北海道コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J1第16節(5月29日)、アウエー神戸で1−4と敗戦

22・05・31
 ミシャ監督「気まぐれチーム」怖い

  またレッドカードと「けが人」多い


 北海道コンサドーレ札幌はJ1リーグ中断前の16ゲームを終了、11位で終わった。ミハイロ・ペトロビッチ監督が、『こんなハズでは?』と頭を抱えた。2日間の休養を取り、「お得意のルヴァンカップ」に挑戦するが―。

 5月29日のゲームは、今季1勝5分け9敗の勝ち点8で低迷中の最下位ヴィッセル神戸。

 神戸のホーム、ノエビアスタジアム神戸(収容人数2万8千996人)は、今季初の1万8千714人の大観衆。あのイニエスタ(38、スペイン出身)は健在。スタメンで登場した。これまでの神戸は、3年目の三浦淳寛監督は「成績不振」で3月20日に解任。現・ロティーナ監督(64、スペイン出身、東京ヴェルディ、セレッソ大阪、清水エスパルスで指揮)が4月8日に就任した。イニエスタが来日後のJ1リーグでは、18年10位、19年8位、20年14位、21年3位と上下動が激しい。19年には天皇杯優勝も成し遂げたチームで「イニエスタ」の名声が「とどろいて」いる。

 現在最下位といえども要注意の存在。そこでペトロビッチ監督としても「善し悪し、出来不出来」の波のあるチーム、と読んだのかもしれない。

 試合の方は、13時07分、札幌がキックオフ。審判団は、カードでゲームをコントロールするという池内明彦主審(38、広島県出身、昨季J1、J2でイエロー61枚レッド1枚)。副審は三原淳、鈴木矩志。第4の審判・中野卓。VAR上田益也(主審格)、AVAR渡辺康太の6人。

 札幌のイレブンはGK中野小次郎、DF岡村大八、宮澤裕樹、中村桐耶、右WBルーカス・フェルナンデス、左WB菅大輝。ボランチに荒野拓馬と深井一希、FWトップに青木亮太、右シャドー金子拓郎で左は駒井善成。控えにGK松原修平、DF西大伍、MF檀崎竜孔、田中宏武、FWガブリエル・シャビエル、ドウグラス・オリヴェイラ、中島大嘉の18人が登録。現在、登録外の選手はレッドカードで出場停止中の福森晃斗、けが人は2〜3人。

 神戸は4−2−3−1の布陣でGK前川黛也、DF酒井高徳、菊地流帆、小林友希、山川哲史、MF橋本挙人、大崎玲央、汰木康也、小田裕太郎、FWアンドレス・イニエスタ、武藤嘉紀。控えの主なメンバーはMF井上潮音、郷家友太、FW大迫勇也とポージャン・クルキッチ。

 キャプテンマークは神戸はイニエスタ、札幌は宮澤裕樹。4分に荒野とイニエスタがプレーを巡って熱くなる。主審が両者とコミュニケーションを取り「平穏に」。8分、札幌のCK。菅が蹴るが駒井のシュートはクロスバーの上へ。

 17分、神戸が右CKのチャンス。イニエスタがキック、一度は深井が蹴りだすが、神戸のDF山川がペナルティーエリア外側からシュート。ゴール左側に吸い込まれ先制。札幌がまた早い時間に失点、0−1で折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「相手のセットプレー、ボールを奪われた後のカウンターには気を付けよう」、「前半のプレーを続けてチャンスでゴールを決めよう」


■ヴィッセル神戸のロティーナ監督のコメント
 「相手のサイドチェンジに対してしっかりスライドしてケアしよう」、「1対1の状況で回りがサポートしよう」、「相手をひきつけてボールを出そう」


 選手交代は札幌トップの青木とオリヴェイラ。神戸は小田OUT郷家IN。札幌はFWオリヴェイラが入り活気づく。一進一退が続くが、オリヴェイラに札幌はボールを集める。

 14分、荒野が起点になって左サイドの菅へ。菅がゴールを狙うとGK前川がキャッチしきれず、こぼれたボールにオリヴェイラが追い着き右ポストを叩きゴールに吸い込まれる。

