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ルヴァンカップ第3節(4月10日)、鈴木のハットトリックもあり湘南に快勝

19・04・12
 北海道コンサドーレ札幌は4月10日、ホームの札幌ドームで湘南ベルマーレと戦ったYBCルヴァンカップグループステージ第3節。札幌は、攻撃陣が爆発しFW鈴木のハットトリックに、MF檀崎のプロ初ゴールもあり4得点。湘南の反撃もMFレレウに決められた1失点に留め、札幌が4−1のスコアで快勝した。

 4月6日のホーム大分戦で、ペトロビッチ体制になってから初のリーグ戦3連敗を喫していた札幌。一方の湘南は、ホームで磐田に敗れこちらはリーグ戦連勝が2でストップ。互いに敗戦後ということもあり、チームの勢いを取り戻す意味でも非常に重要な一戦となった。

 試合は、両チーム共に大幅にメンバーを入れ替えており、若手を中心にアピールすべく、おのおのがモチベーション高く臨む。

 すると札幌の期待の若手がさっそく躍動する。前半13分、DF福森が自陣中央左サイドから得意の左足で一気にDFライン裏への正確なロングフィード。ペナルティーエリア内で受けた檀崎は正確なトラップからシュートを放つもDFにブロックされ得点とはならず。

 続く前半19分、今度はこちらも若手のMF岩崎がチャンスに絡む。MFルーカス・フェルナンデスが敵陣深く右サイドでキープ。そこから小刻みなステップとキレのあるドリブルでDFをかわし中央へ低く速いクロス。これにタイミング良く入ってきた岩崎がワンタッチのうまいミートでシュート。しかしGK正面で防がれた。

 流れをつかんでいた札幌は、この日、目に見えて調子が良かったルーカス・フェルナンデスがまたも決定機を演出する。前半23分、敵陣深く右サイドでボールを受けるとドリブルを披露しながらペナルティーエリア内で進入。鮮やかな切り返しの連続でDF2人をかわし、3人目に仕掛けたところで足をかけられPK獲得。これを鈴木が冷静に沈め札幌が先制に成功。

 札幌は攻撃の手を緩めず相手を押し込むと前半40分、自陣ハーフウェーライン手前左サイドからJFA・Jリーグ特別指定選手のMF金子(日大在学中)がDFラインの裏へ絶妙なロングスルーパス。鈴木はGKと1対1の状況になるも、横でフリーとなっていたルーキー檀崎へお膳立てのパスを送る。檀崎は正確な右足インサイドでゴールに流し込みプロ初得点。両手を広げ喜び爆発、2−0とリードを広げる。

 勢いの止まらない札幌は直後の前半41分、自陣中央左サイドから浮かした楔のパスを鈴木がスルーし後ろにいた檀崎へボールが渡る。スルーした鈴木は直後DFラインの背後へスプリントを始め、ボールが入った檀崎はその動きを見逃さずにワンタッチでDFの裏へ浮かしたスルーパスを送る。スピードに乗った鈴木はファーストタッチでDF1人をかわすとGKと1対1に。最後は右に流れながら右足で逆サイドネットを揺らし札幌が3点目。直前に鈴木のアシストをもらった檀崎がお返しする形になった。札幌が3−0と優位な形で試合を折り返す。

 後半に入り、なんとか流れを取り戻そうと湘南が意地を見せる。後半5分、敵陣中央でドリブルを始めたDF秋野がルックアップした状態でボールを持っていると、湘南の前線が連動したアクションを始める。札幌のプレスの甘さもあり、中央にぽっかりと空いたスペースに左からダイアゴナルランをしてきたレレウにスルーパス。レレウはワンタッチシュートで飛び出してきた札幌GK菅野を破り1点を返す。

 これで湘南が勢いに乗るかに思えたが、今日の札幌は違った。後半20分、自陣中央から前線左サイドの岩崎へスルーパスが通る。岩崎はドリブルでペナルティーエリア近くまで進むと、後ろから勢い良く走り込んできた鈴木へ、歩数もぴったりのタイミングでラストパス。鈴木はペナルティーエリア内でGKと1対1となり、今度は左足で冷静にニアサイドを突きハットトリック完成。エースの証明をしてみせた。

 結局、後半1失点はしたものの、期待の若手と中心選手が融合した危なげない戦いで、札幌が4−1の完勝。これで札幌はグループステージを勝ち点5で長崎を得失点差でかわし首位となった。

 予想だにしなかったのはこのゲームの開始前。10日午後4時30分の「メンバー提出」時間。札幌ドーム1階のプレスルームは騒然とした。20社ほどの記者、カメラマンが待ち構える部屋に「スタメン」(各チームの先発メンバー)が配布された。札幌のスタメンに「FW鈴木武蔵、MF宮澤裕樹、菅大輝、DF福森晃斗」の名前。各紙は、札幌3−4−3のスタメン予想に、中3日のJ1主力が出るとは「まさかだった」。試合が始まると、ペトロビッチ監督の姿もジャージー姿(今年は背広)。全て「連敗脱出」の意気込みだった。

