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J1第23節(8月9日)、ホームで浦和に2−1で勝利

21・08・11
 上写真/前半2分、コンサドーレのアカデミー出身の先輩後輩同士、先輩の浦和DF西(8番)に厳しく向かっていく後輩の札幌MF菅(4番)、右はチャナティップ

 (写真は8月9日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 深井がJ1・100試合出場で得点

  札幌U−18 Jユースカップ優勝から至福9年


 8月4日、日本クラブユースサッカー選手権U−18大会の決勝が群馬県正田醤油スタジアムで行われた。決勝は北海道コンサドーレ札幌と名古屋グランパス。0−2で札幌は敗れた。違う大会だが「札幌U−18が優勝した」のは2012年、Jユースカップで深井一希が「居たはずだ」。

 今、ヘッドコーチの四方田修平監督の時代。翌年コンサドーレの「深井誕生」でインタビューしたことがある。「このひざがねー」。こんなことを思い出しながら、「深井がU−18大会を気にしていたら困る」―と「気にかけていた」。

 8月9日の2021明治安田生命J1リーグ第23節浦和レッズ戦が札幌ドームで行われた。試合前のピッチを見て驚いた。ゴール前の芝の痛みが奇麗によみがえっている。「五輪のおかげか」。なんと札幌のGK練習が「移動式ゴール」を入れての練習だった。

 ちょっと前書きが多くなったが、おかげで記者席を間違ってしまうほど「グラウンドに集中した」。一希は駒井善成と組んでボランチで先発だった。浦和は今年からスペインのリカルド・ロドリゲス監督に代わり「札幌との第5節は0−0」。札幌のペトロビッチ監督が、4年前は浦和の監督だったので、試合前の両軍の「空中touch」は盛ん。広島からの教え子・槙野智章ら、札幌出身の西大伍も「懐かしい」。
  
 試合の方は15時03分、谷本涼主審(33、香川県出身)の笛で浦和がキックオフ。気温は25.9度。湿度61パーセント。VAR、AVARの6人の審判団。

 両者のJ1での対戦は札幌の5勝3分け10敗で、最近の5試合は、両者とも2勝1分け2敗で、8位から11位で「2試合目」を迎えた。札幌の布陣は、GK菅野孝憲、DF田中駿汰・宮澤裕樹・福森晃斗。右WBルーカス・フェルナンデス、左WB菅大輝でボランチに駒井善成と深井一希。トップは小柏剛で右に金子拓郎、左にチャナティップ。

 対する浦和は4−2−3−1で、GK西川周作、DF西大伍・岩波拓也・槙野智章・宇賀神友弥。4人のMFは関根貴大・柴戸海・伊藤敦樹・明本考浩。FWは江坂任と興梠慎三。前節より札幌が3人、浦和は4人が交代している。

 先取点は札幌。前半8分、右サイドのルーカスが持ち込み相手DFをかわしてエンドラインからセンタリング。右ゴールポスト側にいたDF槙野がはじき出して札幌のCK。前試合まではルーカスのコーナーキックも見られたが、ここは福森の出番。左足から、やや巻き込むボールに、中央から頭一つ抜きん出た深井のヘディングが、ネットに突き刺さった。札幌の幸先の良い得点となり、札幌が先取点を取ると「勝ち試合は9勝」。その後もチャナティップ、小柏。金子のロングシュートなどでチャンスをつかむが、GK西川の好捕に防がれる(24分に飲水タイム)。

 札幌は右のウイングバック、ルーカスのボール扱いが相手をほんろう、「業を煮やした」浦和は襲いかかるが、逆に強引に突破するルーカスが「イエローカード」を受ける。アディショナルタイムは1分を表示。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「守備のラインを引きすぎないようにしよう」、「プレッシャーのメリハリをつけていこう」、「残り45分集中していこう」

■浦和レッドダイヤモンズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「今のやり方を続けていこう」、「3人目、4人目の選手が連動して動き出そう」、「カウンターのミスを無くすために周りがサポートをしよう」


 後半は、浦和が先手を取って攻める。興梠がループシュートでゴールを狙うがGK菅野が防ぐ。宇賀神、明本も必死に攻めるが得点には結びつかない。攻守の割合は浦和優位の展開に。しかし追加点は札幌。後半13分、左のチャナティップから裏へのロングパスが、トップの小柏に入り、ペナルティエリア内でGK西川と1対1。左足で冷静にプッシュしたボールはゴール右へ流し込まれた。

 17分浦和に選手交代。興梠OUTキャスパー・ユンカーIN。これを機に浦和に攻めのリズムが出た。21分、右CKから関根が浮かせたボールを岩波が頭で落とし、明本が左足でボレーシュートを打ち込み1得点を返す。これで2−1と迫る(26分飲水タイム)。

