北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2019年3月号

竜巻旋風
「たつまきせんぷう」は突然の乱舞
四字熟語では無いが強烈なメリハリ
30年前にプロ野球の野茂英雄投手
トルネード投法で一世をふうびした
この現象がピッチの上で見られたゾ
北海道コンサドーレ札幌が表現した

今季初の快勝はペトロヴィッチ監督
2年目を迎えて3月2日に提示した
浦和レッズ相手に4万1千人の観衆
センターサークルのあたりからの目
コンサドが4連パスを繋いでゲット
埼玉スタジアム2002を唸らせた

「トルネード」をサッカーで使った
2009年全国高校選手権道予選で
旭川実業が2度目の代表になった時
CKで相手マークを外すための動き
選手が円陣を組んで回り始めたのだ
冨居徹雄監督に「面白い」と言った

ミシャ監督が描く攻撃が早くも出た
オーストリア育ちでも『Tornado』
中央でのノンストップパスが繋がる
一陣のつむじ風が芝生を吹き抜ける
相手が手も足も出ない空間が出来た
キャプテン翼の技には緩急自在の夢
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
ホーム開幕戦の清水戦、後半追加タイム3分にボールをキープする札幌MF荒野(27番)。3月9日、札幌ドーム、撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
ミシャ監督が緩急自在の「竜巻」を演出
 北海道コンサドーレ札幌は「竜巻」のように強く、「旋風」の様に穏やか。コンサドーレが札幌ドームに帰ってきた。ガツンとやられた第1戦、竜巻のように強烈に浦和レッズを第2戦で一撃した。
 2年目のペトロビッチ監督は、「フレンドリーな」、運営会社、スタッフ、プレーヤー、スポンサー、道民一丸となったサポーターで、「我が世の春」を迎えた。今年の春は、思いのほか、暖かい。
 J1リーグの方は、1勝1敗でホーム戦を迎えたが、3月6日のルヴァンカップは、新加入の7選手+1から5人を繰り出して、横浜F・マリノスと戦い1−1で引き分けた。それぞれの個性が出ていて、頼もしさを感じた。
 「北海道とともに、世界へ」の一端を見たような気がする。しかし、昨季まで、札幌にいた横浜MF三好康児(21)は、敵ながらあっぱれな選手に成長して行く、「万能性」を随所に示し、札幌の若手にも見習ってほしい「世界」を持っていた。
ホーム初戦でハットトリック+PK
 3月9日は札幌ドームで北海道コンサドーレ札幌の開幕戦。清水エスパルスを迎えてのJ1第3戦。午後2時から2万2千余人の観衆を集めての戦い。前半は札幌が先制、清水が追いつきシーソーゲーム。
 この後、FW鈴木武蔵がPKを得た。ボールを奪い取るようにしてアンデルソン・ロペス(Aロペス)がGKと対峙する。武蔵が顔を曇らせたが、Aロペスは左足で決めた。前半は2−1で終わる。
 後半は、Aロペスの独壇場。札幌の中心線DFセンターのキャプテン宮澤裕樹、ボランチの荒野拓馬、シャドーのチャナティップらが、入れ替わり立ち代わりボール回しの「目」になってチャンスを造る。ミシャ監督の第2楽章の指揮棒で演出する。Aロペス、武蔵が相手守備陣の裏に飛び出す。笑いが止まらないほどの背番号11のシュートが決まる。ハットトリック(3得点)+1の快挙をあげて、終わってみたら5−2。12年振りのホーム初戦勝利のおまけ付きで表彰台に立った。
「竜巻」と「旋風」の緩急が大切
 竜巻は強烈で、根こそぎバラケさす強力なパワーを持ち備えている。アメリカでは「追っかけ」が居て、興味津々。サッカーのサポーターも渦中に入って「燃えて」ピッチを見つめる。このためにこの日を待っていた。燃え上がった後は、静寂さが訪れる。これがチームの共同の息遣いである。「静と動」とよく言うが、サッカーでは、特にミシャ・サッカーでは「動と静」である。「トルネード」で仕掛け、波風を納め「息遣いを整え」て、再び立ち向かう「竜巻旋風」を呼び起こす。団体スポーツの中でも、監督・コーチ陣が「最大の協調」を奏でる時である。札幌はこの作戦を、今シーズン、我が物にして行く。
3−4−3の変形こそが持ち味
 コンサドーレは守勢の場合は5−2−2−1、あるいは4−2−3−1で、中盤が戦場になる。そこで5−4−1の1トップが多かった。ミシャの本意ではない。基本は3バック(DF)、2ボランチ(VM)、2ウイングバック(WB)、2シャドー(FS)、1トップ(FW)である。
 究極の攻めの場合は3−4−3で、竜巻を起こすのは2列目の4人で、トップに出すか、2シャドーが相手DFの裏に出せるかが約束である。
 最近の布陣を見るとトップはジェイか武蔵、2シャドーはチャナティップとAロペスだ。ウィングバックを出来るのは左が菅大輝、右がルーカス・フェルナンデス(ルーカス)で、駒井善成がけがから復帰すれば、どこでも出来る。
 ボランチは最近自信がついてきた荒野拓馬と深井一希。「竜巻の目」になる所で(と書いておくが=相手に悟られないようにほかの個人名は内緒)、展開が今季の目玉。3バックは左から福森晃斗、宮澤裕樹は不動。右に進藤亮佑が好不調やけがで、早坂良太や石川直樹、キム・ミンテが入るが、MF中野嘉大も進藤的なドリブル突破が出来て面白い。
ミシャ監督の1トップ2シャドー
 3月2日、浦和レッズに2−0で「完勝」した日、ペトロビッチ監督(愛称=ミシャ監督)は、1トップに鈴木武蔵、2シャドーにチャナティップ―Aロペスを配して確信を得た。両脇にWB左に菅、右にルーカスは「目付け門」で定着模様。
 3月9日の札幌ドーム開幕戦も、背番号7のCKが見られ、背番号5の福森晃斗の右からのインサイドに入ってくるボール。ルーカスも左からインサイド(内向きカーブ)。9日は得点にならなかったが「果報は寝て待て」だろう。
                                                       (池田 淳)