝也、蜂須賀孝治、平岡康裕に守り切られた。

 先制点は仙台で前半32分、中央でハモン・ロペスがキープ、トップスピードで中央からシュート、GKクがはじいたところを背番号8MF松下佳貴が難なく決めてリード、前半の得点統計では上回る札幌に土を付けた。

 後半は札幌ミシャ監督が「ボールを奪ってからの質を上げよう」。仙台の渡邉監督は「相手のミドルシュートに対して、正面に入ること」を指示していた。選手は早めの交代で、札幌が早坂に代わって深井一希が投入された。これで中盤のキャプテン宮澤裕樹、荒野拓馬らの攻める姿勢が見え

 すると後半5分、白井が中央左からチャナティップ、横に流して荒野が右足で決めた。25メートルものミドルシュートだった。1−1にしたが、直後の8分、仙台がCKからDFで腕章を付けたシマオ・マテが頭で決めてリード。札幌は22分にアンデルソン・ロペス(白井と交代)を投入したが、攻撃陣の混乱を招くだけで、仙台ゴール前で、はじき出された。

 1−2で終盤、昨季まで札幌にいた仙台MF兵藤慎剛が道渕諒平に代わって登場、愛嬌を振りまいていた。決定打もCKから。30分ハモン・ロペスが決めて、バックスタンドのサポーターを湧かせた。

 「広瀬川 歌い続ける 爽やかさ」(道永=池田 淳)

 この結果、札幌は敗戦したものの順位変わらず7位。仙台は順位を1つ上げ14位になった。札幌の次節、明治安田生命J1リーグ第27節は、9月28日午後3時から、アウエーの茨城県立カシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズと対戦する。


 【余 談】J1初得点のコンサドMF27番荒野拓馬(26=札幌市出身)は、180センチ、72キロ、利き足は右。

 経歴は札幌FC、コンサドーレ札幌U−15、同U−18(ウィザス高校卒業)、2010年コンサドーレ札幌2種登録、2011年同。高校2年でリーグデビュー、17歳187日のコンサドでの最年少出場記録を持つ。世代別代表歴はU−18日本代表(2011年)、U−21日本代表(2013年アジア大会)、U−22日本代表(2015年AFC U−23選手権)。

J1リーグ得点経過=2012年0得点、17年0、18年0、19年9月14日第26節対仙台戦でJ1初得点。19年(J1=1得点+α)

J2リーグでの得点=2010年0得点、11年0得点、13年4得点、14年3得点、15年2得点、16年2得点

今節までの通算J1得点は1、J2得点11。出場数J2=107試合11得点。J1出場数79+α、得点1+α。乞うご期待!

 (写真はいずれも9月14日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前半4分、仙台のDF永戸(2番)のFKを壁を作って守る札幌の選手たち、左からMF荒野(27番)、FWジェイ(48番)、DFキム・ミンテ(20番)、MF鈴木(9番)、DF早坂(26番)、GKク・ソンユン、MF宮澤(10番)。鈴木の頭に当たっているように見えるが、結果的にはGKク・ソンユンが左手ではじき出しCKに逃げる

 上写真/前半32分、仙台FWハモン・ロペスのシュートを札幌GKク・ソンユン(左端)が左手一本ではじいたが、詰めていたMF松下(8番)が押し込み先制点、後ろで仙台FW長沢(38番)も喜ぶ。札幌MF宮澤(10番)は手を上げてオフサイドを主張している


 上写真/前半36分、札幌MF荒野のパスを受けたチャナティップ(18番)がシュートしたが、惜しくもゴール左にはずれ悔しがるMF鈴木(9番)、右端仙台MF富田(17番)は「助かった!」といった感じか

◆北海道コンサドーレ札幌の鈴木武蔵選手のコメント
 「今日の試合は自分も含めて全体的にパフォーマンスが良くなかった。チャンスもなかなか作れていなかったので、反省点が多い。相手がある程度、引いてくることは予想できていたが、その中でビルドアップのところがあまりうまくいかず、相手守備をはがすことができなかった。同点にしてからもすぐに失点をしてしまったし、今日のような試合ではもう少しチームとして我慢をして戦うことが必要になると思う。前節はそれができていたはずなので、そこをしっかりと継続してやれるようにしなければいけない」


 上写真/後半5分、札幌MF荒野(右)がチャナティップからのパスを受けて、同点ゴールを決める、左仙台MF関口(7番

■北海道コンサドーレ札幌の荒野拓馬選手のコメント
 「今日に関しては球際のところで相手に上回られてしまい、その結果が勝敗にそのまま出てしまったと思っている。試合途中に相手に勢いづかれてしまったところは反省しなければいけない。得点のところについては、チャナティップからパスが来た際にスペースがあったので思い切ってシュートを打った。細かな部分はあまり覚えていないほど。J1での得点は初めてだが、今日の得点にとどまらず、もっとチームの勝利に関われる得点を取れるようにしていきたい」


