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J1第6節(4月2日)、ホームで浦和相手に1−1で分ける

22・04・05
 上写真/先発メンバーをこの位置で撮れるようになったのは2年振りぐらいですね。前列左からMF菅、高嶺、駒井、FWガブリエル・シャビエル、MF深井、後列左からGK菅野(1番)、DF田中(2番)、福森、MF金子、DF宮澤、MF荒野

  (写真は4月2日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 久しぶりミシャから「飴玉」もらった

  浦和とドローその先に「森保」の顔


 北海道コンサドーレ札幌が、またまた「同点引き分けゲーム」。浦和レッズ率いるリカルド・ロドリゲス監督(48、4月3日が誕生日)2年目スペイン出身が、ミハイロ・ペトロビッチ監督(64、セルビア出身、国籍オーストリア)の「あれれ!!」を感じたのは、「J1通算100勝目達成を目前に足踏みしている」で、良かったのだろうか。

 愛称・ミシャが広島に降り立って6年、浦和に5年余、札幌で5年目を迎えた。広島で森保一コーチを育て、JAPANの監督にまで「引き上げた」。4月2日は札幌ドームで浦和レッズと戦い1−1のドロー。荒れたゲームだったが、会場の札幌ドームは1万1千345人の観衆・サポーターで「入場制限のJリーグ規約を遂行」。なんと北海道新聞社と関連企業の主催ゲームだった。

 さらに「森保一監督率いるJAPANは、浦和監督出身のスペイン、ドイツと、もう1チームの4国で戦う」、それーと来ればFIFAワールドカップ・カタール大会。試合前の深夜に「グループステージの組み合わせが発表になった」。

 この日、ゲーム終了後の記者会見で、ミシャは目ざとく「小生と石井カメラマン」らを見つけ、ポケットから「2年ぶりに飴玉」を配っていた。

 試合の方は19時03分、ドーム内は気温21.9度、湿度29パーセント。審判登録は2002年で経験は20年の井上知大主審(43、兵庫県出身、身長が185センチの大型)。VAR、AVARの判定を「耳にしている」ようで、判定までが「長い」。浦和のキックオフで始まった。

 札幌は3−4−2−1のシステムで、前節出場のGK大谷、DF岡村、WBルーカス・フェルナンデスと青木、FWミラン・トゥチッチの5人を入れ替えた。今節はGK菅野孝憲、DF田中駿汰、宮澤裕樹、福森晃斗。WBは左に菅大輝、右に金子拓郎。中央に深井一希と高嶺朋樹。シャドーの右は駒井善成、左に荒野拓馬。FWにガブリエル・シャビエルが入った。「勝ちパターン」の意気込みでスタメンを組んだ。控えにはDF西大伍、岡村大八、MF青木亮太、Lフェルナンデス、FWのMトゥチッチ、中島大嘉がベンチ入りしている。

 浦和は、GKキャプテン西川周作、DF馬渡和彰、アレクサンダー・ショルツ、犬飼哲也、大畑歩夢、MFダヴィド・モーベルグ、柴戸海、岩尾憲、明本考浩、FWキャスパー・ユンカーと江坂任。控えは、GK鈴木彩艶、DF宮本優太、岩波拓也、MF関根貴大、安居海渡、小泉佳穂、FW松尾佑介が交代要員に入っている。

 互いに得点を意識した選手起用だが、浦和はJ1通算450勝達成が懸かり、コンサドはJ1通算100勝の記念試合を5試合も見送っている。

 立ち上がりは札幌のペース。右シャドーの金子を攻撃の要に、左サイドは荒野が走り込む算段。気になるのは金子の左足の「急カーブ」な相手右ゴールポスト狙いの球。再三荒野が「追いつかない」。そうこうしてるうちに「攻めあぐむ」。

 浦和も決定機を逃しているうちに前半の峠を越える。26分、浦和DF馬渡が札幌陣内右サイドゴールライン際でクロスを上げると札幌DF福森の手に当たる。一度はペナルティエリア外側からフリーキックかと思われたが、27分過ぎ、主審が手を挙げて「VAR」確認。すでに札幌ペナルティーエリアの外に「ボールを持った浦和の選手」。29分にボールは浦和背番号10、モーベルグの手に。「エリア内でのハンド」=PK判定に変わった。

