北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2018年12月号

歓喜の歌
「かんきのうた」ベートーベンの曲
北海道コンサドーレ札幌は歌うのか
J1で初めての第4位は胸を張れる
最終戦の札幌ドームは勝利の期待も
2−2引き分けは「悲喜交々」の声
交響曲第九にもベートーベンの悩み

ペトロヴィッチ監督は「早い前進」
今季の成績「満足してはいけない」
「来季も高い目標をかかげて行く」
Duldet(堪え忍べ)との独語
ベートーベンも合唱の中に歌い込む
ボンの詩人シラーの詩で第4楽章を
 
1750年から1850年代の3B
ベートーベンとブラームスにバッハ
この時代に欧州の交響楽が発展した
一次産業革命で個性を重んじた時代
ベートーベンは第九の第3楽章完成
詩を終章とするが聴覚を失っていた

ミシャには杉浦大輔コーチ兼通訳が
サンフレッチェ広島から浦和レッズ
来日して13年になり日本語に興味
会見でタイの記者に「うまい」ねと
チャナティップは「なまらうまい」
8日には「Danke」と帰国した
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
12月7日に行われた「感謝の集い」で札幌ドームMVP賞を受けたチャナティップ。今シーズンの活躍は見事だった。札幌のプレミアホテルTSUBAKI、撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
すごいペトロビッチ監督とチャナティップ
 12月7日恒例の北海道コンサドーレ札幌の「感謝の集い」が札幌市内のホテルで、スポンサー企業などの関係者を招いて開かれた。
 席上、今季のJリーグの優秀賞が発表された。J1優秀監督賞はミハイロ・ペトロビッチ氏(61=セルビア出身)が。優秀選手30人にコンサドーレMFチャナティップ(25=タイ出身)が、いずれも「初受賞」と発表になり、会場から拍手とどよめきが起こった。
 他力本願のACL出場は出来なかったが、ベスト4はコンサドーレ史上初の「上位」。胸を張って来季を迎えよう。現在はオフ期で2019年は1月11日の「新加入選手発表」。翌12日が北海道神宮の「必勝祈願」。その後、「キックオフイベント」。13日から「グアム強化合宿」に入る。
感謝の集いに3百余人
 恒例の集いでは、(株)コンサドーレの野々村芳和代表取締役社長CEOが「やっとここまで来たか?というと、お集りの皆さんに失礼ですが、私としてはホッとしています。これからもよろしく」とあいさつした。続いてペトロビッチ監督が「皆さんのおかげで、良い成績を残すことが出来た。まだ成長途中という思いで、来年も頑張ります」。応援を感謝し、最後は日本語で「ありがとう」と言い、拍手を浴びた。
 この後、選手、監督、コーチらが、立ち席のテーブルを回って「懇談した」が、サイン攻めに合っていたのは21歳独身の三好康児だった。また、コンサドの当初からの代表・石屋製菓代表取締役会長の石水勲氏(74)夫妻の姿も見られ、ミシャ監督らと楽しげに歓談、来季の健闘を互いに誓い合っていた。仲締めの乾杯は、『白い恋人』の石水創社長。「私の乾杯の後に、コンサドーレと受けてください」と、来季のサポートを共に誓っていた。
 また、恒例の札幌ドームMVP賞にはチャナティップ選手が選ばれ、J選手賞とのW受賞。札幌ドームMVP賞は1百万円。プロ野球部門は投手の上沢直之選手が受賞した。
今季を振り返り「前進した」
 ミシャ監督は、札幌を率いるに当たり、野々村CEOと話し合っていた。1年でチームを創るのではなく、中・長期的なプランで強化をすること。さらにサッカーは年齢で戦うものではないが、今後3〜4年を戦うには世代交代をすること。この土台作りが必要で、コンサドーレは高い金を出して選手を買ってこられるクラブではない。
 今年の4位は、出来すぎた「前進」したチームが、歴史を刻んだと言っても過言ではない。土台がやっと見えてきたという感じですね。アカデミー育ちの菅大輝、深井一希、荒野拓馬、進藤亮佑が成長していくことが素晴らしいと感じている。
四方田修平コーチに期待
 今年も充実したコーチングスタッフがいた。「このチームでやろうと思ったのも、ヘッドコーチの四方田修平や沖田優、赤池保幸らと私と10年越しの通訳兼コーチの杉浦大輔らが、個人及び全体、チームの態勢をしっかりと作ってくれていたからです。それがとても役に立っているということです。このベースをさらに充実させるのが私の役目で、これを充実することが、勝負に出る力だと思っています」とミシャ監督。
2シーズン目の采配は?
 ミシャ監督は、各試合のコメントを記者会見で、杉浦大輔コーチの通訳で深く、詳しく話している。いつも強調するのは、攻めの形と個々のつながり合い。2人の集団から、3人、4人と増えていった時の連係動作。攻め上がったMF・DFの連動の仕方まで、選手に要求する。考えてするより、自然に体が動いていく「連帯感」を大切にしている。
 そこで来季の目標を探ってみると、「J1残留」という考えは、これっぽっちも無い。目標を達成させる努力よりも「今年を上回る順位」が狙いのようだ。「期待は大きい方が良い」。当然「ACL」も視野にある。ルヴァンカップも天皇杯も。「疲れを知らないプレーの仕方もある」。「陣容の充実か」それとも「選手のやりくり」か。期待が膨らむ。
ベートーベンの第九
 「歓喜の歌」と日本では、もてはやされている。1750年代からベートーベン、バッハ、ブラームスらヨーロッパで交響曲が、オーケストラで演奏される時代が来た。今回4文字コラムの表題「4字熟語」に、コンサドーレの活躍ぶりを表現してみた。一時は「悲喜交々」の方がコンサドには合っている―という声もあったが、「歴史的な快挙4位」という見出しを見たとき「第九を歌っても恥ずかしくない」の結論に至った。
 ベートーベンの第九は合唱の別名があるように、第4楽章の一部に独唱歌手を含め男女の合唱が登場する。
 日本では、12月の後半から、この演奏会が増えて来る。日本での始まりは1947年(昭和22年)日本交響楽団(現・N響)が演奏したのが始まりという。ちょうど今年の12月7日のNHK総合TV「チコちゃんに叱られる」に登場、「なぜ年末に第九を演奏する?」の答えは「楽団員の年越し費用を稼ぐため」には、「びっくりしたナーもう」でした。
河合・稲本ら8人契約満了
◆河合竜二(40)11年横浜F・マリノスから入団、8年在籍、15年までキャプテン。
 「北海道が大好きです。これからも皆さんと関わりが持てる仕事をしたいと思います」