 上写真/後半5分、同点ゴールを決めた札幌MF荒野(27番)がチームメイトの歓喜の輪が解けた後、両手を上げてサポーターにアピール


 上写真/後半40分、仙台右CKからFWハモン・ロペス(右端の9番)がダメ押し点となるゴールを決め走り出す、その左2点目を決めたDFシマオ・マテ、札幌FWジェイ(48番)とMF宮澤はぼう然

■ベガルタ仙台のハモン・ロペス選手のコメント
 「まずは勝てたことがうれしいですし、ゴールを取れたこともうれしい。ただしそれは日頃の練習から良い準備をして、自分にチャンスが来たら必ず結果を残すという気持ちがあったので、今日みたいな結果が出たと思います」


 上写真/後半45分、札幌右CKからの反撃でDFキム・ミンテ(手前)が仙台DF蜂須賀(4番)をかわしながらシュートするが、足が上がりすぎ反則を取られ反撃の芽を摘まれる


 上写真/仙台に1−3と敗れゴール裏サポーターの声援に応える札幌の選手たち


 上:左側写真/後半35分、懸命に指示を出す札幌のペトロビッチ監督、そのかいもなく5分後、ダメ押し点を入れられる

 上:右側写真/前半19分、目の前での札幌MF鈴木(左)と仙台DF永戸のマッチアップの判定に大声で異議をとなえる仙台の渡邉晋監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「非常に残念な敗戦です。ただ、内容を見れば仙台がわれわれを上回ったと思いますし、仙台が勝利に値するゲームをしました。やはり運動量、球際といった部分で相手は上回っていました。相手のほうがフレッシュで、われわれのほうが重く、局面で相手を上回れない場面が多かったです。相手の2トップへのボールに競り勝てない、あるいはセカンドボールを拾われ続けてしまいました。なかなかボールを動かすテンポも上がらず、われわれの強さであるカウンターも詰まってしまう場面が多かったです。同点にしたあとにもすぐにCKから失点し、思うようにいかない展開になってしまいました。

 日程を言い訳にするつもりはないですが、リーグ戦が休みの間、われわれは2試合。反対に仙台は良い状態でこの試合に挑みました。われわれの代表選手が合流したのが木曜日。なかなか準備の時間がなかったですし、核となる選手が力を発揮できなかったことも敗戦につながったと思います。

 ここからまた2週のブレイクに入りますが、そこでリカバー、トレーニングをして残り試合に向かっていきたいと思います。今季ここまで良い結果を残してきましたが、その中でこういう試合もあると思います。必要以上に下を向くことなく、やるべきことをやっていきたいと思っています。

−Q−アンデルソン ロペス選手を入れたときの布陣の意図について。トレーニングでもあまり見たことのない形だった。
 負けている状況でしたから、ジェイと鈴木(武蔵)を2トップ、ロペスとチャナティップの2シャドーという攻撃的な布陣にしました。やはり負けているわけですから、相手守備を破っていくという意図です。思ったようにはいきませんでしたが、攻撃的なバリエーションになったと思います」


■ベガルタ仙台の渡邉晋監督のコメント
 「ひさびさにリーグ戦で勝つことができて、ようやくサポーターが試合終了後に喜んでオーラ(勝利の歌)を歌ってくれることを非常にうれしく思いますし、今まで待たせてしまって申し訳なかったと思っています。われわれはここからまた、3日準備をして、天皇杯があるので、一番上の北海道から今度は長崎まで飛ばなければいけないのですけれども、3日間で良い準備をして天皇杯も勝ち進めるように、今日の勢いを持ってしっかり戦えるようにやっていきたいと思います。

−Q−2得点したCKについて。
 まず、間違いなく狙いというものがあって、コーチ陣がリスタートに関しては本当に毎日目を真っ赤にして映像を見ながら、相手の弱点、あるいはストロングというものを探し出してくれています。それをわれわれがいかにして突いていくか、あるいはそのストロングを出させないのかというものをトレーニングする中で、まずは(永戸)勝也のボールが、シーズンを、日を追うごとに鋭さを増しているので、あとは中が、自分のマークを外しさえすれば、その狙いを共有しさえすれば、得点ができるというところだと思います。それをまた、こうやって実際にゴールに結びつけさえできれば、成功体験としてまた次もやってやろうということができるので、リスタートのアタックに関して言えば、良い循環ができているのかなと思っています。

−Q−キャプテンマークを巻いたシマオ・マテ選手について。
 キャプテンマークを任せたのは、シュミット・ダニエルが副キャプテンだったのですが、彼が海外に行ってしまいました。その後にキャプテンの大岩(一貴)、副キャプテンである蜂須賀(孝治)の2名に相談をして、1名増員をしたいけれどもどうだ、というところで、私のほうからシマオを彼ら2人に推薦して、彼らも承知してくれたので、副キャプテンにはすでになっていました。

 そこで、ここ数試合の流れを見るなどして、ハチ(蜂須賀)も、キャプテンらしくいろいろ振る舞ってくれたのですけれども、ハチらしさというものをもう1回、キャプテンマークを取ってあげて、少し荷物を下ろしてあげて、のびのびやらせてあげたいなという思いもあったので、今日はシマオをキャプテンにしました。パフォーマンスに関しては、いつもどおり素晴らしいプレーをしてくれたと思います」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影