 ふと、GK菅野が「好捕した」美技がよみがえってきた。3月6日のJリーグ第3節、対福岡戦で札幌GK菅野が福岡のPKを止め1−1で引き分けた「あのシーンだ」。

 残念! 30分モーベルグの左足はGK菅野とは反対側に飛び「失点」した。

 今日は、前半札幌が押し込んでいただけに、このPKでの失点は「ショック」だった。札幌ベンチ前で「ミシャが踊りまくった」。もはや「椅子に座った、ストックにすがった監督の姿」は無かった。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「空いてるスペースを狙っていこう」、「慌てないで落ち着いてプレーしよう」、「残り45分すべてを出し切って得点を取りに行くぞ」

■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「守備について整理しよう」、「相手のサイドチェンジに対して攻撃はポジションをうまくローテーションさせながらボールを握ろう」、「2点目をとりにいこう!」


 0−1で始まった後半。左の定位置・菅大輝の突進が目立つ。札幌は右サイドのDF田中駿から金子のパスワークで「攻撃の起点」を作った。中央の深井−駒井−高嶺のパスワークが「ままにならない」。中央突破は出来ない。興梠が居ればと「フッと思った」が、「移籍の条件」で対浦和戦には出場が制限されており、「致し方ない」。

 選手交代は、浦和が早々にカードを切ってきた。11分FWのユンカ−OUT関根IN。同じく浦和PKの得点1を得た背番号10・モーベルグと関根が交代。

 札幌も15分、福森OUTルーカスIN。トップのGシャビエルが得点機を得たが「ゴールバーを大きく外れた」シュートの罰か「頭の中嶋」に代わった。直後の20分浦和ゴール前で、GK西川とコンサド中島が1対1で、絡み合った。西川が中島の頭を叩いたように見えたが、中島に「イエローカード」。さらに25分「へとへと」の宮澤と岡村が交代。

 この直後27分、左の菅がゴールに向かってドリブル、リターン気味に受けた高嶺がPKマークあたりに浮き球。合わせたのはJAPAN招集も気になる金子。右足に重点を置き、利き足の左でシュート、独特の倒れながら「魔術師の左足」で同点ゴール。GK西川がどこにいたか「分からなかった」。1−1の振り出しに戻す。

 この後何が起きたのか。32分、荒野が大型スクリーンに「大写しになった」。主審・井上がVARの判定を待つ。「荒野が荒っぽく、足裏で踏みつけた」図は、まさに「レッドカード判定を映し出した」、目を覆いたくなる「レッド」での一発退場だった。

 33分浦和の柴戸OUT小泉IN。ピッチでは札幌の金子、浦和の馬渡が元気。アディショナルタイム7分。47分札幌・駒井OUT青木IN。56分浦和の犬飼OUT岩波IN。最後は58分、浦和が札幌陣内で小泉と江坂がシュートを放つが、枠外へ。59分主審の笛は、ドームの観衆の「拍手」を誘い、遠来の浦和スタンドは「諦めきれない」怒号も響いた。ご苦労さんでした。

 1−1のドロー決着で札幌は負けなしの勝ち点6で12位(得点6、失点6、得失点差0)。浦和は2勝2分け4敗の勝ち点8で7位(得点10、失点9)。ちなみに1位は川崎、2位マリノス、3位鹿島となっている。

 シュート数は、札6−浦10、CK札1−浦3、FK札8−浦16、PK浦1。

 2022明治安田生命Jリーグ第7節サガン鳥栖対北海道コンサドーレ札幌戦は、4月6日午後7時から佐賀県鳥栖市の駅前不動産スタジアムで行われる。


 上:上段写真/前半11分、左サイドの札幌MF菅からのクロスを受けてFWガブリエル・シャビエル(左端)がシュートを放つが、浦和DF大畑(44番)、犬飼(13番)らに阻まれる、中央MF岩尾

 上:下段写真/前半26分、札幌MF駒井(中央)がドリブルで前線に上ろうとするが、浦和MF柴戸にタックルで阻まれる


 上:上段写真/前半30分、浦和MFダヴィド・モーベルグ(10番)がPKを決め先制する。札幌の選手たち、左からDF田中(2番)、MF荒野(27番)、GK菅野、MF深井(8番)。中央手前浦和DF大畑(44番)。このPK、始め石川主審はFKの判定をしたが、浦和DF馬渡の右サイドのクロスをブロックした札幌DF福森の位置がペナルティーエリア内で手に当たったというVARの確認でPKの判定に変わった。

