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J1第17節(9月19日)、ホームでG大阪に0−1の完封負け

20・09・21
 上:上段写真/前半5分、札幌右CKからの攻撃で札幌MF高嶺(31番)がシュートするが、G大阪MF山本のマークが厳しく充分なシュートととならずGK東口にキャッチされる。札幌の選手、左からDF進藤、キム・ミンテ(20番)、MF田中、荒野(27番)、G大阪の選手、左からGK東口(1番)、FWアデミウソン、DF高尾(27番)、三浦(5番)

 上:下段写真/前半7分、札幌左からのクロスをMFルーカス・フェルナンデス(左から4人目)が折り返す、その左田中(32番)、ボールに向かうG大阪MF倉田(10番)、その左DF藤春(4番)、右端札幌MF駒井(14番)

 (写真はいずれも9月19日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 いつ来るFW3人のそろい踏み

  気になったGKの黒いユニホーム

 プロカメラマンの石井一弘氏が「ジェイの交代が早かったネ」。私は「入場行進でGKの黒いユニホームが気になった」。今季2度目の2連勝と、J1コンサドーレ札幌のホーム50勝目の記念成績などが懸かる。2020年明治安田生命J1リーグ第17節、北海道コンサドーレ札幌対ガンバ大阪戦は9月19日午後2時から札幌市の厚別公園競技場で行われた。

 札幌13位、ガンバ9位で迎えた今季初ゲームは、ガンバが後半33分の1点を守り切り9位に、札幌は4勝5分け9敗で13位に終わった。

 この日(9月19日)から、プロ野球、Jリーグの新型コロナウイルスの関連の「入場者数」が変更になり、競技場の観客収容人数の半数を「限度数」にと変わった。札幌の厚別はMAX2万861人だが、この日はすでに発売済みだった2千749人だけ。

 試合開始のコンディションは晴れ、無風で気温25.1度、湿度30パーセント。国際審判で日本を代表するレフェリー木村博之主審(38=千葉県出身)の笛で午後2時3分、ガンバのキックオフ。札幌は荒野拓馬が、ガンバは三浦弦太がゲーム・キャプテンの腕章を巻いた。

 立ち上がり1分。ガンバがCK(コーナーキック)を得るが得点にならず。さらに5分札幌がCKを得て、福森晃斗が蹴るもガンバGK東口順昭がパンチングで防ぐ。互いにセットプレーから緊張する立ち上がりを見せた。

 札幌の布陣は3−4−2−1(1トップ2シャドー)、ガンバは3−1−4−2で、札幌のワントップ・ジェイにマンマークを付ける布陣。札幌は、前試合を休んだジェイがトップ。両脇に駒井善成・荒野を配置する。かじ取り役のボランチは、右に田中駿汰・左に高嶺朋樹。両ワイドはルーカス・フェルナンデスと菅大輝。DF陣は右から進藤亮佑−キム・ミンテ−福森晃斗、GK菅野孝憲のイレブン。

 一方、宮本恒靖監督のガンバは、スタメンからDF昌子源(27=兵庫県出身、鹿島アントラーズ、フランス・トゥールーズ、JAPAN=A代表)ら3人を外し、FWアデミウソン・宇佐美貴史。ジェイをチェックするDF陣は三浦、キム・ヨングォンら。GK東口、遠藤、三浦、宇佐美、井手口と元A代表、現A代表がぞろぞろ。

 札幌にも田中、菅がおり、メインスタンド貴賓席にはJAPANの森保一監督(52=長崎県出身)の姿も。森保監督にしてみれば、ペトロビッチ監督が最初に手掛けたサンフレッチェ広島のコーチ時代の恩師で、コーチから広島監督に昇格して、2012年からJ1で2連勝した立役者でもある。

 試合の方は札幌がやや押し気味にゲームを進める。(28分飲水タイムあり)。ペトロビッチ監督は、ベンチ前を行ったり来たり。片や宮本監督は「仁王立ち」で選手指示を出す両軍とも控え選手のアップも盛んになり、どうやら後半戦に0−0のままで、向っていきそう。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ここからキツイが、走りきれるかが勝負だ」、「最後の精度を丁寧に」

■ガンバ大阪の宮本恒靖監督のコメント
「DFラインの前のスペースをしっかりケアすること」、「ボールを奪った瞬間に素早く攻めよう」、「チャンスは作れている。しっかり決めきること」


 後半に入り、札幌の荒野の動きが目立つ。最終ラインに下がっては、起点になってパス回し。トップまでパス回しの中心に成り、バックパスして起点を作り攻撃する。中盤の田中、高嶺が居所が無く、さらに両ウイングバックが宙に浮く。ジェイにもボールが落ち着かない。

 最初にカードを切ったのはコンサドーレ。18分にジェイがドゥグラス・オリベイラに。駒井がFWアンデルソン・ロペス、高嶺が宮澤に3枚代え。ガンバは元気のないアデミウソンがFWパトリックに。札幌キャプテンマークは宮澤へ。この後の攻防は札幌がキープ率は多いが、AロペスとDオリベイラの間合いが合わない。(24分に飲水タイム)。

 この後、ガンバのベンチも忙しく動く。26分にキャプテン三浦がピッチ上に座り込む。交代してキャプテンマークはMF倉田秋に。その後29分、ガンバの3枚替え。三浦が昌子、山本が遠藤、宇佐美がFW渡邉千真に。

