北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2020年11月号

隠忍自重
「いんにんじちょう」は耐え忍ぶ事
コンサドーレの今季の戦いぶりかナ
新型コロナウイルスがまん延する中
勝敗よりも「面白い試合を見せる」
北海道コンサドーレ札幌の監督の弁
陰陽を極めて試合ができる楽しさも

3年目のペトロヴィッチ監督の意地
「一番大切なものはファン」と笑顔
J1チーム18の降格の心配は無い
愛称ミシャが来日200勝の達成と
63歳の誕生祝いの勝ち星も贈った
「果報者」と思われるが苦楽の連続
 
この「隠忍自重」2008年の決算
1年でJ2からJ1へ三浦俊也監督
ペーパー時代の名残を留める出来事
3月号には中山元気ダヴィやノナト
宮澤裕樹が初陣で西大伍や曽田雄志
沖田コーチGK赤池コーチの笑顔も

定価200円時代が2001年から
紙版は08年まででその後はWEB当然「コンサドーレ」の広報も掲載
石屋製菓を始めブラジルのガラナも
突然「川崎に初勝利」が舞い込んだ
事件は日常茶飯事これは「王道」で
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
上:上段写真/「北のサッカーアンビシャス」紙面版2008年3月号表紙 上:下段写真/J1第24節横浜C 戦でリーグ通算200勝を達成し贈られた花束を掲げて喜ぶ札幌のペトロビッチ監督。左に通訳でコーチの杉浦氏の姿も・・・10月24日、札幌ドーム、撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
「ウキウキ」「わくわく」「やった」
 我がミシャ監督が「3密」時代に「3宝」をつかんだ。北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督。1957年10月18日生まれ。2006年サンフレッチェ広島に飛来して、浦和レッズーコンサドーレと、3チームのRegisseur(監督・ディレクター)をして、達成すべき成績、そして「目の上のタンコブ」もあったが3冠を取得した。
 「ウキウキ」は63歳の「バースデー」。「わくわく」はチームと共に刻まれた勝ち数200勝。そして「やった」は札幌が勝った事のないJリーグのチームに勝って「やった」の「歓喜の声」が聞こえた。最後の「やった」は2020明治安田生命J1リーグ第26節で、現在首位を突っ走る川崎フロンターレに24試合を消化して「初勝利」。それも2−0の失点無しの大勝利だった。試合の経過は別項で本誌を飾っている。監督の談話もいつになく、弾んでいて今季の札幌サポーターの「迷わず行けよ信じる道 俺たちならやれる」のスローガンと呼応する。
「ウキウキ」は誕生日プレゼント
 まさに2020年10月18日はPETROVIC監督がセルビアで生まれて、国籍をオーストリアに移して63歳の誕生日。日本と祖国を行き来して14年が過ぎた。日本的に言うと「盆と正月は国で過ごす」というのであろうか、北海道新聞社の「オフィシャルガイドブック2020」で、ミシャの里帰りを読んだ。「シーズンを終えて、比較的早いタイミングで自宅のあるオーストリアに戻りました。そして10日間ほど、気候の温暖なドバイ(UAE)へ家族で旅行に。その後は私の妻の実家があるスロベニアへと移動し、そこから姉の住むセルビアへと向かいました。サッカー監督の仕事をしていると1年に1度しか母国に帰るタイミングがありませんから、出来るだけ長く家族とともに過ごし、英気を養ってきました」。
 今年は「プロフェッショナルに徹する3年目に」だった。2020年の早春合宿をタイー熊本で仕上げて、いざ第1節2月22日の柏レイソル戦に2−4で負けた。札幌は、寒さと雪の真っただ中。そのころ「新型コロナウイルス」が、地球上を襲った。
 7月にJリーグは再開されたが、10位以下に低迷、13位で迎えた誕生日の10月18日。第23節を札幌ドームで鹿島アントラーズと戦い1−0で、勝った。思いもよらない「浦和時代からの教え子・駒井善成」のプレゼントだった。
「わくわく」は来日以来の200勝
 ちょっと毛色の変わったところで朝日新聞の10月25日号。「攻めてこそ ミシャ200勝」を紹介しよう。筆者は編集委員の潮 智史氏(56)。サッカーには造詣が深い。
 外国人監督では初めて。10月18日の鹿島に1−0の後、10月24日横浜FC の一戦3−0で、札幌が勝って来日200勝目を挙げたという。特に強調しているのが「リスクを負っても攻めの形を作れた」。就任3年目で「ハイプレス」を作り上げたーと言っても過言ではない(池田淳加筆)。特に潮氏が「最後尾のDFであろうと、攻撃の意識が刷り込まれている」は、このゲームで宮澤(裕樹)がタイミングを見計らい、高速の縦パスを送る。受けたジェイは1タッチでラストパス。シュートを決めたアンデルソン・ロペスは「宮澤のパスが出た時には準備していた」。
■J1監督のベスト5 (2020年10月24日現在)
1位・西野朗氏 270勝(524試合=柏、G大阪、神戸、名古屋、現タイ代表監督)
2位・長谷川健太氏 201勝(435試合=清水、G大阪、現F東京監督)
3位・ペトロビッチ氏 200勝(441試合=広島、浦和、現札幌監督)
4位・ネルシーニョ氏 184勝(395試合=V川崎、名古屋、柏、神戸、現柏監督)
5位・トニーニョ・セレーゾ氏 141勝(272試合=鹿島)
 潮論説委員は、コンサドーレとは古い付き合い。1998年のW杯フランス大会の岡田武史監督から今日まで。特に(株)コンサドーレの野々村芳和社長の「職業 サッカークラブ社長」の2013年出版記念会で、「北のサッカーアンビシャス」カメラマン石井一弘氏(元朝日新聞記者)らとの懇談以来の親交。
「やった」は首位川崎から1勝
 今季のコンサドーレの「快挙」の一片と言っても過言ではない。出来上がってきた「ハイプレス」のたまもので、Jリーグのこれまで対戦した「ヴェルディ川崎」は除く1998年札幌がJリーグ参入以来、川崎フロンターレは1999年加入以来の対戦が対象。24試合目で1勝(0)2分け(3)9敗(9)。(カッコ内はJ2)の成績になった。11月3日のJリーグ第26節は、アウエーの等々力陸上競技場で行われた。前半0−0で、後半にロペスと荒野が連続得点、アディショナルタイムは5分の川崎の猛攻をGK菅野孝憲が、少なくとも3本の相手シュートをはじき出し、引退声明を出した中村憲剛らの猛攻を切り抜けての「やった」、の勝利だった。ペトロビッチ監督の喜びは、200勝の野々村社長からの「花束」を上回る「ファンへのプレゼント」だった。
                                 (池田 淳)