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J1第14節(6月1日)、早坂のゴールで広島に完封勝利

19・06・04
 北海道コンサドーレ札幌は6月1日にホームの札幌ドームでサンフレッチェ広島と対戦した明治安田生命J1リーグ第14節。札幌は前半スコアレスで折り返すと、後半、スタメン起用のMF早坂が期待に応えて先制ゴール。その後、広島の猛攻にあうも、これが決勝点となり、1−0で札幌が辛勝。4試合ぶりの勝ち点3を手にした。

 前節までで同じ勝ち点20で並ぶ8位札幌と7位広島の直接対戦。互いにこの試合の結果によって上位に食い込んでいけるのかの一戦となる。札幌が3試合連続無得点で、この間2分け1敗。対する広島は5連敗のあと、前節の浦和レッズ戦で4−0の大勝。流れを変える勢いで札幌ドームに乗り込んで来た。

 札幌は今節、けがで欠場のMF宮澤、チャナティップの代わりに、MF荒野、早坂が先発。その影響か、試合は落ち着かない印象で進む。

 すると、札幌が失ったボールから広島に連続したチャンスを作られる。最初は、前半19分、札幌GKク・ソンユンの蹴ったロングボールを広島に拾われ、素早いパスワークからFWドウグラス・ヴィエイラのミドルシュートはバーの上へ外れる。

 続く前半20分もあっさりと広島にボールが渡り、広島MF川辺→森島→Dヴィエイラとワンタッチのパスが続き右サイドの空いたスペースへスルーパス。これにMF清水が長いランニングからペナルティーエリアへ進入し、スピードに乗ったシュートも枠の上。札幌MF菅の必死の戻りが相手の精度を落とした形となった。

 対する札幌の攻撃は前半30分、DF福森がチームとして初シュートを放つ。MF深井がセンターサークルあたりから左サイドペナルティーエリア内へ浮いたパスを放り込む。一度広島にクリアされるも素早くセカンドボールに反応した福森が正確なファーストタッチでペナルティーエリア手前から右足シュート。しかし得意の左足でなかったこともありうまくミート出来ず、威力が無かった。

 その後札幌は、前半44分にDF進藤のロングシュートも広島GK大迫の正面で、得点ならず。攻撃も単発となり、スコアレスで試合を折り返す。

 後半に入り、広島がボールを保持する展開で時間が進むが、修正しながら対応していた札幌が先制に成功する。

 後半18分、敵陣中央右サイドで深井からの横パスを受けたDF進藤は左足ワンタッチで高い弾道のロビングボールを蹴り込む。これをペナルティーエリア手前で早坂が頭で後ろにそらし、ペナルティーエリア内でDFを背負っていたFW鈴木がボールを受け反転から抜け出す。タッチが若干大きくなり飛び出したGKともつれ、ボールがこぼれる。それを抜け目なく狙っていた早坂が右足でゴールに流し込んだ。いぶし銀の早坂がチームとしてリーグ戦4試合ぶりのゴールをあげた。

 終盤に向け諦めない広島は、後半38分にFWパトリックを投入。同点を狙い強引なパワープレーで猛攻を仕掛ける。さらに後半42分には、ルーカス・フェルナンデスが2枚目のイエローカードで退場。札幌は苦境に追い込まれる。

 試合終了間際、怒涛の攻撃から連続して札幌ゴールに迫る広島。後半49分のアディショナルタイムには、左サイドからのゴールに向かうクロスに、パトリックがドンピシャのタイミングでヘディングシュート。これを守護神クが間一髪のセーブ。最後まで集中した守りを見せた札幌が1−0の逃げ切りの勝利となった。これで札幌は勝ち点を23に伸ばし順位をひとつ上げ7位とした。
 
 次節札幌は6月14日にアウエーの等々力陸上競技場で2位の川崎フロンターレ(勝ち点27)と対戦する。

 (写真はいずれも6月1日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半6分、GKからのロングボールをヘッドではね返す札幌MF荒野(27番)、右は広島FWドウグラス・ヴィエイラ。荒野は負傷した宮澤に代わってキャプテンマークをつけ、攻守に奮闘し4試合ぶりの勝利に貢献した


 上写真/前半30分、札幌MF中野(23番)は広島MF松本(17番)、柏(18番)に挟まれながらもゴール方向に突進する


 上写真/後半13分、広島右CKからの混戦でDF野上(2番)と競り合いながらヘッドでクリアする札幌MF荒野(27番)。ほかの選手は左から広島DF荒木(23番)、札幌GKク・ソンユン(25番)、MF早坂(26番)、右端MF菅(4番)


 上写真/後半18分、札幌右サイドの攻撃からDF進藤のクロスをMF早坂が頭ですらしてゴール前にパス、FW鈴木(右)が走り込んむが広島GK大迫が一瞬早く触り、もつれるようにボールがこぼれる


 上写真/同じく後半18分、広島GK大迫(左)が触ったこぼれ球を札幌MF早坂が右足で押し込んで先制点を上げる。札幌にとって4試合ぶりの得点で、これが結果的に決勝点となった


 上写真/後半18分、札幌MF早坂(26番)が先制ゴールを決め両手を広げて走り出し、得点に絡んだFW鈴木(右)も走り寄る。19番は広島DF佐々木


 上写真/後半34分、広島の猛攻が続き、スタンドのサポーターが「あと、10分だ!!頑張れ」と言わんばかりに熱烈な後押し


 上写真/後半追加タイム5分、広島の左サイドからのクロスでの攻撃にFWパトリック(中央奥)と激しく競り合うDFキム・ミンテ(その手前)、GKク・ソンユン(右奥)、DF石川(その手前)ら、左端広島FWドウグラス、27番札幌MF荒野、5番DF福森


 上:左側写真/後半42分、2枚目のイエローカードで退場となった札幌MFルーカス・フェルナンデス(7番)の横で指を2本立てて何やら声を上げるペトロビッチ監督
 上:右側写真/後半40分、水分補給に来た広島FW渡(右)に厳しい表情で指示を伝える城福浩監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
「非常に難しい試合になることは予想していた。広島は強いチームであるとともに、自陣にしっかりと引いてブロックを作り、われわれの攻撃を待ち構えてカウンターを仕掛けてくるチーム。難しくなると思っていました。今日のゲームは選手たちを褒めたいと思います。まず、規律というものを最後まで持って戦い抜いてくれました。2つ目に、選手たちはしっかりと走り、戦う、そして“勝つんだ”という強い気持ちを見せてくれたことです。3つ目に、選手たちはしっかりとボールを動かしてくれたこと。やみくもに攻めずに、しっかりと攻撃を組み立ててくれました」

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
「勝点3を目指したものの、結果は非常に残念です。サポーターにも悔しい思いをさせてしまいました。ゲームの印象は、少し自分たちが攻撃にエネルギーをかけたいところで、守備にエネルギーを使ってしまったかな、と。もう少し自分たちの時間帯を前半から作ることができたらな、と思います。失点シーンは少し、足が止まってしまったように思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影