 札幌はいつもより早い選手交代。深井と高嶺朋樹。ルーカスと荒野拓馬が飲水タイムに交代。浦和も宇賀神、江坂が交代。さらに37分、宮澤OUT柳貴博IN、チャナティップOUT岡村大八IN。40分左の菅が抜けて青木亮太が入り5人の交代が済んだ。

 2得点を若手で守り抜く、ペトロビッチ監督−四方田修平ヘッドコーチ、杉浦大輔コーチらの「統一」が、現れたのは初めて。「早いほうがいい」。私もそう思った―。一人FWジェイが、ベンチを温めていた。

 シュート数は、札幌9―浦和6、CK札幌5―浦和3、FK札幌8―浦和17、PKなし。

 次の2021明治安田生命J1リーグ第24節北海道コンサドーレ札幌対FC東京戦は8月14日午後2時から、札幌ドームで行われる。


 上:上段写真/前半8分、先制ゴールを決めた札幌MF深井(右から3人目)とFW小柏(右端)、MF宮澤(10番)が笑顔で喜び合う。浦和MF柴戸(29番)はぶぜんとした表情

 上:下段写真/前半8分、先制ゴールを決めた札幌MF深井(8番)を金子(9番)とDF田中が笑顔で祝福


■北海道コンサドーレ札幌の深井一希選手のコメント
 「得点に関して、最近はセットプレーで得点できていなかったし、早い時間帯に得点できたことがまずはうれしかった。本当に良いボールが来たので、当てるだけだった」


 上写真/前半21分、この試合で大活躍した札幌DF宮澤(10番)が前線にパスを出す


 上写真/前半追加タイム1分、札幌MFチャナティップ(右上)が、浦和ゴールに迫るも、浦和DF西(右下)らに守られゴールまでは行けず、左で倒れているのはFW小柏


 上:上段写真/後半13分、札幌FW小柏(右)が浦和DF槙野に走り勝って貴重な2点目を決める

 上:下段写真/後半13分、2点目を決めた札幌FW小柏(中)と抱き合って笑顔を見せるMF荒野(右)とDF柳

■北海道コンサドーレ札幌の小柏剛選手のコメント
 「チャナティップがボールを持ったら走り出そう、とはいつも考えていること。グラウンダーのパスで来るかと思ったら浮き球だった。でも、うまく決めることができて良かった」


 上写真/後半21分、浦和MF明本(15番)が左足ボレーでゴールを決め1点を返す、左札幌DF田中(2番)、右MF駒井


 上写真/後半26分、浦和DF岩波(4番)の猛攻を札幌DF宮澤(中)、GK菅野が懸命に守る


 上:上段写真/後半34分、札幌左CKをDF福森が蹴る、前半8分の再現はならなかった

 上:下段写真/後半42分、札幌MF金子(9番)がシュートするが、浦和DF槙野(5番)にクリアされ追加点ならず


 上:上段写真/後半追加タイム1分、札幌DF田中(2番)が浦和ゴール前に迫るが、DF槙野(中央)らに守られゴールまでは行けず

 上:下段写真/試合後、札幌のサポーターへあいさつするGK菅野(1番)、MF荒野(27番)ら、久し振りの札幌ドームでの勝利に選手たちの笑顔がはじける


 上写真/後半追加タイム2分、激しいゲーム展開に懸命に選手に指示を出す札幌のペトロビッチ監督(右)と浦和のリカルド・ロドリゲス監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「G大阪戦に敗れたため、プレッシャーの掛かった試合でした。しかし、選手たちは最後まで素晴らしいサッカーを見せてくれました。高いテンポでアグレッシブなゲームを見せてくれたと思います。90分通して狙いを出してくれましたし、主導権を握ってやりたいサッカーを見せてくれました。浦和は質の高い選手をそろえ、質の高いパスサッカーをするが、それをさせないくらいの圧力を掛け続けることができました。よく走って戦い、狙いを持ったサッカーを見せてくれました。勝利に値するサッカーができたと思います。今日のような試合を毎試合繰り返すことができるならば、もっと上の順位にいけると思いますし、素晴らしい時代が訪れると思います」


■浦和レッドダイヤモンズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「立ち上がりは良い入りができたと思います。ただ、相手のCKで失点してしまってから苦しくなった印象です。追いつくチャンスもありましたが、0−2にされる前後で相手がゴール前まで迫ってくる場面が出てきてしまって、その後も3点目を奪われる可能性がありました。我々も前に行かないといけない、リスクを冒さなければならない状況で、そういう場面がさらに生まれてしまったと思います。

 ただ、我々も同点に追いつくチャンスがあったと思いますし、特に1−2になってからはカウンターからのチャンスもいくつかありました。関根(貴大)や(キャスパー)ユンカーが最後で決められそうなチャンスもあったのですが、今日の試合は2失点目のところで、それ以外でもボールのロストがありました。札幌が前からハメてくるチームなので簡単ではないことは分かっていましたが、ロストから相手に持っていかれてしまいました。それでも、内容を見れば同点に追いつくチャンスもあったので、そこで得点に至れなかったことは残念です」


池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影