 札幌の次の試合は4月13日、アウエーのヤンマースタジアム長居で11位のセレッソ大阪(勝ち点7)とJ1リーグ第7節を戦う。

 (写真はいずれも4月10日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前列左からMFルーカス・フェルナンデス(7番)、岩崎(13番)、菅(4番)、檀崎(17番)、福森(5番)、後列左からGK菅野、FW鈴木(9番)、DFキム・ミンテ(20番)、早坂(26番)、MF金子(30番)、キャプテン宮澤。
 これまでのル杯では直近のリーグ戦で先発した選手は先発させないのが通例だった。今回、札幌のペトロビッチ監督は異例の選択をした。直近のリーグ戦だった6日の大分戦で先発したFW鈴木、MFキャプテン宮澤、菅、DF福森の4人を先発させた。新加入選手はMF岩崎と檀崎、来季札幌に加入が決まっている大学生の特別指定選手のMF金子を抜擢した


 上写真/前半22分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(手前)は右サイドを駆け上がり、湘南FW山口のアタックにボールを切返す。この日キレキレだった


 上写真/前半24分、札幌MFルーカス・フェルナンデスが得たPKをFW鈴木(9番)が決めて先制する


 上写真/前半41分、札幌MF檀崎が出したパスを受けたFW鈴木(9番)が湘南DF大野(8番)を置き去りにドリブルで持ち込みチーム3点目をあげる


 上写真/前半44分、中央から右へパスを出す札幌キャプテンMF宮澤(10番)、6日のリーグ戦から中3日、ボランチとして出場だったが、後半32分、FW藤村と交代するまで攻守でチームを牽引した


 上写真/後半3分、札幌MF金子(30番)がシュートを放つ。金子は来季入団が決まっている大学生で特別指定選手、この試合先発メンバーに名を連ねた


 上写真/後半5分、一瞬の隙から1点を返され厳しい表情の札幌GK菅野(中央)、左DFキム・ミンテ、その右湘南FW中川(14番)、右端札幌MF岩崎(13番)


 上写真/後半20分、札幌FW鈴木(9番)が滑り込むように湘南DF大野(左)をかわしてゴールを決め、ハットトリックとなる


 上写真/久し振りの勝利にスタッフと笑顔で握手する札幌のペトロビッチ監督(中央)、その左、四方田ヘッドコーチ


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームはここ最近の中ではベターなものだった。リーグ戦で3連敗している中で、今日勝てたことは重要だった。チームとして勝利をしたことで、自信を取り戻したと思う。週末のC大阪戦の前に、前向きな結果が出たことは良かった。名古屋戦や大分戦は早い段階で失点し、自分たちの戦いが出せませんでした。しかし、今日は強い気持ちと、走り、戦うところも含めて狙いが出せたと思う。次のゲームを戦う上で、明るい光が射したと思っています」

―直近のリーグ戦で先発したメンバーが4人先発。ここまでのルヴァンカップとは違っていたが。
 「今日のゲームは3連敗で迎えた中での試合。負ければ4連敗。その中での今日の勝利は重要でした。何がなんでも勝利したいという思いの中で選択した先発メンバーです。今日の結果はポジティブな結果をもたらすはずです」


■湘南ベルマーレの諜裁監督のコメント
 「平日の夜にもかかわらず、札幌のサポーターの、自分たちのチームを勝たせたいという意気込みを相手チームながら感じましたし、湘南のサポーターも最後まで応援をしてくれたのですが、結果的に負けてしまい、今季最も点差のある負けだったと思います。

 敗戦というのはどういう状況でも悔しいものですが、今日に関して言えば、ああいうメンバーで初めて戦った中で、こういうスタジアムの雰囲気の中でやるプレーがどこかやはり、いつも練習でやっているようにプレーが出来なかったりだとか、耐えられなかったりだとか、そういった状況で失点を繰り返しましたけれど、今日ピッチに立った選手や見ていた選手が練習、もしくは試合をどのようにやっていかなければいけないのかということを自分で体験できた試合だったと思います。そこに行ったらライオンがいるから危ないよ、ではなく、実際にライオンに会って危ないと思うのとでは、全然違うと思います。そういう実体験ができたことが今日の一番の収穫です。

 本当に札幌は素晴らしい攻撃をしてきました。次回の対戦では、今日のことをしっかり生かして、またチャレンジしたいと思っています。気持ちとしては決して下を向いているわけではなく、今日のことを次に生かしていかなければいけないと思っています。

 若い選手がたくさんピッチに立ったということを、いろんな意味で感じた方もいると思いますが、若いから間違ってもいいということはありません。経験があるから選手が間違いが少ない、などとは全然思っていないので。彼らが今日見せたものが彼らの力なんだということを、彼らが認識してほしいですし、今日出た課題を全員で共有して次の試合に挑んでいってほしいと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影