 30分台に入りガンバの動きが激しい。札幌は2トップにボールを入れようと焦るが、防御される。32分にCKを得るが、逆にガンバのカウンター攻撃を食らう。33分DFの高尾が持ち上がり前へ抜けたDF藤春にパス、藤春から中央に走り込んだ渡邉へ。渡邉のシュートを一度は札幌GK菅野がはじき出すが、ゴールポストに当たったボールは渡邉の足元。これを難なくゲット。1点を先行する。

 札幌は、37分左の菅に代えて白井康介を投入。ドリブル突破などを試みるが防御の壁は厚い。DFのキム・ミンテらの長いボールも2人のFWやルーカスにも展開するが、跳ね返された。アディショナルタイムは4分。札幌は最後まで成すすべを失い、観衆の「拍手」に応えきれなかった。

 カメラマンいわく「ジェイがピッチを去った後に失点して負けた試合を、これで2試合見た」。コーチ、監督の分析と反省とともに選手とも話し合ってほしいという意味だろう。

 GKの黒いユニホームは「ビジターユニホーム」。今度こその意気込みは分かるが、グリーンと黄色が似合ってるよ。

 2020年明治安田生命J1リーグ第18節北海道コンサドーレ札幌対柏レイソル戦は9月23日午後6時30分から、札幌ドームで行われる。第1戦は2−4で、負けている。黒星スタートだったが、この後、新型コロナウイルスまん延で7月まで「中止」。再開後は、4勝5分け8敗。


 上写真/前半8分、中央でハイボールを奪い合う札幌MF駒井(14番)とG大阪MF井手口


 上写真/前半39分、札幌FWジェイ(右)がゴール前に迫るが、シュートまでは行けず。G大阪の選手左からDFキム・ヨングォン(19番)、MF山本(29番)、GK東口(1番)


 上写真/前半44分、中盤で競り合う札幌MF田中とG大阪MF小野瀬、左端DF高尾(27番)、右端札幌MF菅(4番)

■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント
 「鳥栖戦はサブだったので、コンディション的には自分はフレッシュだった。自分の中ではほかの選手よりも多く動くことを意識していた。それを結果につなげられず残念に思っている。(高嶺)朋樹のプレースタイルは理解しているので、スムーズにできていたと思う。自分たちのところからの配球でチャンスを作るということが今日はできていなかったので、次節以降はしっかりやれるようにしたい。守備のところは常に声をかけながらやれていた。失点シーン以外は抑えることができていたと思うので、それだけにあのシーンは残念に思っている」


 上写真/後半8分、この試合、キャプテンマークを巻いて先発出場した札幌MF荒野(27番)が中盤で左サイドにパスを出す、右高嶺、左G大阪MF倉田(10番)


 上写真/後半33分、札幌のCKからボールを得たG大阪は一気のカウンターから、途中出場したFW渡邉(8番MF小野瀬の奥)がシュート、札幌GK菅野が右に飛んで一旦はセーブしたと思われたが、ゴールポストに当たったボールがピッチに跳ね返る

 上:上段写真/後半33分、G大阪FW渡邉(左で尻餅をついている)が自分が打ったボールが跳ね返ったのを再度押し込み、先制ゴールを決める。左奥札幌GK菅野、G大阪の選手は左からFWパトリック(18番)、MF小野瀬(8番)、札幌の選手は左からMF宮澤(10番)、DF進藤(3番)、福森(5番)が、ただただ呆然とする

 上:下段写真/後半33分、G大阪FW渡邉(15番のMF井手口と抱き合っている)のゴールで喜ぶ右へMF倉田(10番)、FWパトリック、DF藤春(4番)、MF小野瀬(8番)、途中出場したMF遠藤(7番)。一方札幌の選手はガックリ、左端MF田中、DFキム・ミンテ(右端)とその左MF荒野

■ガンバ大阪の渡邉千真選手のコメント
 (―得点が決まらない時間帯での投入について)
 「チームとして押し込まれる時間が多い中で、その中でも粘り強く戦えていたし、自分が入ったときもそうだけど、チャンスはあると思っていた。そこでしっかりと決めたいという思いでいた」


 上写真/後半追加タイム4分、途中出場した札幌FWドゥグラス・オリベイラ(左)とアンデルソン・ロペス(11番)が懸命に攻めるが、途中出場したG大阪DF昌子(3番)らの固い守りに阻まれる


 上写真/G大阪に0−1と敗れゴール裏サポーターにあいさつする札幌の選手たち。連勝とはならなかった


 上:左側写真/後半17分、札幌FWアンデルソン・ロペス(後方)ら3人の一挙投入を決断したペトロビッチ監督

 上:右側写真/前半14分、自分の所に飛んできたボールを軽妙にさばくG大阪の宮本恒靖監督、現役時代、日本代表キャプテンの記憶はまだ新しい


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日は厳しいゲームになると思っていた。まずG大阪は質の高い選手がそろっている相手であり、加えてこちらは水曜日にゲームがあり、日程的にタイトでもあった。ただし、その中で選手たちは走り、戦い、試合を支配してチャンスを作っていたと思う。チャンスを作りながらも決められない。そこで決め切る選手がいないという難しさがこの試合でも出ていた。とはいえ、その中で選手たちはベストを尽くして戦い、良いものを見せてくれたと思う」


■ガンバ大阪の宮本恒靖監督のコメント
 (―今日のシステム変更について
 「札幌相手にどういう試合運びをするかというところで、5日間の準備期間があったので、少しやり方を変えた。1つのシステムではシーズンを戦っていくのは難しいという話を常々していますけれど、それができる時間が少しあったというところが1つです。結果に関しては危ないシーンも作られたけれど、しっかりとみんなが体を張って守ったり、難しい時間帯をしのいで、途中から入った選手が試合を決めてくれて、チームとしては非常にプラスになる勝利だと思う」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影