コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J1第18節(7月7日)、札幌が追加点を奪えず松本と1−1のドロー

19・07・11
 北海道コンサドーレ札幌は7月7日にホームの札幌ドームで松本山雅FCと対戦した明治安田生命J1リーグ第18節。札幌は前半にMF白井が先制点をあげるが、松本もDF當間が決めて同点とする。後半は札幌の決定機が目立ったが決めきれず、1−1の引き分けで終了。ホームで勝ち点2を失った印象の試合だった。

 両チーム共、前節のリーグ戦で破れ、さらに天皇杯でも同じく下位カテゴリーに敗戦。札幌は公式戦負けなしが7でストップしており、この一戦で勝てるチームの雰囲気を取り戻したいところ。

 試合は札幌がホームの声援を背にポゼッションから攻めの形を作り、対する松本は硬い守備ブロックからカウンターを狙っていく展開に。

 すると札幌が幸先良く試合を動かす。前半7分、ハーフウエーライン手前からDFキム・ミンテが、松本中盤とDFラインのギャップに位置取りしたMF鈴木に縦パスを入れる。前を向いた鈴木はドリブルから左に張っているDF福森へパスを送り、福森は左足ワンタッチで高めのクロスを供給。これにFWジェイがバックステップしながらの高い打点で競り勝ちヘディングシュート。ボールは左ポストに当たるが、跳ね返りを白井が胸トラップからの右足シュートで蹴り込み先制ゴール。

 流れをつかんだ札幌は前半24分、惜しいチャンスを迎える。自陣中央でゆっくりとしたパス交換で手数をかけると見せかけ、福森が一気にDFラインの背後へロングフィード。ギリギリのオンサイドからフリーで抜け出したジェイは見事なトラップでボールを収め、GKと1対1となるも、松本GK守田の好セーブで防がれた。

 チャンスの後にはピンチあり。札幌が決定機を逃すと、松本の連続攻撃が実る。まずは前半28分、札幌のビルドアップを高い位置でカットし、こぼれたボールをペナルティーエリア右外にいたMF杉本が鋭いステップから強烈なシュート。これは札幌GKク・ソンユンがセーブ。

 続く前半31分、松本が得た右CKから蹴り込まれたボールをFW高崎が頭で中央へ折り返す。これが松本DF飯田のところへ入り、強引にシュートするも、札幌DFが体を投げ出し混戦状態に。こぼれたボールが最後は松本DF當間に転がり、執念のスライディングシュートで押し込み同点。振り出しで試合を折り返す。

 ハーフタイムにペトロビッチ監督は「中途半端なプレーはせず、しっかりやりきろう」と選手を送り出すと、札幌が主導権を握り多くのチャンスを作り出す。

 後半8分、自陣でボールを受けた鈴木はスピードに乗ったドリブルで戻ってくる松本DFを振り切りペナルティーエリア内右まで進入。早いクロスを入れると中央のMFアンデルソン・ロペスがダイビングヘッドを試みたがボールは外へ流れ、フリーで走り込んだジェイの下へ。ジェイは得意の左足のワンタッチで打つもゴールバーに嫌われ、頭を抱えた。

 攻撃の手を緩めない札幌は後半22分、DFライン右からのロングフィードが左サイドに入り、途中出場のMF菅がうまいファーストタッチでDFをかわし、ペナルティーエリア左から進入。菅はスライディングにきたDFも華麗なジャンプで抜け出し、角度のないところでGKと1対1となる。菅は冷静にパスを選択し、ボールは中央のジェイへ入るもシュートを打ちきれず、ゴール前でこぼれ球となる。後ろから猛然と来たAロペスもスライディングで押し込むが松本DF2人が体を投げ出し、最後は松本GK守田がボールに飛びつきキャッチ。この日のジェイはゴールに嫌われていたのかもしれない。

 追加点を狙い続ける札幌は後半36分、左CKから福森が左足でカーブのかかったボールを入れる。中央でAロペスがおとりになり、後ろの鈴木がダイビングヘッドで狙ったが、またもGK守田のナイスセーブに遭う。

 アディショナルタイムに得たCKには、札幌GKクまでも攻撃参加し勝ち点3への意欲をみせる。しかし、勝ち越し点は生まれず1−1のままタイムアップ。アウエーの松本から見ると後半攻め込まれるシーンが多い中、硬い守備で狙い通りの勝ち点1を得ることに成功。札幌にとっては、決定機が何度もあっただけに悔しい引き分けとなった。この結果札幌は、8勝4分け6敗の勝ち点28で順位を6位としている。
 
