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J1第10節(5月4日)、神戸に逆転勝利で札幌がJ1初の4連勝

19・05・07
 北海道コンサドーレ札幌は5月4日に、ホームの札幌ドームでヴィッセル神戸と対戦。前半スコアレスで試合を折り返した後半、神戸FWダビド・ビジャがPKで先制。しかし札幌はDF進藤の見事なオーバーヘッドで同点。さらにはFW鈴木のダイビングヘッドで逆転弾。これが決勝点となり2−1の劇的勝利。これで札幌は勝ち点を18に伸ばし、順位を5位に上げた。

 令和時代になってから初開催となる明治安田生命J1リーグ。ホームの札幌はここまでリーグ3連勝と上り調子。逆にスター軍団神戸は4連敗中。途中、監督解任劇があり昨年に続き吉田監督が代行で立て直しを図るが、期待のVIPトリオの内、ビジャが先発もイニエスタとポドルスキはメンバー外。

 対照的な状況の両チームに注目が集まった一戦は、ゴールデンウィーク中ということもあり、札幌ドームには34,591人が集まった。

 その中、試合は、神戸のビジャが開始早々に怖い動きでゴールをうかがう。前半3分、神戸DF西が右サイド高い位置でボールを持つと、そこにMF三田が関わり右サイド深くまで崩す。ペナルティーエリア内へグラウンダーのパスが入り、神戸は1人スルーするような形から、後ろのビジャが素早く右足ワンタッチシュート。これはGKのク・ソンユンがセーブし、得点とはならなかったが、コンパクトにミートする技術の高さが垣間見えた。

 札幌の攻撃は、前半14分。札幌が蹴った浮き球を神戸DFが中盤でクリアを出来ずにボールがセンターサークル内へ落ちる。反応した札幌MFチャナティップは、FW鈴木の裏へのアクションをしっかりと捉えてからワンタッチのスルーパス。スピードに乗った鈴木が抜け出しGKと1対1になるも、タッチが少し遅れたか、シュートは戻ってきたDFダンクレーにクリアされた。

 次のチャンスは神戸。前半40分、敵陣中央右サイドで西がボールを持ち、前にいたFW古橋へ縦パスを送る。札幌DF福森が対応するも、古橋はDFとの距離が遠いのを察知しクロスを選択。ペナルティーエリア内で待っていたビジャがまたも右足ワンタッチでシュートを放つも、ボールは枠の左へ飛んだ。

 スコアレスで入った後半、まずは札幌が決定機を作る。後半14分、ペナルティーエリア手前左サイドでチャナティップが起点になり福森が一気にオーバーラップ。フリーでボールを受けた福森は左足で浮いたクロスを入れる。これをペナルティーエリア内で神戸DFが頭で触るもボールは札幌MFルーカス・フェルナンデスへ。狭いスペースだったが対峙したDFを股抜きで突破したLフェルナンデスはシュートを放つも、飛び出してきたGKキム・スンギュに阻まれ、ゴールとはならず。

 後半、札幌が流れをつかんでいるようにみえたが先制点は神戸。後半17分、神戸が右サイドに展開し、ボールを持った西がFW古橋とのパス交換でペナルティーエリア内へ進入。西がドリブルで仕掛けると札幌DF福森が接触し、PKの判定。キッカーのビジャは強いゴロで右隅を狙い、札幌GKクも左手一本で触るもシュートの威力に押されゴールイン。神戸が連敗の悪い流れを断ち切るかに思えた。
 
 しかし好調な札幌はこのままでは終わらない。後半23分、右サイドからのFKを福森が左足で蹴り込む。神戸DFが戻りながら頭でクリアしたボールは、目の前の味方に当たりボールは混戦のペナルティーエリア内に浮き球で帰ってくる。これにいち早く反応したのが札幌DF進藤。一瞬の判断でゴールに背を向けてからオーバーヘッド炸裂。これが見事に決まり、驚愕の同点弾を奪って見せた。DFならではの空間認知能力の高さと、ストライカーばりのダイナミックな動きを融合させた進藤は、ここ4戦で3得点と絶好調だ。
 
 これで札幌の勢いに火が付き、後半30分に逆転に成功する。右サイドをドリブルで持ちあがったMF宮澤がLフェルナンデスとのワンツーパスでペナルティーエリア右深くまで入り込む。一度はクロスを入れようとするもDFに当たり、ボールを拾った宮澤は、後ろにいた途中出場MF早坂へパスを戻す。早坂はダイレクトで絶妙なクロスを供給すると、ニアで相手DFに競り勝った鈴木が、豪快なダイビングヘッドで叩き込んだ。

