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J1第5節(3月19日)、セレッソ大阪相手にアウエーで2−2。勝ち点1積み上げる

22・03・21
 開幕5試合ドローはJリーグ初だ

  2ボランチ「役回りは完璧」次は?


 北海道コンサドーレ札幌が、「100勝目達成を目前に足踏みしている」。何かいろいろ「付録が付きそう」だが、取られたら取り返す「どんな裏技だろう」を考えてみた。

 第5戦は3月19日、2022明治安田生命J1リーグ第5節。大阪市のヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪と戦った。小雨の中6千798人のサポーターがゲームを見守った。

 2日前に「札幌に新型コロナウイルスの感染が選手関係者9人出た」。3月12日J1第4節終了から1週間「野々さんと――社長と――監督とetc」。ミハイロ・ペトロビッチ監督の「ノーマスク」も心配。 

 3月19日午後4時、DAZNで「観戦せざるを得なかった」。スタメンが発表になった。荒野拓磨が腕章を巻いて左のシャドーに入っている。コンサドの代表的「かじ取り役」荒野―深井一希ではない。もう一つの「かじ取り役」駒井善成が深井と「ボランチ」に入っている。駒井は高嶺朋樹と攻撃的「メイン・ボランチ」。トップの興梠慎三はいない。ここで「荒野・深井」、「駒井・高嶺」のかじ取り役の組み合わせは「崩壊」していた。

 試合の方は16時03分、曇り時々雨、気温12.7度、湿度59パーセント。2011年からJリーグでホイッスルを吹いている福島孝一郎主審(38、鹿児島県出身)の笛で、札幌がキックオフ。

 GK大谷幸輝、DF田中駿汰、岡村大八、高嶺朋樹。右WBルーカス・フェルナンデス、左WB青木亮太。ボランチに駒井善成、深井一希。トップにミラン・トゥチッチ、シャドーに金子拓郎とキャプテンマークの荒野拓磨。サブはGK中野小次郎、DF西大伍、中村桐耶、柳貴博、MF田中宏武、FWドウグラス・オリヴェイラ、中島大嘉。

 セレッソはGKキム・ジンヒョン、DF松田陸、元札幌の進藤亮佑、山中亮輔、西尾降矢。MF原川力、乾貴士、奥埜博亮、中原輝。FWブルーノ・メンデス、FW山田寛人。控えは、GK清水圭介、DF毎熊晟也、鳥海晃司、MF鈴木徳真、為田大貴、上門知樹、FW北野颯太。

 札幌は、前節のメンバーからGK菅野孝憲、DF宮澤裕樹、福森晃斗、FW小柏剛、興梠慎三の5人が外れている。これまでの対戦成績は札幌の10勝5分け14敗で、負け越している。

 セレッソは、4−4−2のオーソドックスな布陣。札幌は、荒野をトップ下に上げて、先取必勝の構え。立ち上がりから、右サイドのルーカス、金子の2人が、逆サイドの荒野と青木に向けてのロングパス。いずれもGKキムにさばかれ、シュートまではいかない。

 前半25分。セレッソの高い位置からのプレス。札幌はGK大谷にバックパス、相手の攻勢を避けるが、大谷が札幌DFに出したパスのずれをセレッソMF原川が見逃さなかった。奪い取ったボールをMF乾に渡し、乾がFW山田に出したスルーパスを中央からワントラップシュート、先取点。

 ぼうぜんとした札幌だが、今度は右サイドから金子、ルーカスらがセレッソ陣内を脅かす。29分、札幌が左CKを得る。これをルーカスが右足でキック。高いボールがGKの手を越えて右サイドへ。最後は背番号50DF岡村が頭で押し込み同点。この後も札幌が優位に試合を進め、アディショナルタイム4分。1−1の同点で折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「イージーなミスが多いので後半は気をつけよう」、「ビルドアップのところでミスをせず前にボールを運んでいこう」、「チャンスをものにしてゴールを決めよう」

