コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J1第27節(11月14日)、2トップに元気無く1−1で鳥栖と分ける

20・11・18
 上:上段写真/前半14分、札幌DF福森のロングパスに反応したMFドゥグラス・オリベイラ(33番)が鳥栖GK朴一圭と競って倒されFKを得る

 上:下段写真/前半17分、札幌FWアンデルソン・ロペス(11番)が鳥栖DFエドゥアルドと競りながらドリブルで突進、MFドゥグラス・オリベイラ(33番)が「ボールを出せ」と要求している

    (写真はいずれも11月14日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 先発トップ2に決定打無し

  ホームで元気無く1−1

 「赤黒のユニホーム」をコンサドーレに提供して15年。「Kappa(カッパー)」が今季限りで、契約を解除する。なんと2006年の初戦がサガン鳥栖戦で以来「共に過ごした5,478日」。2020年11月14日の北海道コンサドーレ札幌対サガン鳥栖戦を「2006−2020 Grazie Kappa!!」と題した記念ゲームにした。試合は後半に鳥栖−札幌の順に1得点ずつ、1−1の引き分けに終わった。

 札幌のユニホームは1998年にJリーグに加盟したが前身は1935年に日本サッカー協会に加入した東芝堀川町サッカー部(神奈川県)で、札幌への移転に際して「赤黒のユニホーム」(欧州のチーム)を模したものに決めた。最初の製作所は「アディダスジャパン」だった。正式には次のメーカーは決まってないが、テニスのユニホームを手掛けている「U社」をサッカー界に引き込みたい。東芝時代からのファンだという「15周年記念ロゴ入り」のレプリカユニホーム(1万6千500円)を着たご仁は「面白い」と賛同していた。

 試合の方は午後2時3分、元国際審判の高山啓義主審(46=栃木県出身)の笛で札幌がキックオフした。札幌ドームは気温20.2度、湿度44パーセント、5千663人の観衆(アウエー席には20人ほど)が、拍手と太鼓の音で試合を盛り上げた。

 札幌は14日のメンバーからチャナティップ(11日のFC東京戦で右足肉離れと診断)と荒野拓馬(警告で出場停止)が外れ、GK菅野孝憲、DF田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗。右ワイドに金子拓郎、左にルーカス・フェルナンデス。ボランチは宮澤裕樹と高嶺朋樹。トップ下に駒井善成、2トップはアンデルソン・ロペスとドゥグラス・オリベイラ。控えにはGKカウィン、DF石川直樹、久々に進藤亮佑、MF白井康介・中野嘉大・早坂良太、FWジェイが入った。

 鳥栖は3−4−3でGK朴一圭、DF松岡大起−宮大樹−エドゥアルド、MF森下龍矢−樋口雄太−本田風智−中野伸哉、FWチアゴ・アウベス−趙東建−小屋松知哉。控えにはFW豊田陽平・林大地・石井快征ら。

 両チームのこれまでの対戦成績はJ1、J2、カップ戦含め札幌の21勝6分け18敗で、J1の成績は札幌の5勝0分け3敗であまり差は無い。

 ゲームは札幌が2トップにボールを集めるが、2人とも相手DFにがっちり体を寄せられ、自由にボールコントロールができない。札幌はFK(フリーキック)の場面が多く福森が対応するが決定機が無い。鳥栖もCK(コーナーキック)を得て中央で攻撃を試みるがDFラインまで下がって防御するロペス、オリベイラの長身のプレーに勝てずノーゴール。(22分飲水タイム)。

 再開後は札幌が左に入ったルーカスにボールを集める。ドリブルで持ち上がるが、突破はできない。右側は田中と金子がボールを動かしているが、単調で相手のエリア内にパスが通らない。駒井もFWの後追いはするが、パスに切れがない。中央の宮澤−高嶺も攻守の切り替えが遅い。

 逆に相手の森下、樋口の攻撃参加で札幌ゴールが狙われる。さらに35分チアゴが札幌ペナルティエリア内から強烈な左足シュートはGK菅野がセーブする。アディショナルタイムは2分。両者とも得点なく前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「全体のバランスを崩さず考えてプレーしよう」、「もう少し落ち着いてプレーしよう」、「出し惜しみせずに、全力でいこう」

■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント
 「ミスを恐れずプレーしよう」、「セカンドボールの対応を早くすること」、「ラストパスの質を高くしよう」


 後半の選手交代は無し。札幌の駒井の動きが目に付く。ロペスが駒井からのパスに反応するが、防がれる。さらにキム・ミンテが大きく蹴った左側のルーカスへのロングフィードはうまく収められずゴールラインを割ってしまう。

 今度は鳥栖の番。11分右CKから樋口の右足のクロスが中央に。FWチアゴが受けてシュート。はじき出されたボールは再びチアゴへ。左サイドから札幌GK、DFを突き破るように左足でゲット。待望の1点。

 札幌が動いた。15分オリベイラに代わってFWジェイ登場。さらに右の金子に代わり白井が入りルーカスが右へ。白井は左のウイングバックに。最近の攻撃パターンの入れ替えだ。

 すると18分、MFルーカスが相手守備陣を崩す。ジェイに縦パスを入れ、リターンパスを相手ぺナルティーエリア付近にドリブル突破、リターン気味にジェイに返す。ジェイはゴール左へシュート。同点だ。

