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ルヴァンカップ第5節(5月8日)、横浜FMに敗戦も勝ち点並び首位タイ

19・05・11
 北海道コンサドーレ札幌が5月8日にホームの札幌厚別公園競技場で横浜F・マリノスと戦ったYBCルヴァンカップ第5節。前半、横浜FMがDF松原のゴールで先制すると、後半も続けざまに3得点。札幌はなすすべなく0−4のスコアで敗戦。グループステージ初黒星となった。

 大型連休が終わり2日後の平日水曜日のナイターということもあり、観衆は5,311人。しかし、ここまでグループステージ首位を走る札幌と、2位横浜FMの直接対決となり注目の一戦。

 札幌は勝利でグループステージ突破が決定となり、完全なターンオーバーはせず中盤から後ろには中心選手を残しつつ、前線にはフレッシュな若手を起用。対する横浜FMは、前節のJ1リーグ戦から先発7人を入れ替え、首位攻防戦に臨んだ。

 試合はホームの札幌がいきなりチャンスを作る。前半2分、ペナルティーエリア手前左でFKを獲得した札幌はDF福森が左足で蹴り込む。このキックをMF荒野がドンピシャのタイミングでヘディングシュートを放つもオフサイド。

 すると、先制点は横浜FMに生まれる。前半16分、FW遠藤が左サイド深くでボールを持つとインナーラップで抜けてきたMF大津へパスを送る。大津はダイレクトでクロスを入れるも札幌DFがヘディングでクリア。ボールはペナルティーエリア外に転がり、これに走り込んで来たDF松原が思い切り右足を振り抜く。札幌DFに当たったボールは、強烈なドライブ回転がかかりゴールイン。GK菅野も後ろに倒れながら見送るしか出来なかった。

 札幌の惜しい攻撃は前半22分。センターサークルから右ワイドのDF白井へパスが入り、MF中野が関わり右サイドを突破。中野はペナルティーエリア右からグラウンダーのクロスを供給。一度クリアされるも不十分になりボールはゴールエリア内へ残る。これにFWで先発した早坂がつめたが、GKの飛び出しでシュートは防がれた。

 さらに前半40分にも札幌の決定機。自陣中央でバックパスを受けた荒野がダイレクトで右サイドへ展開。低い弾道の糸を引くようなパスを受けた中野は横切るようなドリブルで中央へ入っていく。最後はペナルティーエリア手前にいたMF檀崎へ横パスを送ると、檀崎はワンタッチで狙いすましたインフロントシュート。ゴール右角に向かう美しい軌道だったがGK飯倉のファインセーブにはじかれた。

 札幌の1点ビハインドで入った後半、横浜FMが追加点を奪う。後半14分、左サイドの深い位置でDFティーラトンが粘ってボールをキープ。後ろにいたMF山田がパスを受けるとペナルティーエリア内にいた李へ鋭い横パス。受けた李は正確なタッチでDF2人の間を抜け、素早い左足シュートで逆サイドネットに突き刺した。

 なんとか流れを取り戻したい札幌は後半21分。右からの大きなクロスを大外で受けた途中出場のMFチャナティップが戻りながら右足でファーサイドへ再度クロス。DFにクリアされたボールはペナルティーエリア手前で荒野が拾い、シュートモーションからうまく切り返し、左足シュート。しかし、わずかに枠の右で得点には至らず。  

 主導権を握る横浜FMは後半23分、試合を決める3点目を奪う。MF扇原が敵陣中央でボールをかっさらい、ペナルティーエリア内にいたFWイッペイへスルーパス。イッペイはリズムの良い右足トラップから左足シュートを放ち、低い弾道でネットに突き刺した。

 さらに横浜FMは休まず攻めの姿勢を貫く。後半33分、札幌自陣のスローインをハイプレスでミスを誘うと、ペナルティーエリア手前でボールを奪取。途中出場のFW山谷がGKとの1対1から、豪快な左足シュート叩き込み、4点目。この日は、アウエー横浜FMの良さばかりが目立つ0−4のスコアで札幌が完敗した。この結果、札幌は横浜に勝ち点8で並ばれ、首位タイとなっている。

 次の札幌の試合は5月12日に、J1リーグ第11節、松本山雅FC戦をアウエーのサンプロアルウィンで戦う。

 (写真はいずれも5月8日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前列左から、DF白井(19番)、MF菅(4番)、檀崎(17番)、岩崎(13番)、DF福森(5番)、後列左からGK菅野(1番)、MF中野、DFキム・ミンテ(20番)、MF宮澤(10番)、FW早坂(26番)、MF荒野(27番)、早坂がFWのワントップに起用された


 上写真/前半8分、札幌右スローインからFW早坂と横浜MF扇原が激しくボールを奪い合う、左後方札幌MF岩崎(13番)


 上写真/前半9分、中盤の競り合いから札幌MF荒野(27番)はヘッドでボールを前線にパス、左にFW早坂(26番)、MF宮澤(10番)、岩崎(13番)、奥は横浜MF扇原


 上写真/前半16分、横浜DF松原に先制点を決められ厳しい表情の札幌MF岩崎(13番)、宮澤(10番)、DFキム・ミンテ(20番)、GK菅野(1番)、右端MF荒野(27番)、その左、横浜DFティーラトン(5番)


 上写真/前半22分、中盤での競り合いからボールを奪った札幌MF宮澤(10番)が展開するパスを出す


 上写真/前半28分、札幌右サイドのMF中野から出たクロスにFW早坂(26番)がシュートするが、横浜GK飯倉(21番)にセーブされ、CKに逃げられる。早坂はこの試合FWのワントップとして起用されたが、横浜DFチアゴ・マルチンスらの厳しいマークに遭い期待に応えられなかった


 上写真/後半途中から岩崎に代わって出場した札幌MFチャナティップ(18番)が後半19分、横浜MF大津(7番)、FWイッペイ・シノズカ(26番)、MF扇原(奥)に囲まれるように倒されるがファールなし。良い流れは作り出したものの、得点をあげるまでには至らなかった


 上写真/横浜に0−4と敗れたが、あいさつに来た札幌の選手たちにはゴール裏サポーターから温かい声援が送られた


 上写真/前半21分、札幌DF白井が出したロングボールにFW早坂より一瞬早く追いついてタッチに蹴り出した横浜DFチアゴ・マルチンスのプレーに拍手を送る横浜のアンジェ・ポステコグルー監督(左)と懸命に選手に指示を出す札幌のペトロビッチ監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
「0−4で負けたということで、どういうコメントをしようか、考えなければいけません。前半は相手にボールを持たせた中からカウンターを狙っていましたが、早い時間帯に相手のシュートがウチの選手に当たって入ってしまう非常に不運な失点をしてしまいました」

■横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督のコメント
「全体的に良い試合が繰り広げられたと思います。特に前半から自分たちがコントロールして、そこで得点も生まれました。後半は相手が得点を奪わなければいけない中でわれわれはそこをうまく突けたと思います。もっともっと得点できるチャンスがあった中で、良い結果で終わることができて良かったです」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影