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J1第27節(9月28日)、アウエーで2位・鹿島と分ける

19・10・01
鹿島の中2日の動きを見破る

 2019年の明治安田生命J1リーグ第27節は、9月28、29日に9試合を行い、上位のFC東京、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスはいずれも引き分けて勝ち点1を積み上げ、ACL出場権を守った。

 上位を狙う北海道コンサドーレ札幌は、28日午後3時からアウエーで2位・鹿島と対戦1−1で引き分け勝ち点40(11勝7分け9敗)として7位をキープした。

 28日の札幌対鹿島の試合は、県立カシマサッカースタジアムに1万9千3百14人の入場者を集めて行われた。曇り空で気温26.6度、湿度57パーセントは、この時期のデイゲームとしては上々のコンディション。小屋幸榮主審(38=兵庫県出身)が笛を吹いたが、際立った判定は無かった。

 キックオフは札幌。FWのジェイ、鈴木武蔵が出場停止ながらトップにアンデルソン・ロペスを配して、チャナティップとルーカス・フェルナンデスがシャドーに入った。鹿島との対戦はJ1で過去16戦して1勝と「鬼門」と言われているが、今季はACL狙いもかかっており、サポーターの赤黒の波は3百人程度。

 一方の鹿島は、DFの内田篤人が、第5節ジュビロ磐田戦以来のスタメンで、キャプテンマークを付けたが、選手同士の動きが中2日のゲームで歯車がちぐはぐ。

 札幌がA・ロペスをターゲットにパスを回し前半11分には、中央から持ち込んだA・ロペスがパス、ルーカスから白井康介に渡り、ペナルティーエリア内に。仕掛けてセンタリング気味のパスをチャナティップがスルー、ペナルティスポット付近で待ち構えていたDF進藤亮佑がゴール右へ流し込んで先制した。

 この後27分にレオ・シルバが足に違和感を訴えて永木亮太に交代した。意外な展開で後半に向かう。札幌は同じ体制で、鹿島の展開を見守るがホッとした気分も。CKを福森晃斗が、相手DFに読まれた形で跳ね返されたり、ルーカスのドリブルが混乱を招いたり。

 こんな展開を繰り返すが、相手のテンションも上がってきた。後半5分、FW土居聖真からの落としを受けたMF小泉慶がドリブルしたが、札幌DFがボールを触り、こぼれ球を18番セルジーニョが走り込んでキープしながらGKク・ソンユンの動きを見極め、浮き球のシュートが決まる。

 その後互いに一進一退のせめぎ合いで、後半15分札幌の宮澤裕樹がイエローカードをもらい荒野拓馬に交代。両チームとも選手交代でバランスを取ったが、札幌にとっては、鹿島の28分、FW伊藤翔(上田綺世と交代)、32分MF中村充孝(内田篤人と交代)は、天皇杯(25日)の横浜F・マリノス戦の4−1の勝利の立役者2人の活躍が浮んで来た。

 結果は、1−1のままタイムアップ。中2日の大岩監督の心中を察して、選手への気遣いが、あまりあるものを感じてしまった。

 札幌の次節、明治安田生命J1リーグ第28節は、10月4日午後7時から、ガンバ大阪とアウエー、パナソニックスタジアム吹田で対戦する。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームは五分に渡り合う、両チームの素晴らしいゲームだったと思います。最後まで両チームとも勝利を目指して戦い、最終的には引き分けという結果でした。両チームとも勝利するチャンスはあったと思いますが、引き分けは妥当な結果だと思います」

■鹿島アントラーズの大岩剛監督のコメント
 「自分たちの失点の仕方が、前半の注意すべき時間で失点してしまった。パワーを余計に使わなければいけないゲームにしてしまった反省点が非常に大きかったと思います。ただ、後半の戦い方に関して言えば、非常にたくさんのサポーターの声援を背に一緒に戦えたことは、非常に評価していいと思います。ただ、これは勝ち切らなければいけないゲームだったと反省しています」


■北海道コンサドーレ札幌の進藤亮佑選手のコメント
 「難しい試合になると分かっていた。勝点1が取れて満足というか、良い結果だった。でも勝つチャンスがあったので、僕たちが目指しているものから言えばもったいない試合だった。得点場面はチャンスがあれば上がろうと思っていて、チャナ(チャナティップ)が良いスルーをしてくれた。ゴール前でもすごく落ち着いていた。DFなので外してもいいという気持ちがゴールにつながっていると思う。まだ3位以内を狙えると思う。誰1人あきらめていない。サポーターと一丸になって一試合一試合勝っていきたい」

■鹿島アントラーズの小泉慶選手のコメント
 「ボランチとして出たんですけど、前半はバックパスが多過ぎた。横や後ろへのパスが多くて、相手の思いどおりのパス、狙いどおりのパスになっていた。いま思うともっと(土居)聖真くんやシラくん(白崎 凌兵)につけても良かった。ただ聖真くんのところにはきつく来ていたので、後半は僕が前に行って助けるつもりでやった。ダイレクトでつけられる位置にいようと思っていた。レオの状況は分からないけれど、ここからすべて優勝に関わる試合ばかり。あまり優勝を意識することなく、目の前の試合に勝つことを意識したい」
池田淳