 23分、今度は鳥栖が選手交代。FW趙と林、チアゴと豊田。エース登場だ。(25分飲水タイム)。

 札幌はフリーキッカー福森を代え、ベテランの石川を入れる。さらに駒井と中野嘉大が交代。守るのか追加点を狙うのか。中2日で、疲労困憊の福森、駒井。ふとペトロビッチ監督の勝気と、優しさが交錯した。35分ロペスと早坂が交代。左サイドの白井の突進と石川の堅実さが見どころになった。アディショナルタイムは4分。

 札幌の最後は、白井、石川、ジェイに懸けられた。50分、石川が相手陣内に入ったところで、ロングボールをジェイに入れる。ジェイは胸で落とす。ルーカスが走り込んできた。ルーカスのシュートはゴール右枠を抜けていった。終わりの笛。

 次の2020明治安田生命J1リーグ第28節は11月21日午後2時から、札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌(13位)と清水エスパルス(17位)が対戦する。


 上写真/前半19分、札幌FWアンデルソン・ロペスが倒されて得たFKにキッカーDF福森が壁の位置を指示、結果はGKに止められた、左、MF高嶺


 上写真/前半39分、札幌自陣のDFキム・ミンテからのロングパスをMF金子(30番)が鳥栖MF中野(47番)と競りながら頭で中央へ入れる


 上写真/前半44分、札幌MF高嶺(右)が鳥栖MF樋口(その左)、DF松岡(その後方)と激しくボールを奪い合う、後方はMFルーカス・フェルナンデス


 上:上段写真/後半10分、鳥栖右CKからのボールはジャンプするDFエドゥアルド(3番)の上を通り越してファーに流れる、20番は札幌DFキム・ミンテ、19番は鳥栖FW趙東建

 上:下段写真/後半10分、鳥栖右CKからファーへのボールをFWチアゴ・アウベス(左から3人目)がシュート、札幌GK菅野にいったんはクリアされるが、こぼれてきたボールを再びシュートして先制点を決めベンチ方向へ走り出す。左へDFエドゥアルド(3番)、松岡(41番)。自分の足にボールが当たってゴールに入った札幌MF金子(右から3人目)は天を仰ぐ、その右高嶺、20番はDFキム・ミンテ


 上:上段写真/後半18分、札幌FWジェイ(中央)が途中出場してわずか3分後、MFルーカス・フェルナンデスとのパス交換の後、左足で同点ゴールを決める。左手前アンデルソン・ロペス、右端鳥栖DF松岡(41番)、ジェイの下で倒れているのは鳥栖DFエドゥアルド

 上:下段写真/後半18分、同点ゴールを決めて笑顔を見せる札幌FWジェイ(48番)、アシストしたMFルーカス・フェルナンデスが走り寄ってくる


 上:上段写真/後半38分、札幌左サイドを駆け上がる途中出場のMF白井(中央の19番)、白井の右はMF早坂、FWジェイ(左端)に鳥栖DFエドゥアルド(3番)がスライディングタックル、右端鳥栖DF宮(38番)

 上:下段写真/後半38分、鳥栖左CKからのボールを札幌GK菅野がキャッチ、その瞬間、反撃とばかりにMF宮澤(右端)と中野が一気に走り出す、鳥栖DFエドゥアルド(3番)と松岡(左端)


 上:上段写真/後半45分、途中出場した札幌DF石川(右)がクロスを入れる、左鳥栖DF宮(38番)

 上:下段写真/後半45分、札幌DF石川の好クロスにタイミングが合わなかったのか、MF白井(右端)が惜しくも触れず、鳥栖GK朴一圭(40番)、DF宮(38番)


 上写真/1−1と引き分けに終わり共にひざに手をやる札幌MF高嶺(左)と鳥栖DF松岡、後方DFキム・ミンテも、右端札幌MF早坂(26番


 上:左側写真/後半14分、これから送り出すFWジェイ(48番)に声をかける札幌のペトロビッチ監督、中央奥でも四方田ヘッドコーチがMF白井(19番)に指示を出している

 上:右側写真/後半33分、札幌MF中野の鳥栖MF森下へのファールで激しく抗議する鳥栖の金明輝監督、左DF松岡


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「日程的にも中2日ということで我々にとっては厳しかった。相手は1週間の休養と準備ができていた。ただ選手たちは前半からボールを奪いにいく姿勢を見せてくれた。ただ、ボールを奪ってから効果的な攻撃ができない中で進んでしまった。後半はギアを上げてくれて、逆転できるような展開であったが、今季よくあったようなチャンスに対する得点の割合が低く、引き分けに終わってしまった。しかしながら、選手が最後まで走り戦ってくれたことは監督として誇りに思っている。ホームで勝てなかったことは残念だが、選手は力のすべてを出して戦ってくれた」

■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント
 「前半は狙いどおりに良い形で奪ってゴールに向かうというか、そういった形でトライ出来ました。相手のプレッシングをうまく回避して、引っ張り出して空いたスペースをうまく使ってチャンスも作れました。選手たちは準備してきたことをしっかりトライしてくれたという印象です」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影