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J1第15節(9月9日)、2位C大阪に力負けで8戦未勝利

20・09・11
 得点力不足だネ3トップだよ

  「武蔵」の代わりは・金子拓郎だ

 リーグ8試合勝ち星がない! こんな成績は「選手の不協和音と、監督はじめ指導スタッフのマンネリだ」。2020年明治安田生命J1リーグ第15節・セレッソ大阪−北海道コンサドーレ札幌戦は9月9日午後7時30分から大阪市のヤンマースタジアムで行われた。

 セレッソはリーグ2位で4連勝が懸かる。一方のコンサドーレは闇雲のリーグ7試合勝ち星のない12位。どう見てもセレッソ優位の、台風一過の大阪は、FWに前札幌所属の都倉賢を入れてきた。札幌は、FWにジェイとドゥグラス・オリベイラの体だけではない大物2トップ、さらに左ワイドに白井康介、右ワイドに金子拓郎。中央に荒野拓馬・高嶺朋樹・田中駿汰の5人を入れた2−5プラス3ディフェンスの布陣。ペトロビッチ監督の「秘策」、得点力不足解消の布陣が見えた。

 この日のスタジアムは3千140人で「4連勝」期待のホームサポーター。小雨が台風の名残か気温25.2度、湿度74%。審判は、昨年のPK判定数が11回と多い上田益也主審(37=愛知県出身)。セレッソのキックオフで午後7時33分スタートした。

 札幌のシステムは3−5−2の攻撃的なもので、中盤の5人は両サイドの金子と白井の突破力を期待、サイドからのセンタリングで、ジェイ(190センチ)、オリベイラ(189センチ)の高さとキャリアを生かしたい布陣。DFの3人は右から久しぶりの進藤亮佑−キム・ミンテ−福森晃斗。GK菅野孝憲。対するセレッソは都倉と一方のFWに奥埜博亮が登場した。中盤に位置したMF清武弘嗣の球さばきが「見せる」。清武がキャプテンマークを着ければ、コンサドーレはこの試合Jリーグ100試合出場達成の荒野が巻いた。さらにDFのキム・ミンテも100試合出場を達成した。

 試合が動いたのは前半6分。新体系を取って攻勢に展開する札幌のリズムを壊すようにセレッソが中盤でパスカット。都倉と奥埜が走り込み札幌DFを振り切って奥埜が札幌GK菅野の右を抜く右足のシュートを決めた。これもメモリアルゴールで「C大阪1000得点」。

 リードされた札幌は、中央のジェイ、オリベイラにボールを集める。左サイドから白井が、右から金子が相手のエンドラインぎりぎりまで持ち込みリターン。福森からのロングパスなど多彩な攻勢をするが実らず、飲水タイム。直後の27分オリベイラにイエローカード。さらに前半終了間際、菅野がビルドアップのため中盤まで出た途端に都倉−奥埜がGK目指して突進。菅野はやっとの思いで奥埜にしがみつきイエローカードをもらう。意味ないビルドアップのGKへのパスは「狙われる」の教訓。


 【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■セレッソ大阪のロティーナ監督のコメント
 「中盤でボールを失わないようにしよう」、「しっかりボールを保持しよう」、「絶対勝とう」


 後半、ピッチには強い雨が降り注ぐ。札幌の反撃が目立つ。白井からのロングパスが逆の金子まで大きく振られる。福森もロングボールを入れる。MF荒野がシュートの構えも、ブロックされる。札幌のスタートダッシュが激しい。6分右サイドのCK(コーナーキック)を得るが、なぜかショートコーナー。金子のシュートはGKキム・ジンヒョンに捕まる。攻勢が続くが点にならない。

 そんな攻防の中14分。札幌は左サイドからセレッソの攻撃を受ける。センタリング気味のボールは清武へ。「ボレーだー」と思ったが、若干当たり損ねバウンドしたボールがゴール方向へ。これがゴール右にいた奥埜へ頭で決めて、うれしいこの日2点目。

 選手交代は、15分白井がルーカス・フェルナンデスに。右にルーカス、右にいた金子は左に。17分ジェイにイエローカード。21分福森の前、いつものチャナティップ(休場)の位置に入った金子とのやり取りから中央に。ジェイが頭で合わせたが、クロスバーに当たり阻まれる。さらに27分にもルーカス−進藤−田中と渡るがブロックされる。この後、選手交代が続く。荒野が深井一希に、金子が宮澤裕樹、オリベイラが早坂良太に。相手も都倉、清武、奥埜ら5人が代わる。アディショナルタイムは5分あったが、札幌はまた得点無しの0−2で敗れ去った。

 2020年明治安田生命Jリーグ第16節は9月13日午後1時05分から札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌(12位)と浦和レッズ(7位)の戦いが行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲーム、敗れはしましたが、選手たちは良い戦いをしてくれました。1失点目は、自分たちがボールを持ったところから、相手にプレゼントゴールをあげてしまった。2失点目も、なかなか自分たちが得点を奪えない中で、相手に少ないチャンスをモノにされた。立ち上がりから選手たちはアグレッシブで攻撃的なサッカーを表現してくれた。最近は、内容で相手を上回りながら、結果で負けている。そういう試合が続いていますが、こうした戦いを続けることが、やがては自分たちの成功につながると、私自身は思っています。良いゲームが結果に結びつかない状況がありますが、継続していくことが我々の力になると私は信じています」


■セレッソ大阪のロティーナ監督のコメント
 「最初の時間帯は彼らが試合を支配して、スタートしました。その後、我々が奪った最初のチャンスで先制できました。そこから前半はきっ抗した展開になりました。我々が支配することもあれば、相手が支配することもありました。後半は、より相手が前からプレッシャーを掛けてきて、苦しい時間帯が続いたのですが、ボールを握った時間帯に良いプレーが生まれて、そこから2点目を取ることができました。そこからまた、札幌がビルドアップして、外から中心に攻めてきたのですが、そのまま2−0で試合を終えることができました。素晴らしいチームを相手に、我々としては難しい試合だったのですが、勝利を収めることができました」
池田淳