■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント
 「前からプレスをかけ続けよう」、「シンプルなプレーを連続させよう」、「後半の入りを集中しよう」


 後半、両軍ともにハーフタイムの選手交代なし。札幌は前半同様、右サイドの金子、ルーカス、DF田中駿らがボールキープするが、はじき返される。札幌が優位にボール回しをするが、セレッソは、じっと我慢の守備。

 すると後半17分、札幌の大失態が失点を呼ぶ。札幌ペナルティーエリア内で、DF岡村にボールが渡ったところ、セレッソFWブルーノ・メンデスは抜け目なくプレッシャーをかける。岡村は前方に蹴ろうとしたところ、スリップ。慌てた岡村のキックをブルーノが「見事」ブロックしたボールはゴールに「転がり込んだ」。

 1−2の展開になり22分、選手交代が始まる。乾OUT上門IN、メンデスOUT北野IN。24分、今度は札幌。青木OUT中島IN、トウチッチOUTオリヴェイラIN。25分岡村OUT柳IN。さらにセレッソ3人目、30分に中原OUT為田IN。

 ご破算で願いましては―の31分、「ヘディングが利き足」の中島。札幌エースに上り詰めた金子のラストパス。左足で巻き込むようにゴール前に。ドンピシャで合わせた中島がボールをすらして「踊った」。2−2の同点。まだ、15分以上ある。札幌は金子中心、セレッソは原川が目立つ。刻々と進む。アディショナルタイム5分。最後に札幌にCK。金子が蹴ったが相手にクリアされ、勝ち越しはならず。

 シュート数は、札13−4C大阪、CK札7−2C大阪、FK札13−18C大阪、PKなし。

 札幌は開幕から5試合連続ドローでJリーグ新記録となった。これまでの連続引き分け記録=2009年、柏レイソル開幕から4試合。開幕以外も含めた連続ドロー記録は、アビスパ福岡の7試合。2021年最終戦まで4試合と今季の初戦から3試合。

 札幌の次の試合は、YBCルヴァンカップ第3節、北海道コンサドーレ札幌対京都サンガF.C.戦は3月26日午後2時から、札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の中島大嘉選手のコメント(一部抜粋)
 (―リーグ戦初ゴールについて)
 「去年もゲームに絡めない時期が長く、今年もゲームに継続して長く使われることがない中で、5分でも10分でもチャンスがもらえたときは自分が絶対にゲームを変えるゴールを決めると、24時間ずっとイメージしています。今日、本当は2点を取りたかった。試合前はハットトリックする予定で、ヒーローインタビューも考えていました」


■セレッソ大阪の進藤亮佑選手のコメント(一部抜粋)
 (―古巣の札幌と対戦について)
 「やっぱり5枚前に張ってくるのはちょっとイヤだなとあらためて思いました。札幌時代、紅白戦もやっていたので分かってはいましたが、対応しづらかったです。今日欠場した選手が出たら、よりパワーアップするんだろうなと思いました。札幌は大きくメンバーも替わっていないですし、いまも札幌の試合を見ることは多いので、特長は分かっていたので、味方にしっかり伝えながらプレーしていました」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「今日のゲームは、我々が相手に与えてしまったような試合でした。そういう意味ではもったいない試合だったと思います。ゲームに関しては自分たちが狙いとすることを出せました。多くの選手がいない中でもベストを尽くしてくれました。良いゲームは出来ました。内容に関しては満足出来ます。攻守において狙いは出せました」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント(一部抜粋)
 「2得点とも、相手のビルドアップの特徴を全員で共有して、我々は下がるのではなくプレスを仕掛けていこうという中で、良い守備から良い攻撃につなげていくことを準備していました。その中で2点を取れたことは素晴らしく良かった点だと思います。ただ、ゲームコントロールに関しては速攻と遅攻の使い分けに関して少し課題も出ました。今日の勝点1を今後につなげていくために、良かった点と課題を共有して進んでいきたいと思います」
池田淳