◆稲本潤一(39)元日本代表。川崎フロンターレから15年入団、ボランチで活躍。
 「これだけ成長していくクラブは見たことがない。良い時間を過ごさせてもらった」

◆内村圭宏(34)10年愛媛FCから入団、11年、16年のJ1昇格に貢献した。
 「まだサッカーはやりたいし、応援してくれる人のために頑張りたい」

◆菊地直哉(34)16年サガン鳥栖から入団。2004年アテネ五輪代表。
 「2年半お世話になりました。いろいろなサッカーに触れ素晴らしい経験でした」

◆田中雄大(30)17年ヴィッセル神戸から入団。ペトロビッチ監督の指導に感動。
 「ピッチでの貢献が出来ず、残念です。札幌の一体感が素晴らしい」

◆横山知伸(33)17年大宮アルディージャから入団。18年はロアッソ熊本に期限付き移籍。
 「ACLの懸かった試合、惜しかった。ますますビッグクラブを目指して頑張って」

◆ジュリーニョ(32)ブラジル出身。16年入団。レノファ山口に期限付き移籍中。
 「3シーズン家族と共に生活した札幌は忘れません。けがで尽力出来なかった」

◆永坂勇人(24)札幌市出身。コンサドU−15、18でプレー。水戸ホーリーホック期限付き移籍中。
 「11年間お世話になりました。186センチの長身を生かし、プロ生活を目指します」
                                                     (池田 淳)