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J1第28節(10月4日)、札幌はガンバ大阪に最悪の5失点

19・10・11
鹿島が今季初の1位に進出

 2019年・明治安田生命J1リーグ第28節は10月4、5、6日で9試合を行い、上位グループでは鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスが勝利、鹿島が今季初のJ1リーグ1位の座に就いた。トップを独走していたFC東京は16位のサガン鳥栖に1−2で敗れ、鹿島にトップの座を明け渡した。

 7位の北海道コンサドーレ札幌は4日午後7時から、14位のガンバ大阪とパナソニックスタジアム吹田で対戦。前半を0−0で終了、後半戦で宮澤裕樹をアンデルソン・ロペスに代えて得点を狙ったが、裏目に出て5失点、今季最多失点した。札幌のチーム最多失点は7点で2012年J1リーグ第23節のガンバ戦で7失点、さらに2チームから失点7をしている。

 この日のフライデーナイトマッチは、午後7時03分札幌がキックオフ。曇天で気温24.7度、湿度26パーセントでビジター札幌にとっては絶好の日より。観衆2万5百54人で、笠原寛貴主審(30=福岡県出身)の采配で始まった。

 札幌はスタメン発表後、MFチャナティップが練習(ウォーミングアップ)で足に違和感を訴え、荒野拓馬との交代を余儀なくされた。大きな様変わりではなかったが、7分にMF宮澤がエリア内で反則PKを与え、FWアデミウソンが右足でキック、GKク・ソンユンの守るゴール右に外れた。

 前半は、この試合後の9日、13日に戦うルヴァン杯の様子見のようで、札幌が3−4−2−1でトップにジェイ、シャドーに鈴木武蔵と荒野。ウイングバックは白井康介と菅大輝、中央に宮澤―深井一希。DFは進藤亮佑、キム・ミンテ、福森晃斗。

 ガンバはFW宇佐美貴史、アデミウソンの2トップ。その下に井手口陽介、倉田秋。3列目は小野瀬康介、矢島慎也、福田湧矢。3バックは高尾瑠、三浦弦太、金英權、GK東口順昭。特に2トップの下の井手口、矢島のポジションチェンジが目に付いた。

 後半は札幌が始めから宮澤とFWのA・ロペスを代えてきた。宮澤の反則を気使ってか、さらに「通訳の誤り」か、と思うほどの「ミシャの本心」を「暴きたい」(絶対言わないが・・・)度肝を抜かれた交代だった。

 宇佐美、アデミウソンのマーク役で骨身を削っていた宮澤の交代は、「得点の価値」より、札幌にはダメージが大きかった。

 ガンバは、後半12分に背番号10倉田がアデミウソンの横パスで難なくゴールゲット。さらに16分に宇佐美、25分にアデミウソン。43分には交代出場のDF藤春廣輝、ダメ押しの48分には宇佐美に代わっていたFW渡邉千真が5点目を入れて終止符。

 札幌は、この得点者をよく覚えていて欲しい。宇佐美が帰ってきたことが、ガンバの「頑張り」に広がってきたと言っても過言ではない。そのガンバは、第27節の大阪ダービーでセレッソ大阪に1−3で敗れており、このセレッソは10月6日首位に立った鹿島に0−1で敗れた。セレッソは柿谷曜一朗が元気なようだ。

 けがの札幌MFチャナティップは、10月7日、FIFA・W杯アジア予選のタイ代表での出場を辞退した、とコンサドーレ広報から発表された。

 ルヴァン杯準決勝の日程は、10月9日(水)午後7時、パナソニックスタジアム吹田でG大阪対札幌。10月13日(日)午後1時、札幌ドームで、札幌対G大阪。J1リーグ第29節の札幌対セレッソ大阪は10月18日(金)午後7時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の荒野拓馬選手のコメント
 「(うまくいかなかった点について)やはり攻撃の崩しの部分のところと、失点に関しては自分たちの自滅からのカウンターなのでそこは修正できると思うし、攻撃のところでもっと迫力あるカウンターとか、僕も含めて狙えるチャンスはあったので、そこをしっかりとできればいいかなと思う」

 「(今日の課題を修正してルヴァン杯でのリベンジを?)短期間で試合もできるし、同じ相手に何度も負けていられない。ポジティブにルヴァン杯の1stレグでなくて良かったと思いたいし、次しっかりとアウェーで叩いて、2連勝して決勝に進みたい」


■ガンバ大阪の東口順昭選手のコメント
 「前節(C大阪戦で)ああいう負け方をして、ホームでどれだけ見せられるかが大事だったと思うし、その姿勢でサポーターを納得させないといけない。今日に関しては結果で示せたかなと思います」

 「(短期間でまた札幌との対戦。修正点は?)まだまだ発展途上だし、どこがと言われればすべてだと思う。ルヴァン杯はホームとアウェーで違うし、Jリーグとは違った展開になる。今日5−0で勝った結果は忘れてまたやっていきたい」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「0−5という結果でしたけど、ガンバのほうがキレがあり、球際も強く、そしてアイディアの部分でも長けていた。今日のゲームはわれわれ札幌にとっては今季の中で最も出来が悪い試合だった。0−1で相手にリードされたあと、若干守備のコントロールを失ったような形になり、ミスや、あるいは前がかりになったところで失点を重ねる展開だった。

 5日後にはまた同じ相手と対戦する状況の中で、短いスパンだが、しっかりと分析して短い期間でチームを修正しないといけない。今日のような試合を続ければ、今季の残り試合はどの試合も勝利するのは難しい。今後こうしたゲームがないようにしたい。もちろん勝利したガンバにはおめでとうと言いたいし、今日に関してはガンバが勝利に値したと思う」


■ガンバ大阪の宮本恒靖監督のコメント
 「(後半に向けての改善点について)前半も狙いとしていたところはたくさん出ていて、PKにつながるシーンもそうでしたし、ただ相手もパワーを持って攻撃に来る中で、きっ抗した試合になったと前半は思う。後半に入るにあたっては少し宇佐美(貴史)が下りてきたり、アデミウソンが下りてきたりというのが前半の途中から見られたので、もう少しフィニッシュに専念するようなことを伝えて入った。

 ただ、前半できていたボールを奪ってから速く、スペースがあるところを突くというところが出た1点目だったと思うし、そこに対してしっかりと(倉田)秋も前への意識を持って走っていたところも大きかった。2点目、3点目というところで、特に3点目が大きかったと思うし、今日は本当にみんながゴールに向かう気持ちを最後まで持っていたのがたくさんの点につながったんじゃないかなと思う。やはりみんながダービーで負けたことに対するリアクションを見せないと、という気持ちが強かったので、そういったものが出た試合かなと思う」
池田淳