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J1第5節(3月17日)、浦和戦は0−0で分ける。札幌GK小次郎が活躍

21・03・19
 GK小次郎―「良かったよ」

  「出来るじゃない」とミシャ


 2021明治安田生命J1リーグ第5節は3月17日午後6時から埼玉スタジアム2002で北海道コンサドーレ札幌対浦和レッズが対戦、0−0で引き分けた。札幌は現在13位。

 札幌は第4節の対ガンバ大阪戦が新型コロナウイルスの「ガンバ側、陽性8人」の発生により「延期」で中6日のゲームなし。浦和は「中2日」の対戦だった。

 浦和は3日前の対戦、アウエーで横浜F・マリノスに0−3で敗れる「傷心」状態。札幌は初戦ホームの「思い切った挑戦」を5−1で勝利したまでは「有頂天」だったが、その後2連敗。GKに「ルヴァンカップで自信をつけた」という今季リーグ初先発の中野小次郎(22=徳島県出身、法大卒)を起用した。ペトロビッチ監督(愛称ミシャ)は、まさかGKはやったことはないと思うが、「起用がピタリと当たった」、ようだ。

 試合会場は、日韓W杯の開催スタジアム。気温13度、湿度27パーセントで、4千571人の観客。18時04分、福島孝一郎主審(37=鹿児島県出身)の笛で始まった。

 札幌はGK菅野孝憲からリーグ1の長身・中野小次郎(200センチ、90キロ、A型=背番号34、昨季特別指定選手として9月26日対ヴィッセル神戸でJ初出場)を先発させた。その他は、駒井善成が復帰、DF田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗、MF宮澤裕樹−深井一希、WBルーカス・フェルナンデス−菅大輝、FW金子拓郎−駒井善成、トップはアンデルソン・ロペス。

 レッズは、スペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督が今季から登場し1勝1分け2敗。この日は4−3−2−1で、キャプテンマークを付けた阿部勇樹が右DFに入った。札幌の左側からクロスを供給する菅、福森の「攻撃陣マークの采配を任されたのだろう」。

 両チームのこれまでの対戦成績はJ1・J2合わせて、札幌の8勝4分け10敗で、20年は札幌がホーム3−4で負け。アウエーは2−0で勝ち。19年はホーム1−1、アウエー2−0で、ここ2年は浦和にしてみれば「怖い相手」。

 ゲームは、札幌が3分Aロペスを走らせ、中央突破を図るが、飛び出しが早く「オフサイド」。7分には左CKを福森が左足で蹴り込むが、相手DFにはじき出される。さらに連続したCKも防がれる。この後も8分に菅の仕掛け、9分に金子がゴールを狙うが、得点には結びつかない。菅、Aロペス、金子のシュートは続くが得点には至らない(24分飲水タイム)。

 直後の27分、札幌は絶好のチャンスを迎える。浦和陣内でボールをキープすると金子に渡り、ペナルティーエリア手前からシュート。ボールはGK西川周作の右手をよぎり、ゴールポストにはじかれて得点ならず。

 浦和はこれまで、GK西川のロングボールや、DF山中亮輔、FW杉本健勇らの突進でチャンスをつかむが、札幌GK小次郎の好捕に遭って得点に結びつかない。特に42分のMF汰木康也のクロスに反応した杉本が頭で合わせたシュートをセーブした小次郎の反応が目に留まった(アディショナルタイム3分)。

【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「高い位置をとって、押し込む時間を増やそう」、「中央でボールを失わないように気をつけよう」、「内側を締めて、じれずにしっかり守ろう」


 後半は、再び札幌のぺースで始まる。金子、宮澤、ルーカスの中盤、ハーフライン辺りからの突進が目に付く。福森のCKも、「浦和が逃げの一手に使って危なく見える」。やはり「中2日」の疲労か? 覇気がない。8分から浦和の選手交代が始まる。関根OUT田中達也IN。19分汰木OUT大久保智明IN、小泉佳穂OUT伊藤敦樹IN(23分飲水タイム)。

 26分浦和のFK、阿部がキッカーになり、右足シュート。小次郎の好セーブに遭う。28分浦和のCK、山中がクロスを入れるが決定機にはならない。このあたりは浦和のチャンスが続く。

 31分札幌・宮澤が倒されるが、大事に至らず。32分駒井が高嶺朋樹と交代。34分、35分と札幌・福森が連続CKを蹴る。ニアとフォアにボールを配給するが、いずれもノーゴール。36分ルーカスが青木亮太と交代、さらに42分深井と岡村大八が交代する。浦和も4人目の交代。この試合浦和4人、札幌3人で選手交代終了。アディショナルタイムは4分。

 46分、浦和山中から杉本がヘディングシュート、47分には札幌の金子も頭で狙うが、いずれも得点にはならず、0−0の引き分け。

 シュート数札幌11、浦和6。CK札幌10、浦和1。FK札幌7、浦和12。札幌の福森のCK・FKは17本。決め手がいないと見た。ジェイとドゥグラス・オリベイラが、肉離れ。

 次の2021明治安田生命J1リーグ第6節北海道コンサドーレ札幌対ヴィッセル神戸戦は3月20日午後2時から、札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のGK中野小次郎選手のコメント
 「相手のチャンスシーンを止めた場面は、ルヴァンカップ初戦での失点のところが頭にあった。それがあって、今日の杉本(健勇)選手のシュートを防ぐ際に、飛び出すのかゴール前に残るのかという判断がしっかりできたと思っている。ただ、そのあとにシュートを前にはじいてしまった場面があったので、ああいったところの判断は改善していきたい。

 今季最初のリーグ戦ではあったが、去年の特別指定で出場した経験が生きたと感じている。ただ、良いパフォーマンスは出来たかもしれないが、チームが勝てていないので悔しい。またすぐ神戸戦があるので、出場できたらしっかり結果を出せるようにしたい」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「どんな状況であってもアウェイゲームは簡単ではない。その中で我々は試合をコントロールしてチャンスを作れていた。しかし、それを決めることができなかったという試合だった。ここ最近の試合と同様に、なかなか得点を決め切れなかった。良かったところを見つけるならば、無失点に抑えたこと。内容を見れば、相手は前節の試合のように後ろからつなぐことをあまりせず、ロングボールを使う形で戦ってきた。そうした相手に多くのチャンスを作らせない戦いができていたと思うし、我々が勝利しなければいけない試合だった」

■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「お互い、どちらが勝ってもおかしくない試合だったと思います。札幌は前半、我々のロストからゴールポストに当てるシーンだったり、ウチは杉本 健勇のヘディングシュートといったチャンスがありました。後半も同様に(札幌は)我々のボールを奪ってからのチャンスがあり、我々は杉本のヘディングシュート、カウンターの田中達也のシュートが止められてしまったようなお互いにチャンスがありました。

 ただ、今回の試合ではどうしても我々は中2日で消耗している状態で、あれだけの強度のあるチームが1試合飛ばしての試合だったので、もちろん勝ちたいですが、そういった状況を加味すると勝点1はポジティブに捉えられると思います。

 今回は相手の強度が高く、中盤で簡単にロストしないようにするということがあったので、ダイレクトなプレーを選択することが多くなりましたけど、準備の時間を考えると仕方ない、ポジティブな勝点1ではあったかと思います」
池田淳