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J1第34節(12月1日)、ホームで広島と分け4位終戦。ACLを逃す・・・

18・12・06
 北海道コンサドーレ札幌は12月1日にホームの札幌ドームでサンフレッチェ広島と対戦。試合は開始早々に札幌がMFチャナティップのゴールで先制。さらに札幌はFWジェイのビューティフルゴールで2点リード。対する広島は、前半のうちにMF馬渡のゴールで1点返すと、後半にもMF柴のゴールで同点。2位広島の意地を見せつけられる展開で2−2の引き分けに終わった。

 札幌は既に過去最高の4位以上を確定させており、勝てば広島と順位が入れ替わり初のACL出場権を獲得する大一番となったリーグ最終戦。札幌ドームには、今季最多となる34、250人もの大観衆が集まり、サポーターの期待と熱気にあふれる中キックオフ。

 すると早速、大声援の後押しを受け、いきなり札幌がゲームを動かす。前半3分、センターサークルでジェイが左サイドにボールを振る。受けたMF菅は長いアーリークロスを入れると、逆サイドのMF三好がペナルティーエリア内でシュートを打ち、DFに阻まれる。このこぼれ球を三好がワンタッチで横のMF荒野へ流し、荒野もワンタッチで中のジェイへ。ジェイが体を張り、ボールを落とすと、最後はチャナティップがワンタッチシュート。低く抑えの利いたボールは、あっという間にゴールネットを揺らした。今季の札幌を象徴する、流れるような攻撃で先制に成功する。

 これで勢いに乗った札幌は、広島に主導権を握らせずに追加点を奪う。前半21分、自陣左サイドで福森が、相手DFラインの裏にうまく抜け出したチャナティップにロングフィード。これは、広島GK林が飛び出しクリアするも、ボールは敵陣中央辺りのジェイに渡る。ゴールまで約30メートルと距離はあったが、ジェイはすかさずシュートを選択。ボールはGKのカバーに入った広島DFの頭の上を越える綺麗な弾道でゴールへと吸い込まれる。トラップから左足の正確なキック、両手を広げて歓喜のシーンまで、止まるような時間と一連の動作も美しかった。

 札幌が思い通りの展開で2点リードし、ドームの雰囲気も最高潮。一気にACL出場への道が開かれたかに思われた。しかし、リーグ終盤に大失速したとはいえ、2位に付けている広島も黙ってはいなかった。

 前半39分、MF柏がペナルティーエリア左からクロスを供給。ファーサイドのFWティーラシンが頭で中央へ折り返すも札幌DF進藤がクリア。このこぼれ球を馬渡が拾い、ワントラップからシュートを放つと、これが札幌DFに当たって軌道が変わりゴール。広島が1点返し、2−1で前半を終える。

 1点差となり、余裕の無くなった後半、広島がその流れを逃さずに同点弾を決める。後半6分、ペナルティーエリア手前の左サイドで横パスを受けた柏が右足でゴールに向かうクロスを入れる。この瞬間、広島は4枚が入り込み、中央の札幌DFは3枚。ファーサイドにミスマッチが生まれ、うまく入り込んだ柴が頭であわせゴールイン。試合は振り出しに。

 再度突き放したい札幌は、後半13分にチーム得点王のFW都倉を投入。勝ち点3とACL行きを懸け、猛攻を仕掛ける。後半16分には、福森がハーフウェーライン左から都倉へロングフィード。都倉はフィジカルと巧みな胸トラップでマークをはがしペナルティーエリア内へ侵入。GKと1対1の状況となるが、シュートは相手GKのセーブにあう。

 一進一退の攻防で終盤に入り、後半30分にも札幌のチャンス。左サイドを駆け上がっていった菅がペナルティーエリア左からクロスを供給。ファーサイドで都倉が競り勝ち、ヘディングシュートを放つもGK林の正面。

 その後は、両者の思惑が絡みながらの激しい攻防が続くも得点は生まれず。そのまま2−2のスコアでタイムアップ。札幌の選手はひざに手を置き、広島の選手はほっとした表情。札幌サポーターは、悔しいと言うよりも、今年1年のチームの躍進に拍手を送っていた。

 これで札幌は、15勝10分け9敗、勝ち点55の最終順位は4位と、ミシャ体制1年目としては胸を張れる成績で終えた。また、3位の鹿島アントラーズが天皇杯で優勝すれば、札幌の繰り上がりでのACL出場もあったが、鹿島が5日の準決勝で敗れたため、札幌初のACLは叶わず。この夢も来季に持ち越しになった。

