北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2018年4月号

第三の男
「The Third Man」は
イギリス映画の傑作で日本でも絶賛
1952年代にチターの音色が響く
オーストリア・ウィーンの街が舞台
あれから半世紀ハリーは生きていた
サッカーの世界も大化けのプロット

北海道コンサドーレ札幌の解体新書
蘭学事始めのころ腑分けをして学ぶ
現代のからだは全て細胞に集中する
サッカーも細胞分裂から連結に進む
イビチャ・オシム監督の綿密な教え
ペトロヴィッチ監督は攻撃あるのみ

札幌には「第四のタレント」が必要
まさに地下水路で撃たれるハリーは
ピストルの音だけを残し蘇えったか
日本の琴に似た多くの弦を持つ楽器
チターは天に突き響き地中に消える
人の魂をむき出しに訴え奥深く結ぶ

Jリーグ第4節ドーム初勝利の戦術
V・ファーレン長崎2−1は見事だ
福森晃斗がFKを最先端のジェイへ
ヘッドはファーの都倉賢に向かった
短いと思った瞬間チャナティップが
ミシャの結論はこの「第四の力」だ
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
J1第6節の名古屋戦。前半17分、左サイドを駆け上がって左足でクロスを入れる札幌MFチャナティップ(18番)。4月7日、札幌ドーム、撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
ミシャ監督の「philosophia」
 北海道コンサドーレ札幌に、ミハイロ・ペトロビッチ監督が就任して、4か月。三寒四温の北国の春を迎える「儀式」が続いている。サッカーのJリーグは、ワールドカップ(W杯)の年にふさわしい「過密スケジュール」が続いている。ジャパンプロリーグ(Jリーグ)とACL(アジアチャンピオンズリーグ)と、ルヴァンカップが、中三日の割合で、ゲームが続いている。
 そんな中で、我がコンサドーレはJリーグとルヴァンカップに出場、Jリーグは6節を終わって2勝2分け2敗で7位、カップ戦は4チームのグループ予選では3連敗で4位。
 リーグの方は、勝ち点8の得点9、失点8の得失点差1で7位は上出来。同じ勝ち点8のチームには、コンサドを7位に14位のジュビロ磐田まで8チームがひしめいている。
 ちなみにトップはサンフレッチェ広島(勝ち点16、5勝1分け0敗)、2位川崎フロンターレ(勝ち点11、3勝2分け1敗)、3位ベガルタ仙台(勝ち点11、3勝2分け1敗)。以下4位FC東京、5位清水エスパルス、6位セレッソ大阪の順。7位札幌の下が8位柏レイソル、9位サガン鳥栖、10位ヴィッセル神戸、11位湘南ベルマーレ、12位鹿島アントラーズ、13位横浜F・マリノス、14位磐田、15位名古屋グランパス、16位浦和レッズ。自動降格圏となる下位2チームは17位V・ファーレン長崎、18位ガンバ大阪(4月10日現在)。
ペトロビッチ監督の哲学
 札幌のミシャ監督の戦法は、よく例に出すのが、「ゴール前に大型バスを並べて防御するサッカーは面白くない」。選手は走ること。パスをしてボールをキープする。一人のドリブルと、二人のパス、これが三人になり、集団になって「攻める。攻撃のサッカー」。ゴールキーパーも参加して「数的有利を造る」。これが観客やサポーターを引き付ける「面白いサッカー」になる。
 哲学はギリシャ語で「「philosophia」、日本では英訳され「フィロソフィー」。スポーツの中では、行動と思考の間で、その位置関係を徐々に理解させていく。特に集団を率いてその思想の方向に導いていく、古来から学者の教本から得た知識を「己のものにして、集団の方向付けにしていくこともできる」。平にいえば「指導者の個性」かも知れない。
選手交代の妙技で快勝
 4月7日午後2時から札幌ドームで行われたJ1リーグ第6節北海道コンサドーレ札幌対名古屋グランパスの試合で、選手交代の妙技を見た。札幌は前半26分、福森晃斗の右コーナーキックを進藤亮佑がヘディングで決めて得点を得た。1−0のまま前半を終わった。試合全体の流れはコンサド優位だったが、決定打がない。後半15分ごろベンチスタッフの動きが穏やかでない。選手交代のカードを札幌は第4の審判に60分(後半15分)ごろ、一度は手渡した。審判のボードには背番号「9」の文字。「えっ、都倉」。そのまま5、6分。杉浦大輔コーチ兼通訳とミシャさんのピッチ上のやり取り後「41」番に代わりCFジェイを投入した。公式記録では、66分(後半21分)三好康児と交代した。
 その後69分(後半24分)、ジェイからのボールを受けた都倉が、オーバーヘッドシュートで2点目の今季初ゴールを決めた。さらに、相手のオウンゴール(73分=後半33分)で3点目。残り10分の間に都倉は早坂良太に、荒野拓馬が兵藤慎剛に代わり3−0で快勝した。
 選手インタビューフロアで、監督と杉浦コーチを待った。ミシャさんは「全体を見ると41番の方が疲れているようだった」。都倉があの時、代わっていたらあの得点も生まれなかった。選手の近く「ピッチに立って選手を見ているのも私の役目」と、ホッとしているような顔と、ぎゅっと握りしめられた握手の力を感じ、一瞬「陰陽師」の存在すら感じ取ったインタビューだった。
速報 ハリルホジッチ監督を解任
 2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表チームのハリルホジッチ監督が解任された。
 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は4月9日午後4時から、東京都内で記者会見を開き、6月に迫ったW杯ロシア大会の日本代表の監督、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督(65)の解任を発表した。後任には同協会技術委員長を務めている西野朗氏(63)が就任、12日までにコーチングスタッフなどを決め、発表する「電撃スケジュール」になる。
 田嶋会長によると「選手とのコミュニケーションが次第に遠ざかってきた」。3月の欧州遠征などでの成績や選手選抜の過程で違和感が見られ、本人と話し合って「結論を出した」という。
 日本は1998年から、W杯の6大会連続出場を果たしてきたが、大会2か月前の監督更迭は初めて。ハリルホジッチ監督は15年3月就任、アジア最終予選を6勝2分け2敗で、本大会出場を果たした。監督就任後の成績は、21勝9分け8敗。
 1998年のフランス大会と2010年南アフリカ大会で監督を務めた岡田武史氏(61)=元コンサドーレ札幌監督、元日本サッカー協会副会長、FC今治運営会社代表取締役=が、ふと頭に浮かんだが、最近の報道によると「S級のライセンスの更新はしていない。今治に全力」とのこと。
                                                       (池田 淳)