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J1第24節(8月7日)、アウエー湘南に5−1で大勝

22・08・11
 最強です「駒井・興梠・宮澤」前半だけで連続3得点

  待ってましたミシャ「最後に笑うのは我ら」


 暑い夏が続いている。暑中の最終日の8月7日。きっとミハイロ・ペトロビッチ監督は知らないだろう。日本の習わしでは、「暑中見舞いの最終日」。でもまだ暑い。コオロギの「鳴き声は、まだ先だ」。興梠慎三は「コウロギ」と読む。でも秋を知らせるコオロギは『律儀』に、一足先に北海道に来る。

 こんなことだけで「祝意」を表したのではない。ミシャは「むかむかして北海道の夏をクリア」していく。いつか来る。いつか来る。こんな筈ではない。そうです、けがのため長期離脱の小柏剛が戻り、高嶺朋樹、ルーカス・フェルナンデス、そのうち金子拓郎らも。

 新入りのタイ代表スパチョークも後半に登場、最近名をはせた青木亮太の5点目アシストは「出来そう」をアピールした。韓国からのFWキム・ゴンヒも「ダレの目に止まったか」。

 試合は19時03分札幌がキックオフ。2022明治安田生命J1第24節湘南ベルマーレ対北海道コンサドーレ札幌戦が始まった。神奈川県のレモンガススタジアム平塚には9千568人の入場者。気温27.3度、湿度90パーセントの蒸し暑さ。

 審判団は、札幌が何度か「お世話に」なった井上知大主審(44、兵庫県出身)。副審は川崎秋仁・田中利幸。第4の審判・浅田武士。VAR担当者は松尾一(主審格)、AVARは堀越雅弘。

 対戦する湘南は13位で、ここ5試合1勝3分け1敗。札幌は14位で、0勝2分け3敗。札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、3バックは田中駿汰、岡村大八、高嶺朋樹。WBルーカス・フェルナンデスと青木亮太。ボランチに宮澤裕樹と深井一希。トップ3は興梠慎三をトップに駒井善成と、約3か月ぶり出場の小柏剛。サブにGK大谷幸輝、DF福森晃斗、中村桐耶、MF荒野拓馬、スパチョーク、FWミラン・トゥチッチ、中島大嘉。

 湘南は、GK谷晃生、DF舘幸希、大野和成、杉岡大暉、MF石原弘教、池田昌生、米本拓司、高橋諒、FW町野修斗、阿部浩之、瀬川祐輔。サブにDF畑大雅、MF茨田陽生、元札幌の中野嘉大、FWタリク、大橋祐紀ら。

 さてゲームの方は、立ち上がりから攻めまくる札幌は6分、右サイドのDF高嶺から渡されたWBルーカスが中央にセンタリングしたが場外。続けて8分、相手DFが札幌自陣深い位置でファール。札幌FKの流れから、9分に右サイドにいたMF小柏が低いセンタリングを上げ、エリア内に走り込んだ札幌のFW駒井が右足シュートを決めて先制した。

 さらに14分、相手DFの蹴りだしたボールをトップの興梠が走り込んでゲット2点目。ゴール前の混戦だったので井上主審がVAR担当者と「対話」、反則なしのゴールを認めた(26分飲水タイム)。

 その後29分に湘南のFW町野が負傷退場、大橋が入った。このあたりから札幌の高嶺−小柏の動きが激しい。41分、トップの興梠が相手ペナルティアーク内でボールをキープ。中央に走り込んできた宮澤に短いパス、受けた宮澤は2人のDFを振り切って右足シュート。ボールはGKの腕をすり抜け、「無人のゴール」に転がり込んだ。3−0とリード、アディショナルタイム2分。「蘇ったサッポロ」を久しぶりに見た。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「後半もサポートする意識を持ってプレーすることを継続すること」、「守備はコンパクトに間延びしないこと」、「後半の入り集中していこう」