 (写真はいずれも12月1日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半3分、札幌MF三好から出たクロスを、荒野(右手前)、FWジェイ(右端)とつなぎ、MFチャナティップが先制ゴールを決める。皆の視線がボールに集まっている。広島MF柴(30番)、青山(6番)が「しまった!」という表情


 上写真/前半21分、札幌FWジェイ(48番)が見事なロングシュートで追加点を上げる。DF福森からのロングボールを、広島GK林がペナルティーエリアを大きく飛び出してクリア、そのこぼれ球をジェイが冷静に技ありで決めた


 上写真/前半23分、2点目を決めたばかりの札幌FWジェイ(48番)がMF三好(41番)と流れるようなコンビネーションを見せる。右端広島MF森和(8番)は現役最後の試合となった、左奥MF青山(6番)


 上写真/前半28分、札幌MFチャナティップ(18番)が自陣で三好のパスを受け、広島キャプテンMF青山(6番)とDF佐々木(19番)をかわしてドリブルで突破。長い距離を走り広島ゴールに迫ったがシュートまではいけず


 上写真/前半33分、広島MF馬渡(主審の後方)のFKを壁を作って守る札幌の選手たち、左からMF荒野(27番)、FWジェイ(48番)、MF早坂(26番)、DF進藤(35番)、MF宮澤(10番)、DF福森、MF深井、馬渡のFKはカーブを描いてバーの上を越えた。超満員のネット裏サポーターが後押しした


 上写真/前半39分、広島MF馬渡(27番)がゴールを決め、息を吹き返した選手たち、左からMF川辺(36番)、キャプテン青山(6番)、森(8番)、DF野上(2番)、左端、嫌な予感?の札幌FWジェイ(48番)


 上写真/後半6分、広島MF柏の左からのクロスに柴(右手前)がヘディングで合わせて同点とする。札幌MF菅(右端)も寄せきれず、GKク・ソンユン(25番)も届かない


 上写真/広島と2−2の引き分けに終わりガックリの手前からFW都倉(9番)、MFチャナティップ、奥で頭を抱える荒野


 上写真/試合終了後、先輩監督の札幌ペトロビッチ監督(左)にあいさつする広島の城福浩監督、2−2と引き分け2位を守って笑顔を見せた

■北海道コンサドーレ札幌のペドロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームはわれわれは勝つことがすべてでした。その意味では非常にシンプルではありながらも難しかったゲームです。前半、非常に良い入りができた中で2点のリードをした中で、相手の圧力を受けてしまいました。3点目を取りにいく姿勢が必要だったと思いますし、反省点だと思います。広島はリーグ優勝3回の経験があり、2点をリードした中でも落ち着いてプレーをしていた。われわれは守りに入ってしまった。そこで失点をしてしまいました。

 同点にされてから選手たちは頑張ってくれましたが、蓄積した疲労もあったのか、なかなか思うような展開に持ち込めませんでした。ACL出場権を得るには足りない結果となってしまいました。

 今日もわれわれが勝利すべく、サポーターが素晴らしい雰囲気を作ってくれましたが、それに応えることができませんでした。ただ、サポーターの皆さんも選手の頑張りを理解してくれていると思いますし、応援し続けてくれたサポーターに強く感謝したいと思います。

 サッカーでは、満足をしてはいけません。しかし、4位という成績は札幌が大きく前進した証です。鹿島の天皇杯の結果次第ではACLの可能性が残っています。これも、多くの方々の頑張りがあったおかげだと思っています。この札幌が4位でシーズンを終えたことは、大きな大きな勝利だと位置づけたいと思っています。みんなの頑張りがあったからだと思います。今日のこのスタジアムの雰囲気、後押し、選手たちの頑張りは間違いなく、自分たちが来季向かっていくべき道を示せたと思っています。来季、さらに前進することが出来ると思っています」

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
 「遠くの地まで多くのサポーターが来てくれて本当に心強かったです。2点リードされる想定外の展開でしたが、サポーターの声援が力になったと思います。4日間しかない中で3バックを練習しましたが、時間がなかったというのは言い訳にしたくないですし、インテンシティーとクオリティーのあるチームであるということをここで見せたかった。その思いが勝点1につながったと思います。勝点3を取れたゲームだと思っていたので、勝点1を取れたとは言いたくないですが、みんなでつかみ取ったものだと思います。この2か月は苦しかったですが、手ごたえを得ることもできました。2位という順位は、選手には胸を張ってほしいですし、クラブには糧にしてほしいです」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影