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ルヴァン杯・第1節(2月23日)アウエーで鳥栖に2−2の引き分け

22・02・25
 見えたぞ! ミシャの5年目「当たり・外れ」

  ルヴァンカップ・鳥栖と2−2で分ける


 ミハイロ・ペトロビッチ監督の「ルヴァンカップ」が始まった。札幌では、2019年準優勝、2016年浦和では優勝。ルヴァン杯の特徴は「若手選手の登竜門」。これが「私は監督ではない。ドクトル(医師か教師)の分も配慮したヘッドコーチ」とでも言いたいのか。この実態が2月23日の「JリーグYBCルヴァンカップ」の幕開け、グループリーグ第1節で見られた。

 愛称ミシャ監督は、この日2月23日の1次リーグ第1戦C組サガン鳥栖対北海道コンサドーレ札幌の試合で見せた。若い選手を起用、キャプテンマークは荒野拓馬で、深井一希、ルヴァンの代名詞だった菅大輝の3人が「まとめ役」だった。相手の鳥栖も今年から指揮を執る川井健太監督が10代の選手を4人も入れての「挑戦」。ヤングとベテランを組み合わせた「手探りの戦い」になった。

 試合の方は15時03分、井上智弘主審(43、兵庫県出身)笛で4人制の審判団の下、札幌がキックオフ。入場者は4千544人で、白いマスクの拍手が響いた。天候は曇り、気温9.7度、湿度30パーセント。

 札幌のスタメンはGK中野小次郎(22、徳島県出身、法政大出)、DF井川空(22、札幌市出身、筑波大出)、西大伍、菅大輝、MF柳貴博(24)、荒野−深井−田中宏武(22、群馬県出身、立正大出)、檀崎竜孔、青木亮太、FWミラン・トゥチッチ。控えにGK阿波加駿汰、DF田中駿汰、中村桐耶、MF小野伸二、高嶺朋樹、金子拓郎、FW中島大嘉の18人。

 鳥栖はGK岡本昌弘、DF楢原慶輝(17)、原田亘、田代雅也、中野伸哉(18)、MF石井快征(21)、福井太智(17)、中野嘉大、相良竜之介(19)、藤原悠汰、FW梶谷政仁(21)。控えにGK深谷圭佑、DF孫大河、MF藤田直之、佐藤響、坂井駿也、福田晃斗、FW垣田裕暉の18人。

 札幌も積極的に若手を起用していたが、鳥栖のスタメンは21歳以下が6人もいる。

 ゲームは札幌のDFセンターに入った西が2分にGKに斜めにリターン。これがGK中野(背丈が2メートル有る)の足元を通り抜けゴール右ポストぎりぎりに入り「オウンゴール」。

 2分から前半の45分の長いこと。ほとんど札幌ボールで支配したが、荒野−深井−菅のCKも点にならず。ハーフタイムで西、檀崎、井川が高嶺、金子、田中駿に交代した。

 後半は、両軍とも「名のある選手」に代わり勝負に出る。札幌はトップのFWトゥチッチが中央で186センチの背丈を生かし、後半5分、右CKを菅がトゥチッチに合わせ、そらしたボールを中央に居た田中駿がヘディングで決めた。

 さらに14分。鳥栖のエリア内でボールを奪ったトゥチッチに再びチャンスボール。後方に戻し、走り込んだ金子が、得意の左足を振り抜きゴール左側に流し込んだ。

 ミシャの当たり、外れが「ピタリと当たった」展開。前半の荒野、深井、菅のトリオは「外れ」、トゥチッチを中心に田中駿、金子の展開を「まとめあげた」ミシャの「当たり」は、今後楽しみな「ポイントゲッター」。

 鳥栖は15分に選手交代。MF福井OUT藤田IN、DF楢原OUT佐藤IN。25分にもMF石井と福田、FW梶谷と垣田が交代。

 そして27分、勢いがついた鳥栖は垣田がピッチ中央付近から右サイドの佐藤に大きく展開し、福田に預ける。ゴールエリア内にクロスを上げたが、札幌DFに当たり、跳ね返ったボールはファーに居た明大出のルーキー背番号25藤原に。同点弾が決まったボレーシュートは「私の脳裏から今でも離れない」。

 シュート数は、鳥12−10札、CK鳥6−8札、FK鳥16−21札、PK無し。

 2022明治安生命J1リーグ第2節北海道コンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島戦は2月26日午後3時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント(一部抜粋)
 「前半に外から見ていて、立ち上がりは難しい展開になっているなと思いました。どうすればうまくいくのかを考えながら前半は見ていました。後半に出場したらどういうふうにポゼッションしたりとか、どういう立ち位置を取るかというのを前半から考えていました。後半は良い入りが出来ましたし、一時は逆転までいったので勝ち切りたかったですが、最低限のことは出来たんじゃないかなと思います」


■北海道コンサドーレ札幌の金子拓郎選手のコメント(一部抜粋)
 「自分は後半開始から入ったので逆転するというつもりで臨んでいました。逆転につながるゴールを決めることが出来たのは評価出来ると思いますが、そのあと2−1の状態で逃げ切ることが出来なかったので、そこは課題でもありますし、悔しく思います」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「前半は非常に出来が悪かった。自分たちのミスから相手に得点を与えてしまい、それ以外にもミスが多く、ビルドアップの部分で良い形で前にボールを供給出来ない。逆に鳥栖は出足が非常に良く、我々にプレッシャーを掛けてきた中で得点シーン以外でも得点になってもおかしくないようなシーンを作っていた。前半は鳥栖が非常に出来が良かったと思います。

 そういう中で後半に3人の選手を入れて、そこからビルドアップが改善され、主導権を握る中で同点、そして逆転に持っていくことが出来た。後半に関しては自分たちの狙っているところが出せたと思います。2失点目に関しては高嶺朋樹がクリアしたボールが田中駿汰に当たってしまい、相手の選手の前にこぼれてしまい、不運な失点になりました。

 ただ、前半の出来を見れば、今日の引き分けという結果は我々にとっては良い引き分けと言っていいだろうと思いますし、今日初めて公式戦に出た選手もいますし、今季初めて試合に出た選手も多かった。こうした試合を通して、選手として、チームとしてさらに成長していってくれればと思います」


■サガン鳥栖の川井健太監督のコメント(一部抜粋)
 「まずは今季、ホーム開幕戦ということでファン・サポーターの方々に足を運んでいただき、本当に感謝しております。その方々のために、もしくは今日来れなかった方々のために勝点3を届けたかったのですが、それがかなわずに勝点1に終わったことを残念に思います。ただ、選手たちは100%ファイトしてくれましたし、自分たちで何かを成し遂げようという意欲はすごく感じた試合でした。そういう意味では価値のある試合だったかなとは思います」
池田淳