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J1第36節(11月20日)、アウエーで鳥栖に0−1で敗退

21・11・22
 ミシャ監督「選手起用に迷い」

  「ジェイとトゥチッチ」は先発だ?

 
 北海道コンサドーレ札幌が勝てない。直近5試合の結果は●△△△●。ミハイロ・ペトロビッチ監督が迷走している。J1でサガン鳥栖とは、昨季まで6勝1分け3敗。今年の第1戦は札幌ドームで0−0の引き分け。「今年の鳥栖は侮れない」。4年目の金明輝監督(40、兵庫県出身、現役時代はDFとして活躍、鳥栖でコーチ業に転身)が頑張り、ベスト8圏内を保持している。

 駅前不動産スタジアムに赤黒のコンサドーレサポーターの姿も見られ7千275人の観客が詰めかけた。札幌がブラックの「勝負服」で現れ、「ヒョットしたら」を漂わしていた。天候は晴れ、気温22度、湿度20パーセント。絶好のコンディション。

 2021明治安田生命J1第36節サガン鳥栖対北海道コンサドーレ札幌のゲームは11月20日14時03分、池内明彦主審(38、広島県出身、厳格を旨とする)のホイッスルで、札幌・小柏剛がキックオフした。

 札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、DF田中駿汰−高嶺朋樹−福森晃斗。中央ボランチには深井一希が登場、駒井善成と組んだ。ワイド右に金子拓郎、左は青木亮太。トップは小柏剛で、キャプテンマークの荒野拓馬とチャナティップがシャドーに入った。控えの主な選手はFWジェイとミラン・トゥチッチらと、注目の背番号47のDF西野奨太が名を連ねていた。どんな展開になるのだろう―と、「興味津々」。

 鳥栖は前節、優勝を決めている川崎フロンターレに勝利、このメンバーから4人を代えてきた。GKの朴一圭、DFキャプテンのエドゥアルド、大畑歩夢、MF島川俊郎、仙頭啓矢、背番号10の樋口雄太(ユースから3年目)、FW酒井宣福は代わらず、DFに中野伸哉と松本大輔、MF小泉慶、FW白崎凌兵の4人が入った。札幌から鳥栖に期限付き移籍している中野嘉大と岩崎悠人は川崎相手に勝利に貢献したが、札幌との試合には契約上出場出来ないことになっている。

 DFをがっちりと組んできた鳥栖。札幌の荒野とチャナティップ、トップの小柏になかなかボールが入らない。荒野とチャナのドリブルが、頂点に行ってから、福森、金子らにバックパス、ここからのロングフィードで、トップ・小柏を狙う。

 相手DFエドゥアルドの指示でマークは堅く、GKには弱いシュート気味のボールが届く。ディフェンスラインのプレッシングは堅い。11分こんな中で鳥栖DF大畑歩夢が足を押さえてピッチに倒れる。12分選手交代でMF小屋松知哉が入る。

 17分から29分にかけて、札幌の駒井、チャナ、金子らのポゼッションが続くが、得点には結びつかない(30分飲水タイム)。まだ飲水タイムがあるの? 時計を見たが31分に再開された。

 札幌に水が移ったか、DF田中、金子、荒野らがビルドアップ、小柏がシュートチャンスを「狙う」が、はじき返される。

 38分、そのうちの1本、鳥栖GK朴に札幌ペナルティエリア手前に放り込まれる。札幌はビルドアップを図りバックパス。受けたGK菅野がMF駒井にパスするが、再び菅野へ浮き球で蹴り返され、処理したボールは蹴りそこないか? 右側からエリア内に入った背番号10樋口の正面。2、3回ドジングし左足で蹴ったボールは、札幌右ゴールポストに吸い込まれるようにGK菅野の手先をすり抜けた。札幌の痛いミスから鳥栖が先制点をあげる。

 札幌は40分、FKを得て福森20〜30メートルのキックを蹴るがGK朴にキャッチされる。アディショナルタイムは3分。札幌が追い付こうと必死に攻めるが、前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「前半は相手より半歩、一歩出足が遅かったので、一歩早く行こう」、「落ち着いてビルドアップしていこう」、「スムーズな動き出し、ボールの動かし方をしていこう」

■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント
 「もっとしっかり声を掛けてコミュニケーションを取っていこう」、「まず後半立ち上がり10分で我々のペースに持っていこう」、「必ずもう1点取ろう!」


 後半は、私が「アッと声を出して驚くほどの交代」。MF深井に代えてトゥチッチを入れた。「なんで深井なんだ」。CKのキッカー福森、ヘディングシュート深井。誰もが描く構図だ。

 ぼう然とした時は流れた。10分札幌がFKを得る。キッカーは福森。ゴール前には金子。アイコンタクトは「顔・手・足」。金子が左足でダイレクトシュート。枠の上に大きく外れる。「練習やってんのかしら」。