■湘南ベルマーレの山口智監督のコメント
 「自分たちからアクションを起こす」、「もっと大胆に且つ丁寧に」、「やり切ること」


 ハーフタイム明けに湘南の選手交代。高橋OUT中野IN。池田OUTタリクIN。互いに「立て直し」に入っているのか、20分までは爆発的な「攻守のせめぎ合いなし」。
 
 ここで動いたのは札幌。宮澤OUT福森IN。ルーカスOUT荒野IN。さらに6月にタイからやってきたMFスパチョークが準備動作。23分に深井と交代して、トップ下に入る。

 すると24分、札幌4点目が生まれる。福森が交代で入った後、初めてのCK。左サイドからの大きなスイングは、ゴール前の一群を通り越してのDF田中駿のへディングが決まり4−0。「身震いが出るほどの雄たけび」をコンサドのサポ席に見た(25分飲水タイム)。

 27分に、センターサークル内で青木が右サイドのスペースへパス。追いついた、タイのスパチョークは、中央に走り込んでいた青木を見逃さなかった。丁寧なマイナスのパスを出し、青木がゲットした。主審の井上が、VAR担当者とやり取りをした後、ピッチわきの画像を見に走った。「ダメかな」と、私は思った。走り込む前のプレーで青木のトラップがハンドの疑惑。「胸に当てた手が浮いていたか」。結果はセーフだった。

 31分。湘南の瀬川と茨田が交代。札幌は興梠とトゥチッチIN交代。まだ時間はある。地元の湘南が騒がしい。2年目の監督・山口智さん(44、高知県出身)頑張ってます。ついに34分、サポ席のテンションが上がる。

 トップ下の中野が仕掛け、クロスを送り出す。背番号49の阿部が、右足を振り抜いた。「ホーム意地のゴール」。阿部はそのまま37分にOUT。かわりにDF畑が入った。アディショナルタイムは5分あったがそのまま試合終了で、札幌は1失点5得点。順位は11位にのし上がった。

 シュート数は、湘10−8札、CK湘2−1札、FK湘12−16札、PKなし。

 2022明治安田生命J1第25節北海道コンサドーレ札幌対ヴィッセル神戸戦は、8月13日午後2時から、札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の小柏剛選手のコメント
 「サッカーが出来ることが幸せだったなと、そこに尽きます。細かいところを言えば、自分が得点を取れるチャンスがありましたし、取りたかったですけど、アシストという形でチームに貢献出来たことはすごく良かったです。今日の形は練習からやっていたので、それが試合で点につながったというのは良かったです。

 7月は勝てず、苦しい状況が続いてミシャさん(ペトロビッチ監督)の辛そうな様子がクラブハウスで会った短時間でも伝わってきました。自分が貢献出来ず申し訳ないなと思っていたので、今日ピッチに立ってチームのためにというのと、ミシャさんのために結果を残したいと思ったので、このような形で貢献できてうれしく思います」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日は両チームともに勝点25で並び、どちらも勝利したい非常に重要な試合で、お互い強い気持ちを持って臨みました。そうした非常に重要なゲームでしたけど、札幌は前半から勇気を持ってプレスを掛けて、前からボールを奪いにいく姿勢を見せられたと思います。そうした中で湘南は自分たちの攻撃の形を作れなかったと思いますし、私たちが逆に相手の背後を効果的に狙えたと思います。その中で我々がチャンスをモノにして勝利出来たゲームでした」


■湘南ベルマーレの山口智監督のコメント(一部抜粋)
 「1週間準備する期間がある中で、自分たちが取り組んできたことを試合で出せなかったのはすべて僕の責任ですし、この結果は自分が招いた結果だと感じています。ゲームは早い時間帯に失点して、バタバタといつもの悪い流れで取られた。それに尽きると思います。自分たちが考えて、ボールホルダーにプレスに行くところ、強度、行き方でパワフルさが出せなかったことが大きな敗因だったのかなと。

 それも僕の伝え方や用意の仕方が良くなかったと思います。選手が1点返してくれたところだけポジティブなところがあるので、とにかく次に向けて守備のところはみんなでもう一度確認しないといけません」

池田淳