 1−1の同点となり、札幌のルーカス、金子、駒井、荒野が息を吹き返したよう。反対側の菅と背番号50岡村らの動きが激しくなった。

 神戸は、待ちに待った大迫登場。「あれ!」イニエスタと交代。二人のやり取りを見たかったナ。

 ここから神戸のチャンスが続く。19分、札幌の深井のファールでFK。キッカーは汰木。右足のキックは、エリア中央。マークを外したFW武藤がヘディングシュート。左のサイドネットを揺らし、勝ち越し。

 21分、札幌の深井と神戸の大迫が「見せ場の張り合い」。イエローカードが主審の右手に上がった。深井だった。ラグビーで言う「レイトタックル」だ。

 24分神戸のCK。キッカーは再び汰木。DF菊地の頭狙い。札幌GK中野のセービングに遭うが、最後は菊地が押し込み追加点、1−3。「札幌は参ったかに見えたが―」。ベンチ前のミシャ監督は「イケイケ」ムード。28分、中村に代わってFWシャビエル投入。

 神戸のトドメの追加点は29分、「オウンゴール」。さらに札幌エースのシャビエルに「レッドカード」。31分、キックオフ後に受けたトラップの乱れを相手大迫に奪われ「後ろから押した」。

 第15節、対柏レイソル戦で福森晃斗に続く「レッド」もあり、1−4の敗戦。「気丈のミシャ」も声も出なかったろう。

 シュート数は、神12−14札、CK神5−5札、FK神14−15札、PKなし。                      

 札幌の次戦は、JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦対広島戦で、6月4日午後2時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の中村桐耶選手のコメント(一部抜粋)
 「4失点のうち3失点がセットプレーからの失点だったので、悔しい敗戦です」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「1−4で敗戦したということで、点差も開いたゲームのあとでコメントするのは簡単ではない。負けた試合のあとで『我々のほうが上回っていた』というコメントは理解しづらい部分はあると思うが、札幌の監督ですので自チームを主観的に見ていますので、客観的に見たらもしかしたら間違った意見かもしれない。ただ、わたしには1−3までは札幌がピッチ上で相手を上回れていたのがあるのではないかと思いますし、ボールを動かしながら自分たちの形で多くのチャンスを作れていたと思う。1失点目に関しては、CKのこぼれ球からミドル(シュートを)打たれて失点し、そのあと、後半に我々は1−1に追いつくわけですけども、2失点目がセットプレー、3失点目がCKと、その流れの中で1人退場者を出して、4失点目を喫してしまったわけですが、その時点でおそらくこの試合に関しては結果が出てしまうような状況だったと思います。

 ただ、負けはしましたけど、選手たちは非常にこの気候の中でハードワークしてくれましたし、たくさんのチャンスを作れていた。1−3でリードされる展開までは、我々札幌は相手よりも良いサッカーを見せていたと思いますし、十分にこの試合をモノに出来るものは途中まではあったと思っています」


■ヴィッセル神戸のロティーナ監督のコメント(一部抜粋)
 「試合に関して重要だった局面が2つあると思います。1つ目はきっ抗している中でこちらが先制点を決めたことですね。先制したことで自信につながったと思っています。2つ目は相手に同点ゴールを決められたあとの武藤(嘉紀)選手のゴールですね。重要なゴールだったと思いますし、それ以外にもいろいろな要因が重なってこの試合に勝てたと思いますけど、この2つが最も重要な局面だったと思っています。

 前半に関しては、相手がサイドチェンジからリズムを作っていたこともあり、こちらの左サイドに向かってのサイドチェンジで危険を作られていたと思います。酒井(高徳)選手が2対1(の状況)をやられたり、小田(裕太郎)選手がサポートに行っても3対2(の状況)で対応されるなど苦しんでいたんですけども、ハーフタイムにそこを修正して、相手の動きは消せたかなと思う。後半、相手が作ったチャンスは逆に左サイド、こちらの右サイドからが増えていたので、そういうところでも相手のやりたいことはある程度止められたかなと思います」
池田淳