 14分にも小柏・金子で、CKを取る。今度こそ。福森のボールは、荒野に向かっている。混戦の中から、主審の笛。荒野に反則。札幌のチャンスが続く。21分、福森のFKは相手GK直撃。23分、青木の右足シュートはGK好セーブ。24分、CK福森、ゴール前にクロス。田中駿がバックヘッドでシュートをするもGKキャッチ(25分飲水タイム)。

 26分、鳥栖が2枚替え。札幌はFW小柏に代えジェイ登場。33分にも鳥栖は2枚替え。逃げ切り体制に入る。36分過ぎから札幌の猛攻。長身のトゥチッチの攻撃が盛ん。トゥチッチはペナルティエリア内でポストプレーを見せ、混戦からジェイの右足が振り抜かれたがGKがタッチラインにボールを逃がす。

 37分、DF高嶺がジェイめがけて浮き球のパス。横を走るトゥチッチに頭で落とす。反転しようとしたが、相手のマークに遭いシュートには持ち込めなかった。

 38分、またもDF高嶺が相手から奪い、走り出したトゥチッチにスルーパス。相手GKと1対1の場面は、いま一歩でGKに奪われる。さらに40分台にも、FKからの田中駿は枠外、金子らのシュートはGKがキャッチ。アディショナルタイムは5分。気が付けば札幌はジェイとトゥチッチの2人の交代だけ。0−1で敗戦した。

 一応、札幌のポイントゲッターは、ジェイ、トゥチッチ、小柏、青木、金子、菅、田中駿らを挙げるが、福森、深井、駒井、高嶺、荒野、チャナティップらの連携からの得点力アップを期待。けがでいないドゥグラス・オリヴェイラ、ルーカス・フェルナンデス、移籍したアンデルソン・ロペスの穴を埋めたい。

 これからの為に、シュート練習は「最短PK、中距離ペナルティーエリア内、後はセットプレー」で『己を光らせる武器』と考えてほしい。

 シュート数は、札15−鳥9、CK札4−鳥1、FK札12−鳥15、PKなし。

 2021明治安田生命J1第37節北海道コンサドーレ札幌(12位)対柏レイソル(14位)戦は11月27日午後2時から、札幌市の札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「前半はなかなか自分たちのビルドアップがうまくいかない中で、チャンスらしいチャンスが作れなかった。逆に鳥栖のほうがチャンスを作れていたかというと、そういう訳でもない。互いの良さを消し合うような前半だったと思うし、典型的な0−0で折り返す展開だったと思う。ただ、その展開の中で自分たちがミスをして、そこをしっかり突いたのが鳥栖だった。

 後半はビルドアップが改善されて、しっかりと自分たちの形を作ることが出来た。相手を押し込む形で4〜5回、得点になってもおかしくないチャンスを作れていたと思うが、そこをなかなか決め切れなかった。決め切れていたならば結果は違っていただろうし、少なくとも引き分けられたと思う。そのくらい後半は自分たち本来の戦いが出来ていた。後半のような戦いが前半から出来ていれば、試合は我々の方に傾いたと思う」


■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント(一部抜粋)
 「札幌さんに久しぶりに勝てたことを素直に喜びたいですし、ホームの後押しを受けて、ファン・サポーターのおかげでしっかり選手が足を止めずに最後までプレーしてくれたことをねぎらいたいと思います」


■北海道コンサドーレ札幌のミラン・トゥチッチ選手のコメント
 「結果が悪く、悔しい気持ちしかない。立ち上がりがあまり良くなく、モチベーションは高かったが、アグレッシブさが物足りなかったと思う。後半はだいぶ良くなったが、チャンスを決められず、ミスも多くメリハリがつけられなかった。それに対して相手はモチベーションが高くアグレッシブで、そうした相手についていくことが出来なかった。そのあたりを冷静に修正し、次戦に向かっていきたい。次はホーム最終戦なので、いつも応援してくれるサポーターの前で活躍をしなければいけないし、勝点3を取ってサポーターが札幌ドームから笑顔で帰れるような試合をしたい。勝つことしか考えていない」


■北海道コンサドーレ札幌の駒井善成選手のコメント
 「鳥栖がチームとしてしっかりと規律を持ってアグレッシブに来るサッカーをしてきた中で、ビルドアップだったり、イーブンボールのところで先に触られるなど、うまくいかない時間が前半は長かったと思う。自分たちで難しい試合にしてしまったという印象がある。一人ひとりのボールを受ける動きが少なく、相手のほうが先にボールに触るような場面が多く、なかなか前にボールをつけることが出来なかった。受け身になってしまうと自分たちのサッカーが出来ないので、そこは反省すべきだと思う。次戦はホーム最終戦なので、来年につながるようなサッカーを展開し、何がなんでも勝点3を取れるようにしたい」

池田淳