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J1第21節(10月10日)、2−1で湘南に勝利 J1ホーム50勝目

20・10・11
上写真/湘南戦試合開始前のスタメン集合写真(10月10日、札幌厚別公園競技場、北海道コンサドーレ札幌提供)


 三度目の正直GK中野小次郎

  「武蔵が来た?」金子が2発

 コンサドーレの試合開始前のスタメンあいさつ。V型の頂点にキャプテン。「勝ちたい気持ちのVサイン」。カメラマンの移動範囲が決められているのでこの1枚は「広報の提供写真」=上写真。

 試合は「鈴木武蔵が欧州から飛んできたような」。期待の新人「金子拓郎の2得点」。北海道コンサドーレ札幌は10月10日、ホーム厚別公園競技場で行われたJ1リーグ第21節で湘南ベルマーレと対戦2−1で勝利。今季5試合ぶりの勝ち点3とさらにJ1ホーム50勝目の勝利記録を達成した。

 新型コロナウイルスの影響で、Jリーグは「多彩な制限」をしてきた。今回から「相手チームの応援団の入場」が解禁、湘南のグリーンのサポーターが60人ほど入場していた。

 札幌の入場者は2千859人。天候は曇り一時雨。気温17.2度、湿度57パーセントで行われた。 

 札幌はGK中野小次郎、DF田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗、MFルーカス・フェルナンデス−菅大輝の2人は大外WDF。ボランチは荒野拓郎と宮澤裕樹キャプテン。2シャドー(トップ下)には右・金子拓郎を置き左は駒井善成。トップはアンデルソン・ロペス。

 最初は前節のベガルタ仙台戦で2得点したAロペスに期待がかかったが、湘南の守備陣がマンマークのトラピッング先をつぶすための体制で来たため、チャンスをそがれた。その代わり、トップ下に入った金子と駒井が大暴れ、金子は何度かロングシュートを放つなど積極的なプレーが目立っていた。

 しかし先制は湘南。36分、湘南のMF金子大毅にGK中野小が成すべもなくミドルシュートを決められ0−1。その後42分には、右ペナルティーエリア外からの札幌DF田中の右足シュートをMF金子がゴール前で軌道を変え、左に決めて同点。1−1で後半へ。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「イージーなパスミスが多い」、「もう少しボールを動かしていこう」

■湘南ベルマーレの浮嶋敏監督のコメント
 「ボールを取った時、後ろに下げないために周りがしっかり反応して起点を作ること」、「ラインをしっかり押し上げること」


 後半に入り札幌がペースを握る。荒野が縦横無尽に走り回り、左サイドの福森−菅の攻撃チャンスを造る。10分には、カウンター攻撃から右サイド展開。札幌・金子がスピードに乗ったドリブルから湘南ペナルティーエリアに突入、左足シュート。湘南DF陣の股間を抜いてゴール左に決まる。これが決勝点になり2−1で札幌が勝利した。湘南とは7月に第4節アウエーで戦い0−0で引き分けている。

 札幌の交代選手は後半30分にルーカスが白井康介、宮澤が高嶺朋樹、Aロペスがドゥグラス・オリベイラ。後半38分に金子が早坂良太。

 2020年明治安田生命J1リーグ第22節は10月14日午後7時30分から北海道コンサドーレ札幌は名古屋グランパスとパロマ瑞穂スタジアムで対戦する。

 (以下写真はいずれも10月10日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前半25分、降り出した雨の中、札幌MF荒野(左)と湘南MF金子が激しくボールを奪い合う


 上写真/前半36分、湘南MF金子(左から3人目)に先制ゴールを決められる、左端札幌MF荒野、右端GK中野


 上写真/この試合からアウエーの応援入場が認められた。前半36分、湘南MF金子の先制点に拍手する遠来のサポーターたち


 上写真/前半42分、札幌MF金子(30番)が同点ゴールを決め、荒野(27番)に祝福される、金子の左は宮澤、右端DF田中(32番)、湘南の選手はMF岡本(6番)、茨田(23番)


 上写真/後半10分、札幌MF金子(30番)がドリブルで駆け上がり、そのまま逆転ゴールを決める、右荒野も懸命に走る


 上写真/後半10分、逆転ゴールを決めた札幌MF金子(30番)が、FWアンデルソン・ロペス(11番)、MFルーカス・フェルナンデス、荒野(27番)らに祝福を受けた後、ガッツポーズを見せた

■北海道コンサドーレ札幌の金子拓郎選手のコメント
 「なかなか勝てていない中だったが、自分の得点で勝利をすることができて良かったと思っている。優しい先輩が多くて、得点後にたくさん祝福してもらいました。1点目はパスが来そうな予感があり、そこでうまくコースを変えて決めることができた。2点目は競り合いのこぼれがスルーパスのような流れになって相手と1対1になり、ああいう形は得意だった。GKの股間を狙って通した。だが、そのあとにも自分が得点するチャンスがまだあったので、そこで決め切れていないことは反省している。自分はルーキーという立場だが、年齢に関係なく底上げができるように頑張っていきたいと思う」


 上写真/後半43分、湘南左FKからの攻撃を札幌GK中野(34番)がパンチングではね返す、その右途中出場したMF高嶺

■北海道コンサドーレ札幌の中野小次郎選手のコメント
 「まずは勝って、みんなで喜びを分かち合えたことは今後の財産になる。クラブとしても節目の勝利だったのでうれしい。温かいサポーターの中で勝利を得られたことはありがたいですし、手拍子が自分にとってすごくモチベーションにもなったので、すごく感謝しています。
 Jリーグでの3試合目で勝つことはできたが、物足りなさを感じている。自分のボールロストから失点をしてしまったことも含め、課題がある。ただ、ガチガチに緊張をすることもなく、やれることと課題のところが明確に分かってきたので、これを今後も続けていくことが大事になると思っている」


 上:上段写真/湘南を2−1と逆転で破り久し振りの勝利を喜ぶ札幌DF田中(32番)とキム・ミンテ(その右)、その左GK中野、右端は途中からキャプテンマークを付けたDF福森。対してガックリの湘南MF金子(2番)、DF大野(8番)

 上:下段写真/久し振りの勝利を報告する札幌の選手たちと温かい拍手を送るゴール裏のサポーターたち、手前左から3人目が2ゴールで勝利の立役者になったMF金子


 上:左側写真/後半38分、選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/後半36分、ボードを手に戦況を見つめる湘南の浮嶋敏監督(中央)、ベンチに座って考える時間が多い監督さんだとお見受けした

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「両チームとも勝利から遠ざかっている中で、勝利が欲しいゲームだった。そういう意味でのプレッシャーがあった。前半はビルドアップがうまくいかず、攻撃もうまくいかなかった。そこから失点したが、選手たちは落ち着いてその後、同点にしてくれた。後半は相手にプレッシャーを掛ける形でペースを作ることができた。得点時以外にもチャンスがあり、なかなか決め切れなかったが、何がなんでも勝利をしたいという気持ちが出た。内容に関しては良いものではなかったが、選手たちが最後まで集中をしてくれたことが勝利につながったと思っている。課題はあるが、連敗を止める勝利をできたことは良かったと思っている」


■湘南ベルマーレの浮嶋敏監督のコメント
 「今日からアウェイ側もサポーターが入ることができるようになったゲームで、我々のファン・サポーターも遠い中、多くの方々に来てもらった。その中で勝点3を届けられなかったという悔しさでいっぱいなゲームになりました」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影