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コンサドーレがファンに練習公開

20・04・11
コロナ感染渦Jリーグ「独断の試み」

 2020年4月3日、J1リーグの北海道コンサドーレ札幌は、宮の沢・白い恋人サッカー練習場で、全体練習を再開した。2月22日明治安田生命J1第1節終了後、新型コロナウイルスのまん延で、世界中に陽性反応者を出し、地域・国の判断でスポーツの祭典(2020東京五輪パラリンピックは1年延期)や試合を中断してきた。あれから2か月、中断に継ぐ中断で、札幌は3月21日鹿島アントラーズとの練習マッチをしただけで、スケジュールの立て直しを図ってきた。

 今回の再開は、1週間の休養を取った後の再開で、記念すべき4月3日午前10時からのファン・サポーターにスタンドを開放しての異例の試み。少なくともJ1のチームでは、「無観客試合、練習をしてきたはず」(コンサドーレ広報)。「独断の試み」だが、選手関係者、さらにファン、サポーターの両面からの「寂しい」が、なせる業?だったろう。

 グラウンドでは、10時から準備体操、3グループでボールの取り合い・回し合い。宮澤裕樹キャプテン(けが=ねんざ)、GKク・ソンユン(バセドー病)ら「気になる選手」は、全て顔を見せていた。

 このピッチから少し離れた石屋製菓駐車場に設営された「記者、ファン、入場希望者検査場」で体温、マスクなど検査を受けた約100人が、腕に水色のバンドを巻いて入場した。ピッチ前のスタンド1列目は「空席」で間を取る気の使いよう。ペトロビッチ監督、四方田修平コーチらが勢ぞろい、選手・スタッフがグリーンの芝生の上を走る姿は「ウイルス」どこ吹く風、だった。

 GK陣は、ク・ソンユンが遅れてきたが、5人がそろって、それぞれ別メニュー。グラウンドプレーヤーはFWジェイ―オリベイラとブロック陣。FW鈴木武蔵―アンデルソン・ロペスとブロック陣の2手に分かれてFW陣の「ハイプレス」の実践的な練習。カットはするものの、FWの2人のパスまでは、見せなかった。

 約1時間半の練習後、監督・選手らの記者会見。同室の会見ではなく、テレビを記者室とスタッフ室に置いた「オンラインシステム」の会見。ペトロビッチ監督は「我々もサポーターと共に練習出来ることをうれしく思います」といい、宮澤キャプテンは「応援されているという実感を持てた」と、語っていた。

 日本プロサッカー協会(Jリーグ)は3日、村井満チェアマンのウエブ(Web)発信で「5月初めの競技再開は難しい」と発信している模様。


(写真はいずれも4月3日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場、撮影・石井一弘)


 上写真/笑顔を見せながらプレーする選手たち。左はMF早坂、右FWアンデルソン・ロペス


 上写真/芝を削って激しいタックルを見せるドゥグラス・オリベイラ、左MF檀崎


 上写真/軽快なステップを見せるMF檀崎(ビブス7番)とチャナティップ(同4番)、左端新加入の田中、中央MF駒井


 上写真/DF進藤(右)に取られまいとボールをキープするFW菅(左)


 上写真/選手たちを見守るペトロビッチ監督
 上写真/雪残る山並みを背景に、練習再開を心待ちにしていたサポーターが間隔を開けて座る
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影