 このゴールのポイントは、シュートの前。札幌が右サイドで作っている間に、鈴木は長いバックステップでポジションを取り直し、そこから一瞬でDFの前へ飛び出す動きで相手DFの視界から消えていた。これが点の取れるストライカーの証でもある。

 負けられない神戸はアディショナルタイムにパワープレーに出る。後半49分、GKのロングキックから途中出場のFWウェリントン目掛けロングボールを放り込み、ヘディングで前線へ流す。これがスルーパスとなり最後は古橋が左足シュートを放つも、守護神クが立ちはだかり、タイムアップ。2−1の逆転勝利で、札幌がJ1リーグ初の4連勝達成。この日は令和時代のJリーグを記念するようなスーパーゴールもあり、ドームのボルテージも最高潮となった。

 札幌の次の試合は5月8日、ホームの札幌厚別公園競技場で、横浜F・マリノスとJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第5節を戦う。

 (写真はいずれも5月4日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/石屋製菓のスイーツマッチとして試合前にドーム内を暗くしペンライトが灯された


 上写真/前節の磐田戦で負傷したMFアンデルソン・ロペスに代わって先発で起用された札幌MF荒野(27番)が前半開始早々の5分、神戸ゴール前に迫りこちらも先発に起用されたDF宮(15番)と激しくぶつかり合う、この日の好試合を予感させるシーンだ。右端札幌MFチャナティップ(18番)


 上写真/前半14分、札幌FW鈴木(9番)はMFチャナティップのパスを受けてペナルティーエリア内に突入、神戸DF宮(15番)に倒され、一瞬PKか?と思ったが、主審の笛は鳴らず。中央MF山口(5番)、左後方に元札幌の神戸DF西(22番)


 上写真/後半15分、右サイドからペナルティーエリア内に入った神戸DF西を札幌DF福森が倒してPKを献上、17分FWダビド・ビジャ(左端の7番)が決めて先制点を上げる。札幌GKク・ソンユン(25番)も反応し、わずかに触ったが止めきれなかった。右端神戸DFダンクレー(33番)


 上写真/後半23分、驚愕の同点ゴールを決めて走り出す札幌DF進藤(3番)にキャプテンMF宮澤(10番)、深井(8番)、早坂(進藤の右)らが笑顔で声をかける、これがチームの好調を維持する一体感だろう。右端FW鈴木(9番)


 上写真/後半30分、札幌FW鈴木(倒れている)が右サイドの早坂からのクロスに巧みな動きからダイビングヘッドで合わせて逆転ゴールを決める。神戸DF宮(15番)、ダンクレー(右手前)、MF山口(後方)はぼう然


 上写真/神戸を2−1と逆転で破り喜ぶ札幌の選手の横を、元札幌でこのゲームのキャプテンマークを巻いた神戸のDF西(右端)がうつむいて引き上げる、33番はDFダンクレー


 上写真/サポーターへあいさつするMVPを獲得した札幌FW鈴木(中央)だが、同点弾を決めたDF進藤(3番)がおどけて「MVPは俺だ!」と言わんばかりに自己主張していた。2人ともMVP級に輝いていた


 上写真/後半45分、懸命に指示を出す札幌のペトロビッチ監督(右)と神戸の吉田孝行監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「試合前に選手に伝えました。直近の試合で連勝をしている。良いゲームをして勝利をしてきたので、今日のような舞台を自分たちで作り上げることができた。その舞台を楽しみなさい、そう伝えました。たくさんのサポーターが来てくれて、今日の舞台を作ってくれたことを幸せに思っていますし、そこで選手たちはやってきたことをしっかり表現してくれたと思います。

 前半は素晴らしい出来でした。ただ、決定的なチャンスを生かし切れない。そういう展開で、そこで失点をして難しくなりましたが、そこであきらめずに戦ってくれました。サポーターがそうした雰囲気を作ってくれたと思っています。感謝しています」


■ヴィッセル神戸の吉田孝行監督のコメント
 「前半に関してはやろうとしていたことを相手にやられたなという印象です。ボールホルダーに行くのか、行かないのか。そういうところで裏を狙われて、なんとかみんなで守り切った形でした。後半は相手が引いていたので、CBのところで慌てずにつなげながらやっていこうということで、改善ができて得点ができましたが、不用意にカウンターを受けるなど改善点がまだまだありました」
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影