 上:下段写真/前半30分、浦和MFダヴィド・モーベルグの先制ゴールにも、「まだ、大丈夫」とチームメイトに声をかける札幌キャプテンDF宮澤(10番)とその左GK菅野(1番)、左端MF金子(9番)、左から2人目浦和FW江坂(33番)


 上写真/前半38分、直前の札幌MF金子のシュートがDF陣の手に当たったと井上主審に抗議する金子(その右)やFWガブリエル・シャビエルら。この試合、こういうシーンが多く、度々試合が中断した。


 上写真/前半追加タイム3分、札幌MF金子(9番)が右サイドから、浦和MF明本(15番)と競りながらクロスを入れる


 上:上段写真/後半8分、浦和の左FKからの攻撃を懸命に守る札幌の選手たち、浦和サポーターの応援の迫力はすごい勢いで、札幌の選手たちに重くのしかかる

 上:下段写真/後半15分、札幌FWガブリエル・シャビエル、DF田中、MF深井らが浦和ゴール前に迫るが浦和GK西川に抑えられる、右端で札幌MF高嶺が「抱え込んだ」と反則をアピールしている


 上写真/後半27分、同点弾を決めた札幌MF金子(9番)に駆け寄って、笑顔で祝福する深井、右端FW中島(45番)がボールを持ってセンターサークルへ急ぐ


■北海道コンサドーレ札幌の深井一希選手のコメント
 「試合全体としてはいつもと変わらない形で進めることができたと思っている。前線から積極的にプレスに行くことが出来ていたし、その中で相手がそのプレスの裏を狙って、(キャスパー)ユンカー選手など前線の選手にシンプルに蹴ってくる場面も目立っていたが、そこでも特に慌てることなく対応ができた。

 1失点はしたものの、守備のところでも特に崩されたと感じる場面もなかった。だからこそチャンスでしっかり得点をできるようにしなければいけない。そこが引き分けが続いてしまっている要因だと思う。ただ、負けていないということでもあるので、そこは前向きに捉えている」


 上:上段写真/後半38分、札幌MF菅(4番)が左サイドを駆け上がる、左浦和MF関根(14番)

 上:下段写真/後半41分、札幌FW中島(45番)がゴール前に迫るも、一瞬早く浦和GK西川(1番)に抑えられる。2回目の1対1の対決だったが、さすがベテラン西川にはかなわなかった


 上:上段写真/1−1の引き分けに終わり、両チームの選手たちはガックリ、札幌の選手は左から札幌MF金子、ルーカス・フェルナンデス(7番)、ひざに手をやるDF田中、右端FW中島、手前は浦和DFアレキクサンダー・ショルツ(28番)

 上:中段写真/引き分けに残念そうな札幌の選手たち、左からGK菅野(1番)、その後方MFルーカス・フェルナンデス、深井、青木、DF田中、MF高嶺(6番)、FW中島(45番)、MF菅(4番)、DF岡村、MF金子(9番)

 上:下段写真/ペトロビッチ監督の指示に従って異例の試合後の円陣を組む札幌の選手、スタッフたち


 上:上段写真/直前の抗議で頭に血がのぼっていた札幌ペトロビッチ監督(中央)だったが、冷静さを取り戻し、円陣を組もうと呼びかける

 上:下段写真/前半32分、札幌MF金子(左)のスローインの時、何か叫ぶ浦和のリカルド・ロドリゲス監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「インテンシティーの高い素晴らしいゲームだったと思います。前半、失点をした中でも選手たちは落ち着いて進めてくれていました。前からのプレスとショートカウンター、そして相手のプレスを外してチャンスをクリエイトしてくれました。後半に入ってもそうです。選手たちはいつもどおりのプレーを最後まで見せてくれました」


■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント(一部抜粋)
 「タフなゲームになった。札幌は特有なサッカーをしてくるチーム。そうしたチームに対して前半は良いプレーができていた。自陣のディフェンスもよくやれていた。ただ、前半で追加点を取れなかったことが悔やまれる。(キャスパー)ユンカーの惜しいシュートもあった。そうしたところで得点が取れなかったことがやはり悔やまれるところ。後半もうまくできていたが、その中で失点をしてしまいました。相手が退場した影響もあるが、その後もチャンスは作れていた。勝点3を逃したという印象です」


池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影