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J1第13節(5月25日)、札幌対ガンバ大阪はホームでスコアレスドロー

19・05・28
 北海道コンサドーレ札幌は5月25日にホームの札幌ドームでガンバ大阪と対戦した明治安田生命J1リーグ第13節。互いに守備意識が高く、緊張感のある展開で進む中、両チームとも決定機を決めきれず0−0の引き分けで、勝ち点1を分け合った。この結果、札幌は勝ち点20とし、順位はひとつ落として8位となっている。

 5月22日にルヴァンカップグループステージを戦った両チームは、プレーオフ進出を決めてから中2日の試合。G大阪は、リーグ戦7試合未勝利の状況から、前節のセレッソ大阪とのダービーマッチで勝利。浮上のきっかけをつかんでいる。

 一方の札幌は、リーグ戦2試合連続無得点で1分け1敗と停滞気味。今節はFWジェイもけがから戻っており、攻撃陣にゴールを期待したいところだ。

 試合は、ホームの札幌が主導権を握ろうと、前半11分に最初のチャンスを作る。敵陣中央でボールをつなぎ、MF宮澤が左サイドへ大きく展開。受けたDF福森は、鋭い縦パスをペナルティーエリア内のMF菅に通す。菅はうまいトラップのターンから左足シュートを放つもG大阪GK東口にはじき出された。菅は南米選手権を戦う若手中心の日本代表にも初選出されており、意気込みを見せる。

 G大阪の攻撃は前半14分。センターサークルあたりで札幌の縦パスをカットし、FWアデミウソンがボールを拾う。激しいコンタクトからボールをキープしたアデミウソンは前線に走り込んでいるFWファン・ウィジョへスルーパス。受けたファンはドリブルで進みペナルティーエリア内左からシュートを放つもバーの上。

 札幌は、MFチャナティップが連続して卓越したスキルを魅せる。まずは前半36分、敵陣中央でボールを受けたチャナティップは、G大阪DF陣の包囲網を華麗なステップと巧みなボールタッチで2人の間をすり抜け、3人目にファールで止められる。獲得した直接FKを福森が得意の左足で狙うも枠の左に外れた。

 さらに前半43分、鋭い動き出しからパスを受けたチャナティップは、緩急をつけたドリブルでG大阪DFをいなし、ペナルティーエリアに入ったところで右足シュート。これは枠の上に外れたが、切れ味鋭いプレーでドームを沸かせる。

 すると前半アディショナルタイムの47分、G大阪のパスワークから、札幌がピンチを迎える。ペナルティーエリア手前でアデミウソンのワンタッチパスからMF倉田が抜け出す。フリーでペナルティーエリア内に進入し、札幌GKク・ソンユンをドリブルでかわすと、必死についてきた札幌宮澤と接触し倒れ込む。最大の決定機にG大阪はPKではと抗議するも、ノーファールの判定は変わらず。札幌はヒヤリとしたが、そのままスコアレスで試合を折り返す。

 後半に入っても一進一退の攻防は続く。後半8分、札幌が敵陣深く右サイドでFKを獲得。キッカーの福森が左足で速く低い弾道のボールでニアサイドを狙う。一度GKがボールをはじくと、混戦の中の選手に当たりゴールにまた飛んでいくも、なんとかGKがキャッチし得点とはならず。
 
 G大阪の攻撃は後半17分。札幌陣内で倉田が長い距離をドリブルで直進。パスの選択もあったが最後はペナルティーエリア内へ入ったところで右足シュート。これは若干威力もなくポスト左に抜ける。

 何としても1点を取りたい札幌は、後半38分に菅に代えFWジェイを投入する。直後の後半39分、ペナルティーエリア手前左サイドからFKを獲得。福森が左足でカープをかけたボールを蹴り込むと、中央のジェイに相手が引き付けられる形で、ファーサイドのFW鈴木が頭で合わせる。しかし、ボールはGK東口の正面に飛びゴールならず。
 
 結局、見どころはあったものの試合はそのままスコアレスのドロー決着。札幌としてはペドロビッチ体制になってから初の3試合連続無得点と課題も見えた一戦だった。

 札幌の次の試合は6月1日、ホームの札幌ドームで7位のサンフレッチェ広島(勝ち点20)とJ1リーグ第14節を行う。

 (写真はいずれも5月25日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半13分、札幌左CKからの攻撃で、こぼれ球にFW鈴木(左から3人目)が詰め寄るが、G大阪DF福田(その左)に体を入れられる、左端G大阪倉田(10番)


 上写真/前半21分、G大阪左CKからの攻撃を札幌GKク・ソンユン(中央25番)がパンチングでクリアする。サポーターも固唾をのんで見守る


 上写真/前半31分、右サイドでにらみ合う札幌MF中野(23番)とG大阪MF倉田(10番)の後方を回り込んで前線に出ようとする札幌MF宮澤(左)


 上写真/前半45分、札幌MFチャナティップからのパスを受けたFW鈴木(右)が体を反転させてシュートしたが外れる。左G大阪DF三浦(5番)


 上写真/後半8分、札幌右FKからの攻撃でGK東口(左端)がはじいたボールにMF宮澤(キャプテンマーク)がG大阪DF菅沼(13番)にユニホームを引っ張られながら詰め寄るが、東口にボールを押えられる。DF進藤(3番)、キム・ミンテ(中央)も攻め上がっていたが、残念そうな表情。右端G大阪MF小野瀬(8番)


 上写真/後半17分、札幌MFルーカス・フェルナンデスの縦パスを受けたMF中野(23番)のシュートは、G大阪GK東口(左手前)に足で止められゴールならず。左DF三浦(5番)、中央は福田


 上写真/後半42分、ゴール前で激しく競り合う札幌FWジェイ(中央48番)とG大阪DF菅沼(13番)、右三浦。ジェイは負傷が癒え、3月以来の復帰で後半38分から途中出場していた


 上写真/G大阪とスコアレスドローとなり疲れ切った表情の札幌の選手たち、左からDF福森(5番)、進藤(3番)、FWジェイ、鈴木(9番)、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、金子(30番)、深井(8番)、中野(23番)、DFキム・ミンテ(20番)、MF荒野(27番)、GKク・ソンユン


 上:左側写真/後半38番、大きなジェスチャーで選手に指示を出す札幌のペトロビッチ監督、左MF菅(4番)、右DF福森(5番)
 上:右側写真/前半42分、腰をかがめて戦況を見つめるG大阪の宮本恒靖監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「0−0というスコアはチャンスの数を考えれば足りないスコアです。勝利するために必要な得点を取るだけのチャンスはあったと思います。やはりG大阪は最近、なかなか勝てていませんでしたが、力のあるチームでした。その相手に対してコントロールをしてチャンスを作っていたのは、素晴らしいことだと思っています。これまでのゲームであれば、ああした展開からカウンターで負けるパターンだった。ですが、今日はしっかりビルドアップをして、チャンスを作り出すことができていました。相手のカウンターも比較的封じることができました。チームが1つ大人になった試合だと思います。成長も感じられました」


■ガンバ大阪の宮本恒靖の監督のコメント
 「0−0という結果ですが、どちらが勝ってもおかしくなかったと思います。攻撃に関しては最後の質やアイディアを改善する必要があったと思います。守備に関してはラッキーな部分もありましたが、体を張って、やろうとしていた守備ができていたと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影