北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2018年9月号

縦横無尽
「じゅうおうむじん」は自由自在に
思う存分試合が出来て満足でしたよ
北海道コンサドーレ札幌が頑張った
9月1日J1リーグ第25節を戦う
5位ヴィッセル神戸と札幌ドームで
3万2千余人の歓声が一つになった
    
3−1でタレント揃いの神戸を破る
スペインからイニエスタがヤセルは
カタールからポドルスキはドイツだ
加えてウエリントンがブラジルとは
報道陣の目は世界のツワモノが焦点
プレーと共に秘術を盗もうと躍起だ

スチール「steal」のタイトル
これで4文字コラムを仕立てあげる
カメラマンの目も同じで場所取りが
ふたを開けると妄想とちょっと違う
「縦横無尽」に走る札幌イレブンが
イニエスタとボドルスキを完封する

札幌のペトロヴィッチ監督は鼻高々
「サッカーの個の力」の時代は去る
今回は新手のミッションで臨んだと
時間をかけて造ったチームが見えた
キャプテン宮澤裕樹やDF進藤亮佑
菅大輝チャナティップが光っていた
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
神戸戦の後半3分、前にFWチャナティップ(18番)、右にMF宮澤(10番)、神戸MFイニエスタは孤立するシーンが多く戸惑い気味に見えた。9月1日、札幌ドーム、撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
「地震・雷・火事・親父」一番怖い!から学ぼう
 北海道が9月6日未明「震度7」の未曾有の地震に襲われた。震源地は胆振管内厚真町。台風21号がかなりの爪痕を残して過ぎ去った夜中だった。揺れが長く、縦振動も加わる。テレビをつけると「厚真町は震度6強」(気象庁発表。後に最大震度7と訂正)だった。札幌市は東区が一番強く「6弱」、市内は「震度4〜5」と言っていた。「平成30年北海道胆振東部地震」と名付けた。
 「明日のサッカー国際試合、チリ−日本代表の試合は出来るかな」。2階の書斎で、寝ていて、本棚から雪崩落ちた時計やアルバム、書籍、古い札響のレコードなど、寝床の半分まで押し寄せたものをボーっと見詰め「明日(7日)のサッカーのことで」心を保った。
 そして、合宿中の代表たちやチリチームのこと。さらに北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督の家族はどうしている?また、コンサドーレの選手たち、代表の選手ら、森保一監督の「困った顔」。
北海道を嫌いにならないで
 北海道で日本代表の国際試合をやるのは何年振りだろう。確か円山球場で、マウンドを避けてコートを造って外国チームとジャパンがやっていた試合の記憶がある(ご存知の方はご一報を)。
 そこで札幌ドームでの試合で国際Aマッチに絞らせていいただく。

 1. 2001・7・1   パラグアイ    ◯2−0 観衆39,073人(キリンカップ)
 2. 2006・11・15 サウジアラビア ◯3−1    40,965人(AFCアジアカップ予選)
 3. 2008・8・20  ウルグアイ    ●1−3    31,133人(キリンチャレンジカップ)
 4. 2011・8・10  韓国        ◯3−0    38,263人(キリン同)
 5. 2012・8・15  ベネズエラ    △1−1    39,396人(キリン同)
 6. 2014・9・5   ウルグアイ    ●0−2    39,294人(キリン同)
 7. 2018・9・7   チリ        平成30年北海道胆振東部地震のため中止(キリン同)

