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J1第4節(3月17日)、Aロペスが2試合連続ゴールも鹿島に敗戦

19・03・21
 北海道コンサドーレ札幌は3月17日にホームの札幌ドームで鹿島アントラーズと対戦。前半、札幌の隙を突いた鹿島FW伊藤の連続ゴールで、札幌は2点ビハインド。後半に入り、鹿島MFレアンドロが試合を決める追加点。終盤札幌はMFアンデルソン・ロペスが1点返すも、1−3で鹿島に敗れた。

 昨季最後までACL出場を争った鹿島に対し、札幌は過去1勝2分け11敗。苦手とする相手を前に、札幌は前節の清水戦で5得点の快勝劇、さらにFW鈴木が代表に選出されるなど期待感も高まり、札幌ドームには23,002人ものサポーターが集った。

 試合は前半6分、札幌の攻撃で得点の予感。敵陣中央でボールを受けたMFチャナティップが短いドリブルで前を向く。左からオーバーラップしてきたDF福森へパスを入れると、福森はワンタッチのクロス。一度クリアーされるが、ペナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったMF菅が左足でシュートもGKの正面。

 すると、試合を動かす先制点は鹿島に。前半12分、自陣中央での横パスを受けた鹿島MFレオ・シルバがワンタッチで前線のFW伊藤へ中央を割るようなスルーパス。まだ守備陣形が整ってなかった札幌は、絞ってきたMFルーカス・フェルナンデスがなんとかスライディングを試みるも、クリアーしきれずにボールは伊藤に収まる。ペナルティーエリアに突き進んだ伊藤は、飛び出してきた札幌GKク・ソンユンをループシュートでかわす見事なゴールを奪う。

 勢いに乗った鹿島は、前半23分に追加点をあげる。自陣中央のDF犬飼が左ワイドに駆け上がって行くDF安西へロングフィード。受けた安西はドリブルで1人かわすとそこからペナルティーエリア手前までドリブルで進入。同時にダイアゴナルランでペナルティーエリア内へ入ってきた伊藤へ絶妙な縦パス。伊藤は左足ワンタッチでシュートを打つとGKク・ソンユンの股下を抜けゴール。札幌は2点を追う厳しい状況に置かれる。

 前半のうちに1点返したい札幌は前半42分に惜しいチャンス。自陣中央でチャナティップがドリブルで起点を作り左サイドのMF深井へ展開。深井はボールを右足に持ち換え大きなクロスを入れると、鈴木がDFに競り勝って頭で中央へ。アンデルソン・ロペスはゴールに背を向けながらのワンタッチループシュートを狙うもゴールバーの上。0−2のスコアで試合を折り返す。

 後半、まずは1点と札幌が前がかりなり、攻めの姿勢で入って行く。しかし、試合巧者の鹿島は、攻撃を受け流しながら、空いたスペースを逃さない。

 後半31分、鹿島が自陣中央からセンターサークル辺りの伊藤へ楔のパス。伊藤はワンタッチで落とし、MF永木もワンタッチで右に大きく空いたスペースへ長いスルーパス。フリーで上がってきたMFレアンドロはドリブルでペナルティーエリア内右へ進入。最後は慌てて帰陣した札幌DFを切り返しでかわし、余裕を持ってゴールに流し込んだ。

 ホームでこのまま終われない札幌は、ここから捨て身の猛攻を見せる。後半35分左CKから途中出場のDF石川がヘディングシュート。連続して後半36分、アンデルソン・ロペスのヘディングシュートも枠の外。

 攻め続ける札幌は、後半40分にやっと鹿島ゴールをこじ開ける。左CKを福森が得意の左足で入れると、ファーサイドにいた鈴木が相手に競り勝ちヘディングでゴール前へ。このボールをアンデルソン・ロペスが頭で軌道を変えると、ゴールライン付近にいたDFに当たりゴールイン。札幌が意地で1点返す。

 しかし、札幌の追撃もここまで。結局、強豪鹿島に横綱相撲を見せつけられ1−3のスコアで完敗。これで札幌は2勝2敗の勝ち点6で10位となっている。

 次節札幌は3月30日にアウエー豊田スタジアムで2位の名古屋グランパス(勝ち点9)と対戦する。

 (写真はいずれも3月17日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半2分、札幌左CKからの攻撃でFW鈴木(9番)、MFアンデルソン・ロペス(その右)がゴール前に迫るが、鹿島MFレオ・シルバ(左端)にタッチに蹴り出され先制のチャンスを逃す


 上写真/前半23分、鹿島FW伊藤(左端15番)がDF安西のスルーパスを受けてシュート、札幌GKク・ソンユン(25番)の股下をすり抜けゴール右端に決まり2点目をあげる。札幌MF宮澤(10番)とDF福森、右端MFレオ・シルバ(4番)


 上写真/前半追加タイム2分、札幌MFチャナティップ(18番)がドリブルで持ち込みゴール前に迫るも鹿島の永木(左)に倒され、ここで前半終了


 上写真/後半31分、鹿島MFレアンドロに3点目を決められ、ガックリと尻餅をつく札幌GKク・ソンユン(25番)。他の選手は左からMF宮澤(10番)、DF福森、MF荒野(27番)、アンデルソン・ロペス(11番)


 上写真/後半34分、左CKから札幌DF石川(中央上)が鹿島DF内田(2番)に競り勝ってヘディングシュートを放つがゴール右に外す。左11番はMFアンデルソン・ロペス、鹿島DF町田(28番)、MFレオ・シルバ(4番)、右端DF安西(22番)


 上写真/後半40分、札幌MFアンデルソン・ロペスが左CKからFW鈴木の折り返しをヘディングで決め1点を返し、ボールを拾って急いでセンターサークルへ走り出す。鹿島の選手左からMFレオ・シルバ(4番)、FWセルジーニョ、右手前FW伊藤が残念そうな表情


 上写真/後半45分、札幌右CKからの混戦でDF福森のパスをFW鈴木がヘディングシュートするが、勢いが弱くGK正面でキャッチされる


 上写真/1−3で試合が終了、直前の追加タイム3分にシュートを放って外した札幌MF荒野(右)が手をピッチに打ち付けて悔しがる


 上:左側写真/後半8分、札幌MF深井(8番)と鹿島DF内田(2番)のマッチアップを目前で見守る札幌のペトロビッチ監督、奥に四方田ヘッドコーチも
 上:右側写真/前半4分、自分の所に飛んできたボールを手にしながら選手に指示を出す鹿島の大岩剛監督。左鹿島のMF安部(10番)、右札幌のMFアンデルソン・ロペス(11番)


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日は敗戦したということで非常に残念です。気をつけろと言っていた速攻から、早い時間に失点しました。早い時間に失点したことで展開を難しくしてしまいました。1週間を通して、危険な奪われ方をするとカウンターが鋭い。それが鹿島の強さだと話をしていたのですが、その形でやられました。相手がやろうとしているサッカーにハマってしまいました。個の能力のある選手が、プロとしてのプレーを見せる経験豊富なチームが鹿島です。今日は何人かの選手が少し重かった印象です。しかしながら、最後まで戦ってくれました。得点になってもおかしくないようなチャンスも作れていましたが、今日はそれが得点につながりませんでした」

■鹿島アントラーズの大岩剛監督のコメント
 「試合を通して選手がプランどおりの良い動きをしてくれました。ただ、最後のセットプレーからの失点は、いまも選手に言いましたがしてはいけない。レベルの高いチームを目指す上でやってはいけない失点だということを共有しました。反省すべき点はありますが、アウエーの地で連戦最後の試合を勝ちで締めくくることができて非常にうれしく思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影