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J1第8節(4月20日)、札幌が3−0で横浜を退け連勝つかむ

19・04・23
 北海道コンサドーレ札幌は4月20日、ホームの札幌ドームで横浜F・マリノスと対戦。札幌が開始早々にMFチャナティップのゴールで先制すると、DF福森がFK直接沈めて追加点。さらにはMFアンデルソン・ロペスもゴールを奪い、前半だけで3得点。早々に試合を決める危なげない展開で札幌が3−0の完封勝利。平成最後のホームゲームを鮮やかに飾った。
 
 札幌は前節のC大阪戦を1−0で勝利し、連敗を3でストップ。大きな1勝をアウエーから持ち帰ってチームも上昇の気配。そのC大阪戦ではGKク・ソンユンや得点をあげたDF進藤など守備陣の奮闘が目立っただけに、今節は前線の三銃士、FW鈴木、チャナティップ、Aロペスに期待したいところ。

 すると試合は、ホームの札幌が開始早々からスコアを動かす。前半4分、札幌のAロペスがハーフウェーライン右で相手のコントロールミスを見逃さずにボールを奪取。リズムに強弱をつけたドリブルでDFをかわしながら相手陣内中央へ進入。その間、前線の鈴木が相手DFラインとの駆け引きで動き、おとりになる形でギャップが生まれる。そこへ2列目からチャナティップが一気に裏のスペースに走り込み、Aロペスから中央を割る絶妙なスルーパスが通る。ペナルティーエリア内に入り、フリーのチャナティップは左足ファーストタッチの切り返しでGKをかわし、落ち着いた右足シュートで先制に成功。

 攻撃の手を緩めない札幌は前半9分、DFライン裏へのパスに反応した鈴木が倒されペナルティーエリア手前でFKを獲得する。ゴールから約25m付近と距離はあったがキッカー福森は確信の表情。左足から放たれたボールは完璧な弾道を描き、横浜ゴールの左上角にズドン。壁とGKを無力化した福森の今季初ゴールで2−0とした。

 横浜の攻撃は前半17分。MF喜田のスルーパスで抜け出たFW仲川がペナルティーエリア内右でGKクと1対1の場面。仲川のゴール左を狙ったシュートはそのまま入るか微妙な軌道となり、最後は横浜FWマルコス・ジュニオールが滑り込みながら触ってゴールに押し込む。しかし、オフサイドの判定で得点は認められず。

 続いて横浜は前半26分、昨季まで札幌に所属していた横浜FW三好が好機を作る。センターサークルからの縦パスをスルーした三好はそのまま前線へ走りボールを要求。横浜は細かくつなぎペナルティーエリア手前の三好へパス。三好はドリブルで1人かわしてからシュートを放つもGKクがはじき出す。

 すると前半29分、早くも札幌が試合を決定付ける。左からの大きなサイドチェンジを受け、右サイドペナルティーエリア手前でフリーとなったMFルーカス・フェルナンデスがドリブル開始。寄せてきたDFを右に大きく出したタッチでDFが届かないところにボールを運び、中央へクロスを供給。このボールをアンデルソン・ロペスがニアで強烈なヘディングでゴールへ叩き込んだ。30分間で3−0とし、セーフティーリードで試合を折り返す。

 後半に入っても流れは変わらず札幌の攻撃が目立つ展開に。後半2分、Aロペスの強引な中央突破からのシュート、後半11分には、Lフェルナンデスの中央へのパスからAロペスがワンタッチシュートも、横浜GK飯倉がセーブした。

 後半25分には、この日何度もチャンスを演出していたLフェルナンデスがまたもや魅せる。ペナルティーエリア右でパスを受けたLフェルナンデスは、対峙したDFと1対2の状態になる。普通なら仕掛けない状況だが、細かいステップとタッチで2人の間をスルリと通過。そのままシュートを放つもわずかに枠の外で得点にはならず。素晴らしいテクニックでドームを沸かした。