 長い歴史の中では地震で中止になった国際試合は2011年の東日本大震災の2試合だけだろう。
 日本代表は札幌で強化合宿に入っており、対戦相手のチリチームも札幌入りしていた。9月6日午前3時8分、北海道胆振管内厚真町を震源地に発生した震度7を最高の「地震」は、死者、負傷者、安否不明者、家屋の損壊、道路の損壊、さらに交通機関の寸断や停電などライフラインに大きな災いをもたらした。
 チリと言えば「チリ沖地震」を速報で伝える場面をテレビでよく目にする。「これによる津波の心配はありません」に何度か遭遇して地震の多いところ、日本人なら誰もが記憶にある。コンサドーレのペトロビッチ監督は、セルビア生まれのオーストリア国籍、「札幌は国に似た気候」と家族と移住している。ドイツをはじめ欧州は「地震がない国」。きっと、びっくりしただろう。
 コンサドーレ札幌の運営会社(株)コンサドーレ(野々村芳和代表取締役CEO)は、6日早朝に「コンサドーレのトップチーム選手、スタッフは全員無事が確認されました。北海道の皆さま、道内の広い範囲で停電などが続いていますが、安全を最優先させて、落ち着いて行動しましょう」の公式コメントを出した。さらにイングランドからのジェイは自身のSNSで「日本は強い国です」と、道民を励ましてくれた。
 日本代表選手、スタッフは余震の続く札幌で7日も練習を続けた。森保一監督は「試合は出来なかったが・・・」とトレーニングに詰めかけたファンと共に「集合写真」の場を設けるなど、怖いもの「地震・雷・火事・親父」の一端を共に味わい、これ以上の経験は何かの役に立つと両手を合わせた。選手団は8日以降に航空機の都合がつき次第、次の国際試合11日、コスタリカ戦に備え、大阪へ移動した。一方、チリは同じく11日の韓国戦のため移動した。
 日本代表戦が中止になったのは2011年の3月11日の東日本大震災の時のモンテネグロ戦、ニュージーランド戦以来。
コンサドーレ元気ですヨ
 北海道コンサドーレ札幌は8日、札幌の白い恋人サッカー場で1週間ぶりの全体練習を行った。9月1日のヴィッセル神戸戦終了後の2日から5日までオフになっていたが、6日の地震から、停電などで7日まで練習が出来なかった。
 8日は、選手、スタッフ全員が集合、15日のJリーグ第26節、川崎フロンターレ戦(アウエー等々力=午後7時)に向け、紅白試合などで汗を流した。
 キャプテンの宮澤裕樹は「サッカーを通じてポジティブな情報を発信していく。試合結果で少しでも勇気づけられる人がいれば」と。
 またペトロビッチ監督は「チームに出来ることは、被災した方々に勇気と希望を持っていただけるような戦いを見せること」と。
 野々村社長は「クラブの役割は勝つことだけではないはず。地域のために出来ることを模索している」と語っている。
村井チェアマンがコメント
 北海道における地震において被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。現在、土砂崩れや停電の発生が報道されております。
 今後の地震活動にご注意いただき、身の安全を第一に、二次災害の防止等に努めていただきたいと存じます。
                                       公益財団法人 日本プロサッカーリーグ               
                                                  チェアマン 村井 満
北海道胆振東部地震に際し、見舞いのお心遣い感謝いたします
 2018年9月6日午前3時8分発生の「平成30年北海道胆振東部地震」に際しお見舞い、励ましの言葉をいただき、大変ありがとうございました。幸いにも当編集部は難を逃れましたが、被災地の現状は、目を覆うばかりでございます。亡くなった方々のご冥福を祈りながら、フットボールを通じ北海道民の沈んだ心を少しでも勇気づけられればと励んでまいります。

坂田 信久 様    元東京ヴェルディ運営会社社長、Jリーグ審判アセッサリー等

Mr Will Andrade 様 2001年コンサドーレ札幌・岡田武史監督時代J1残留に寄与したブラジル
              出身のFWプレーヤー。24得点でこの年のJ1得点王(Face bookつながり)

アデマール・P・マリーニョ 様 当紙「マリーニョからのレシピ」担当、サッカー解説者、元日産自動車
                   サッカー部(現横浜F・マリノス)

金田 喜稔 様    元日本代表、現サッカー解説者、一般社団法人日本サッカー名蹴会会長 

木村 和司 様    元日本代表、現サッカー解説者、NPO法人スポーツコミュニティ・シュート理事長
ミシャ監督の攻撃を極める
 「私が一番面白いゲームは、5対3の攻撃に重点を置く攻め合い」。3対2でFC東京に逆転勝ちした、8月19日のホームゲーム。前半0−2で、普通なら決まったようなプロの試合。それが後半3得点を連取して勝ったのだから、気持ちが良い。試合後の記者会見で「5対3」が飛び出した。時間割にすると11分にどちらかが得点してスタンドを沸かす。監督・コーチ陣は、たぶんハラハラドキドキだろう。
 確かにコンサドーレの得点力が増した。ここ5試合は1・1・3・2・3。△△◯◯◯で、総得点が35。横浜F・マリノス42、サンフレッチェ広島41、名古屋グランパス39に次いで35はベガルタ仙台と並んで4位。
 ペトロビッチ監督の「攻撃的サッカーの哲学」が札幌で開花しそうだ。最近ヴィッセル神戸戦に出場、成長著しい右のMF駒井善成が浦和レッズ以来3年目の師匠。「やっと見えてきた考え方」というように、「見えてきた」プレーヤーが根づいている。
 アジア大会から、三好康児が帰って来る。右の攻撃を作り出す二人。左は、菅大輝とチャナティップの「ただいま上昇中」のコンビ。加えて白井康介、宮吉拓実が「ミシャの物差し」にはまるようになってきた。
 3バックの進藤亮佑―キム・ミンテ―福森晃斗は欠けたら困る。進藤が強くなり、ミンテはミシャのお気に入りでGKク・ソンユンと「あうんの呼吸」。
 FWは都倉賢、ジェイ、宮吉、内村圭宏と、もう一人欲しいね。中盤は宮澤裕樹キャプテンが「動かせる」ようになった。ヴィッセル神戸のイニエスタをピタリと止めたプレーは見事。相棒の荒野拓馬の大股は「ドタバタ」が相手に聞こえそうでプレッシャーになっているようだ。さらに深井一希は「made in Sapporo」。ベテラン兵藤慎剛の技ありを見てみたい。小野伸二は「最後の切り札」。黙ってベンチで見ていて「ここぞとばかりに出番が来る」。伸二が出てくると「勝つぞ」という感じがするのが不思議だ。
                                                       (池田 淳)