 次節札幌は7月13日にアウエーの昭和電工ドーム大分で5位の大分トリニータ(勝ち点29)と対戦する。

 (写真はいずれも7月7日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半7分、札幌左サイドDF福森のクロスをFWジェイがヘディングシュート、左ポストに嫌われて跳ねたボールを詰めていたMF白井が押し込み先制、ベンチ方向へ走り出す。松本GK守田、左端MFアンデルソン・ロペス(11番)、松本DF飯田(4番)はガックリ


 上写真/前半31分、松本右CKからの混戦で、札幌DF陣のこぼれ球を松本DF當間(18番)がスライディングしながらゴールを決める、札幌DF進藤(3番)が懸命に体を投げ出すが及ばず。札幌の選手は左からMF鈴木、深井、荒野(27番)、GKク・ソンユン(その後ろ)、FWジェイ(48番)、右端MFルーカス・フェルナンデス(7番)


 上写真/後半5分、札幌右サイドからMFルーカス・フェルナンデスが絶妙のクロスを上げるが、FWジェイ(48番)、MF鈴木(9番)といまひとつ合わず、松本DF飯田(4番)、今井(5番)らにクリアされる


 上写真/後半22分、左サイドを駆け上がった札幌MF菅(4番)が松本DF今井(5番)をかわしてゴール前に迫り、GK守田の位置を見て中央へタイミング良くパスを出す


 上写真/後半22分、札幌MF菅のマイナスのパスに向かってアンデルソン・ロペス(11番)が松本MF藤田と競りながらゴールに迫る。左DF當間(18番)、MF田中(3番)、札幌FWジェイ(48番)


 上写真/後半22分、札幌左サイドからMF菅のマイナスのパスにMFアンデルソン・ロペス(中央)やFWジェイ(48番)がゴール前に迫るも、一瞬早くGK守田にボールを抑えられチャンスをつぶす、18番は松本DF當間


 上写真/後半29分、札幌MF鈴木(後方)のパスを受けたアンデルソン・ロペス(中央)がゴール前に迫るが、松本MF藤田(6番)、DF當間(ロペスの右)らに阻まれる、右端DF飯田(4番)


 上写真/後半43分、札幌MF宮澤からのロングパスに鈴木(9番)が、松本DF今井(5番)、MF田中(上)に挟まれがら競り合う


 上:左側写真/後半31分、試合の流れを見ながら、札幌の四方田ヘッドコーチ(中央)、杉浦コーチ(左)と三者協議するペトロビッチ監督
 上:右側写真/前半33分、直前の31分に同点とし、選手を鼓舞するのにも意気上がってきた松本の反町康治監督、左札幌MFルーカス・フェルナンデス

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲーム、なにがなんでも勝点3を取りたかったですが、それを達成することができませんでした。ただし、試合の入りは非常にアグレッシブにプレーをして主導権を握り、1−0でリードしたので、良かったと思います。その中で2点目を取れる決定機がありましたが、それを決め切れない中で進んでいきました。そしてCKから失点をしてしまいました。

 後半は、ハーフタイムに修正したことで、相手のボールの出どころにプレッシャーを掛けて主導権を握り、多くのチャンスをクリエイトすることができていました。後半に関しては明らかにわれわれが相手を上回っていました。ただし、今日に関してはチャンスをモノにできず、それが引き分けに終わる要因となってしまいました。

 勝点3を取れなかったことは残念ですが、こういう試合があるのがサッカーです。下を向く必要はありません。これを継続して、次の試合に準備をしていきます。それだけです。

 連戦が続いた中で、チームとしてのトレーニングができない時間が続きましたが、ようやく日程やケガ人も戻ってきたので、そこに関してはポジティブです。次の試合まで時間がありますので、しっかりトレーニングをして準備をしていきたいと思っています」

■松本山雅FCの反町康治監督のコメント
 「約1,000人の松本サポーターに来ていただいて、最後まで鼓舞していただいたことは本当に感謝しております。チームの成績があまり良くない中で、こうしてたくさん集まって応援してくれるのは力になります。

 皆さんのためにも勝点3というところでしたけど、もちろん劣勢になることは承知の上でやってきました。最後の最後までゴールエリアでなんとかはね返すような、内容的にはわれわれとしては寂しいゲームだったかもしれませんが、この勝点1を大事にしていきたいと思っています」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影