 その後札幌は、前に出る横浜の攻撃をかわしつつ、カウンターで牽制。攻めきれずにいた横浜は後半44分、MF大津がペナルティーエリア右から速い弾道のクロスを入れ、途中出場のFW山谷が頭で合わせるも枠には飛ばず、タイムアップ。札幌が3−0のスコアで勝利し、連勝で勝ち点3を手にした。これで札幌は勝ち点を12に伸ばし8位に浮上。チームも北海道の気温の上昇ともに、調子を上げてきている。
 
 札幌の次の試合は4月24日に行われるYBCルヴァンカップグループステージ第4節。アウエーのトランスコスモススタジアム長崎でV・ファーレン長崎と対戦する。

 (写真はいずれも4月20日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半4分、札幌MFチャナティップ(18番)がアンデルソン・ロペスの出した縦パスに反応、落ち着いたドリブルで横浜GK飯倉(21番)を右へかわして今季初ゴールとなる先制点を上げる。中央は慌てて戻ってきたDF松原


 上写真/札幌FW鈴木(9番)が得たFKを前半9分、DF福森(5番)が今季初となるゴールを決めて2−0。少し距離はあったようにも見えたが、蹴る前から自信満々のオーラだった。18番はその軌道に見とれるようなMFチャナティップ


 上写真/前半16分、横浜右サイドのFKからの攻撃を札幌GKク・ソンユン(中央)がパンチングではね返す。いっぱいのゴール裏サポーターが後押し


 上写真/前半25分、札幌MFチャナティップ(18番)が横浜DF松原(右)に足を引っかけられて宙を飛んだが、倒れずにそのままドリブルで突進する。この一瞬だけでも素晴らしいボディバランスが見て取れる


 上写真/前半29分、左サイドから札幌MF深井のロングパスを右サイドで受けたルーカス・フェルナンデス(7番)が中央へ絶妙なクロスを入れ、3点目を呼ぶ


 上写真/前半29分、札幌MFルーカス・フェルナンデスの絶妙なクロスをアンデルソン・ロペス(中央)が、横浜DF畠中(44番)、松原(27番)、MF扇原(中央奥)に囲まれながらもヘディングで決める


 上写真/前半29分、3点目を決めた札幌MFアンデルソン・ロペス(11番)とアシストしたルーカス・フェルナンデス(7番)にキャプテンMF宮澤(左)、FW鈴木(9番)がお祝いの拍手、右はMFチャナティップ


 上写真/後半41分、昨季は札幌に所属していた横浜FW三好(41番)を札幌FW鈴木(9番)、MF宮澤(10番)、チャナティップ(18番)が囲むように追い出す


 上:左側写真/早々に2−0とリードしていながら、何かまずいプレーがあったのか、前半21分、大きく手を広げて渋い表情を見せる札幌のペトロビッチ監督
 上:右側写真/後半開始早々の3分、タッチを割って自分の所に来たボールを厳しい表情のまま札幌のMF菅(4番)にトスする横浜のアンジェ・ポステコグルー監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「非常に手ごわい相手との試合でした。洗練されたパスサッカーをしてくる相手でしたから。日本のチームの中では特殊なサッカーをしてくる相手です。その相手に対し、高いモチベーションを持って試合に入ってくれました。その中で今日大事だったのは戦うこと走ること、そして我慢をすることです。球際で厳しくいき、そこでボールが奪えればわれわれのチャンスになる。選手たちはそこをしっかり意識して戦ってくれたと思います。

 試合を通して選手たちは勝利に値するプレーをしてくれました。2連勝できましたが、今季は序盤に2連勝してから3連敗をしています。われわれは過去のことから学べているのか。そこが次の試合では問われるでしょう。パフォーマンスの波があること、そこが現在の課題ですし。

 来週はカップ戦も入っており連戦になります。それも敵地での試合が続きます。カップ戦もしっかり勝ち上がらなければいけないので、どちらも重要な試合です。どちらの試合でも良い結果を残すために、どういった起用をするか難しい判断が必要。今日の試合はテンポが速く、出場した選手は疲労をしているでしょう。そうした中で選手の見極めをしっかりやっていきたいと考えています」


■横浜F・マリノスのアンジェ ポステコグルー監督のコメント
 「見てのとおり残念な結果に終わってしまいました。自分たちのミスから、相手の個の力でやられてしまいました。自分たちは数多く作ったチャンスを生かすことができなかった。そういう試合だったと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影