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J1第3節(7月8日)、まさに「ブラボー」鹿島一蹴

20・07・11
2001年の監督選手バンザイ

 2020年の明治安田生命J1リーグが再開以来の「話題」を献上した。第3節が7月8日「新型コロナウイルス」と「集中豪雨禍」の中、9試合を行った。北海道コンサドーレ札幌は午後7時から、茨城県立カシマスタジアムで、鹿島アントラーズと対戦2−0で快勝、今季2勝1敗の勝ち点6で6位に浮上した。鹿島は、3連敗で最下位の18位に沈んだ。

 札幌は、これまでJ2経験のない鹿島からJ1で勝ったのは2001年、岡田武史監督で、J1昇格した年の1stステージ第9節、札幌市厚別公園競技場で鹿島に2−1で勝って以来の19年振りの勝利。観客は1万9千920人。2ndステージは1−2で敗れた。年間順位は鹿島が磐田との優勝決定戦で勝利し優勝、コンサドーレは11位だった。現・株式会社コンサドーレ野々村芳和代表取締役社長CEOがキャプテン、FWのウィル・播戸竜二が得点源だった。(時の選手、エピソードは「王道」で書きたい)。

 試合の方は、無観客で午後7時3分、荒木友輔主審(34=国際審判、東京都出身)のホイッスルでスタート。天候は曇り、気温25度、湿度82パーセントの午後7時にしては蒸し暑い。札幌はGK菅野孝憲、DF進藤亮佑−宮澤裕樹−福森晃斗。両WBK右・白井康介、左・菅大輝。MFが荒野拓馬・深井一希。選手登録ではMF、鈴木武蔵−チャナティップ。トップにFWジェイ。第2節と同じ布陣だ。

 ここまでの鹿島はまだ1得点7失点。FWのブラジルからの新加入ファンアラーノ−エヴェラウド。4−4−2の布陣で、MFの三竿健斗キャプテン−4年目のレオ・シルバらが攻撃の要になっていた。

 前半7分の札幌の得点は、相手の前がかりな攻撃のスキをついての鈴木武蔵の一人芝居。中央ライン近くまで攻め込まれた裏を突いた。自陣のペナルティーエリア前から宮澤キャプテンがロングフィード。敵陣ペナルティーエリア前に走り込んだ武蔵が鹿島GKクォン・スンテを置き去りしてゴールに流し込んだ。札幌のワントップ・ジェイがおとりになって、下がり気味になり武蔵が走り込む=2節と同じ策に弄した。24分に武蔵が「左太ももの裏側の張り」で退場、駒井善成が入った。

【ハーフタイムの監督コメントなし】(試合中の給水は前半23分過ぎに行った)

 後半は、19分に両チームとも3人の交代をした。札幌は白井とルーカス・フェルナンデス、深井と田中駿汰、チャナティップが金子拓郎。鹿島もFWのエヴェラウドら3人。

 札幌は、後半はかなり攻撃されたパターンが多く、GK菅野の好捕に加え、反則で防ぐシーンが増えた。たぶん1試合5枚のカード(黄色)は、初めてだろう。荒野、菅、深井、菅野、金子で鹿島は1人。「苦しい戦いを物語るモノ」。

 シュート数7本(札幌)−18本(鹿島)。CK(コーナーキック)0(福森の出番なし)−4本(鹿島)。フリーキック互いに13本。PK無し。「これで終わりか?」と思われた90分+4分の追加タイム。

 最後の「ハイプレス」からMF駒井がボール奪取。力強くボールを運び、右ウイングバック(WBK)に入ったルーカスへ横パス。ペナルティエリアに進入し、プレスをものともせずドリブル突破、「また持ちすぎか?」と思わせる個人技でDFとGKを翻弄、ルーカスが決定的な追加点をモノにした。「あっぱれ」だった。

 第4節の北海道コンサドーレ札幌は7月12日午後7時から、Shonan BMWスタジアム平塚で、湘南ベルマーレと対戦する。中3日の強行軍。「大卒3銃士」のそろい踏みが見たいが、鈴木武蔵が心配だ。


■北海コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームが非常に難しくなることは分かっていた。鹿島というのは素晴らしいチームであり、大きなクラブである。そのようなチームがシーズンに入ってまだ勝てていない中で、何がなんでも勝ちにくる。そうした相手の強い気持ちを感じていました。ただし、我々の選手は強い気持ちを持って勝利を目指して戦ってくれたと思う。

 前半の入りは良かったと思う。相手はそれほど前から追ってくるわけではなく、我々がボールを動かした中で、相手はそれを奪ってカウンターという狙いだったと思う。その中で我々は相手の背後を突いて1−0とリードすることが出来たが、その後、鈴木(武蔵)がケガをしてしまったことはチームにとって誤算となった。戦術上、厳しい戦いになった。やはり相手の背後への飛び出しで、鈴木ほどのスピードがある選手は我々のチームにはいませんので、狙いの中で相手に脅威を与えることが出来なかった。ただし、相手に主導権を握られる展開ではありましたが、チャンスらしいチャンスはそれほど多くなかった。選手も非常にハードワークをしてくれた。

 後半は特に鹿島が圧力を掛けてくると思っていた。こちらもなかなかチャンスを作れない時間が続きましたが、選手は球際でよく戦ってくれた。

 5人の交代枠の中で、鹿島にはレギュラークラスの選手が複数いて、対応の難しい選手たちだった。反対に我々は大卒ルーキーの選手3人が交代で入り、なかなか厳しいチーム状況でしたが、彼らがハードワークをしてくれて、その中でカウンターで二度ほどチャンスを作り、そのうちの1つで得点を決めることが出来た。厳しいゲームではありましたが、終わってみれば札幌が勝利に値するゲームが出来たと思う」


■鹿島アントラーズのザーゴ監督のコメント
 「また、自分たちのミス、不注意から失点してしまって、そこからまた追いかける形になり、自分たちから負担を増やしてしまいました。ただ、その中でも多くのチャンスを作れたと思いますし、そこが得点につながらなかったところがありました。随所に狙いとしているところが表現出来ているところはあるので、迷わず、ブレずに、いまやっていることをやり続けたいと思います」
池田淳