北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2019年5月号

白い恋人
「しろいこいびと」石屋製菓の製品
令和に元号が代わり五月四日の試合
札幌ドームは3万4千余人の大観衆
北海道コンサドーレ札幌の相手には
共に菓子を扱う企業がスポンサーの
ヴィッセル神戸でスイーツマッチと
     
戦う前から「この戦いは甘くない」
札幌FWアンデルソンロペスがケガ
神戸はエースMFイニエスタが欠場
札幌はロペスの代わりに荒野拓馬が
開始4分荒野がゴール前で吹かした
0−0のままで札幌優位で後半戦へ
     
ハーフタイムには石水勲会長に花束
75歳の誕生日に野々村芳和社長が
返礼?に野々村社長にも花束で苦笑
同じ5月でも野々さんは8日でした
1996年に旧東芝チームを札幌に
今があるのも23年の蓄積に感謝だ

ペトロヴィッチ監督が2−1の勝利
さらに喜んだのはサポーターの声援
「白い恋人」と一緒に歩んだ石水家
これから「ISHIYA」のロゴ印
1947年から3代目創社長が創る
コンサドを100億へはみんなの夢
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
5月4日、札幌ドームで行われたJ1第10節。この試合は「スイーツマッチ」として行われ、ハーフタイムには同日75歳の誕生日を迎えた石屋製菓の石水勲会長(左側)に、コンサドーレ野々村社長(右側)から花束が贈られた(上段)。また、野々村社長の誕生日も5月8日だったため、石水会長からも花束のお返しがあった(下段)。写真提供:株式会社コンサドーレ
コンサドーレの王道を拓く
ポジティブな展開から?アンビシャスに!
 北海道コンサドーレ札幌は、大きな過渡期を迎えている。今までのチームでは「経験のできなかった勝利」と「大きなヤマをいかに踏破するかの苦悩」。三寒四温を期待に満ちて潜り抜けている。2年目を迎えたミハイロ・ペトロビッチ監督が、道民に、日本に、世界に与えるサッカーを、解き明かしてみよう。
歴史を変えた4連勝
 J1であっさり連勝記録を更新「4連勝」を成し遂げた。「3連敗」の後の出来事。1勝目セレッソ大阪(4月13日アウエー1−0)、2勝目横浜F・マリノス(4月20日ホーム3−0)、3勝目ジュビロ磐田(4月28日アウエー2−1)、4勝目ヴィッセル神戸(5月4日ホーム2−1)。5勝目?は5月12日アウエーで松本山雅FCと対戦する。
 ちなみにJ1での3連勝1度目は、1998年10月31日アウエー、ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)2−1、11月3日ホームで3−0ヴィッセル神戸、11月7日アウエーで3−1ジェフユナイテッド市原。年間14位での入れ替え戦でJ2へ。
 2度目は、2001年9月29日ホーム、5−2神戸、10月13日アウエーで1−0東京ヴェルディ、10月17日ホームで4−2サンフレッチェ広島に勝ち。年間11位で残留。
 3度目は、2017年11月18日アウエー、2−0清水エスパルス、11月26日アウエーで1−0ガンバ大阪、最終戦は札幌ドームでサガン鳥栖に3−2で勝利、11位で四方田修平監督からペトロビッチ監督の2018年のシーズンに入る。
 18年は6節から8節、23節から25節に3連勝している。昨季のミシャ監督で記憶に残っているのは、4節から14節まで引き分けを挟み11試合負けなしの記録も残している。
新メンバーと成長株
 2019年に達成した「新陣容」が機能してきた。トップのFW鈴木武蔵をはじめ、右シャドーのFWのアンデルソン・ロペス、右ウイングバックのMFルーカス・フェルナンデス。この3人がかき回している。成長したGKク・ソンユン、DF進藤亮佑、MF深井一希。
 キャプテン宮澤裕樹が一時は荒野拓馬と中盤を展開していたが、DF陣の福森晃斗が攻めに入った時、宮澤がディフェンシブに下がってプレーすることが多くなった。
 結果が出ない中で、キム・ミンテをセンターに右に進藤の3バックが完成しつつある。守りから前掛かりになった進藤が、コーナーキックからヘディングを決めてから、最終的にゴール前に位置取りが出来るようになったと言っても過言ではない。今一番心配なのは、MF菅大輝が前への突進が少なくなった。さらに相方のチャナティップが、相手にプレーを読まれる(研究されている)節がある。少し離れていてもゴールマウスに目をやるぐらいの「余裕」が欲しい。遠めからのシュートも効果的だろう。
 さらに欲を言うとルーカスが右からの突進とドリブル、ショートパスの展開が美しい。しつこいほどにチャレンジしている。周りが止まらないように、さらに「傍観者」になったら意味がない。いま、ロペスが足を痛めてブラジルに帰国している。FWジェイ、MF駒井善成、中原彰吾が故障者リストに入っている。
三寒四温?勝負の運
 北国の春は気まぐれ。寒暖の差が激しい。さらにアウエーへのコンディショニングが勝敗を分ける。コーチングスタッフが、この辺を極めてきている。ミシャ流なのか、1日前の現地入りでかなりの「気持ちの余裕」が出来てきたようだ。これからルヴァン杯や天皇杯で日程がきつくなる。「北国のハンディ」を楽しもう。欧州選手権などを見ていると「かなりハードなスケジュール」だ。毎年の今時をみると確かに「北国のハンディ」はある。これをはねのけるのが、ミシャの言う「札幌は住みやすい」のメリハリかも知れない。
 札幌農学校のクラーク博士の話を聞いた。埼玉県で幼少年期を過ごした者には、「クラーク博士」の名前すら知らなかった。「Boys,be Ambitious!」凄いぞ北海道民は、ポジティブな「心の住み家」を小さなころから持っていたのではないか。「強いぞ」。
「白い恋人」の物語
 1968年フランスで冬季オリンピック大会が開催された。この時に「白い恋人たち」という記録映画が作られた。1972年はオリンピックが夏冬同年開催で札幌で冬季大会、西ドイツのミュンヘンで夏季大会が行われた。札幌大会では、スキー選手が3冠を取った「白い恋人たち」の映画が盛んに上映されていた。石屋製菓の石水勲さんに初めて会ったのが1990年代で、お菓子の「白い恋人」が売り出されていた。てっきりこの表題は映画からもらったものと思っていたら大違い。石屋製菓の社歴を調べたところ、1947年に創業、1959年に現在の社名になったという。「ゆきのちらつく姿が、恋人たちの舞に見えた」これが白い恋人となったそうだ。
 サッカー関係者がうらやむフットボーラー一家、3代目の創氏が「志を引き継いでいる」。
少年よ大志を抱け!
 北海道のスポーツマンに、いま必要なものはポジティブな積極的な強い心だという。ペトロビッチ監督が言う「ポジティブ」は札幌農学校時代から受け継がれてきたクラーク博士の教えだと思う。
 当誌「北のサッカーアンビシャス」(Web版)編集部のメンバーも、ほとんど道産子のサッカー関係者。きっと「コンサ」ではなく道産子の反対読み「コンサド」の魂を伝え続けていってくれるだろう。
                                                     (池田 淳)