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ルヴァンカップ第2節(3月13日)、札幌がホームで長崎と分ける

19・03・15
 3月13日、北海道コンサドーレ札幌がホームの札幌ドームで戦った、V・ファーレン長崎(J2)とのJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第2節。試合は、互いに決定機は作るものの、札幌はGK菅野の活躍もあり、スコアレスドローで試合を終えている。

 9日のJ1リーグとホーム2連戦となった札幌。平日の19:00キックオフだったが札幌ドームには約7,000人のサポーターが集まり、今季の期待の高さを感じた。

 両チーム連戦と言うこともあり、大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ一戦。札幌はフレッシュな選手が多い中、MF小野がキャプテンを務めチームをまとめた。

 札幌の惜しい攻撃は、前半11分。札幌が自陣中央でプレスをかけボールを奪う。そこからトップのFWジェイへ鋭い楔が入り一気にスピードアップ。ジェイはワンタッチのポストプレーでMF檀崎に横パス。受けた檀崎がドリブルでペナルティーエリア内へ侵入するも、相手をかわしたタッチが少し大きく最後はGKの飛び出しにキャッチされる。

 前半32分は長崎が決定機を迎える。左サイドの深い位置からのFKをMF大竹が左足で蹴り込む。これをペナルティーエリア中央で競り合いに勝った長崎DFイ・サンミンがヘディングシュート。叩きつけられたボールは、札幌GK菅野の横を抜ける。あわやゴールかというところで、カバーに入ったジェイがゴールラインぎりぎりでなんとか左ももでクリアー。ジェイのファインプレーで札幌は失点を回避した。

 前半39分、今度は札幌の攻撃。長崎FW畑に長い縦パスが入るも札幌DFが寄せて奪いに入る。こぼれたボールをすぐにDFキム・ミンテがワンタッチで前線へ長いグラウンダーの縦パスを送る。長崎の選手に当たり若干軌道が変わったボールが、フリーで前線のジェイに。ターンしたジェイはドリブルで突進し、ペナルティーエリア手前で相手選手ともつれ合いながらから左足でシュートを放つも枠外。このまま試合は0−0で折り返す。

 後半に入り、前半DFをしていた早坂が交代したジェイの代わりにワントップを担う。すると後半5分、そこを起点にして札幌がチャンスを作る。ハーフウエーラインから早坂へ縦パス、早坂はうまいワンタッチで前へ抜けたMF岩崎へボールを送る。スピードを上げた岩崎はドリブルでペナルティーエリア右手前まで運び右足ミドルシュート。しかしボールは枠の上に外れた。

 直後の後半6分、長崎に決定的なチャンス。MF吉岡がハーフウエーライン左、巧みなターンからのドリブルで相手をかわす。ドリブルから横のMF名倉へパス。受けた名倉はオフサイドギリギリの絶妙なタイミングで畑へスルーパス。畑は札幌DF2人の間を抜け、ペナルティーエリア内でGKと1対1。スピードに乗った左足シュートを最後はコースを限定しながら飛び出したGK菅野が体に当てるセーブで得点は許さず。

 後半13分、今度は札幌に決定機。右CKを小野が右足でゴールから逃げていくボールを入れる。ニアサイドに走り込んだ途中出場のDF濱がヘディングシュートを放つもバウンドしたボールはわずかに枠の左に流れる。

 この後も札幌がチャンスを作りながらも仕留められない状態が続くと、試合のハイライトは後半43分。札幌は残り時間わずかで長崎にPKを与える絶体絶命のピンチ。キッカーの畑は緩急つけた助走でGKを揺さぶり、正面のグラウンダーシュートを選択。これをGK菅野は相手を見て横に飛ぶも、残った右足でボールをはじき出すスーパーセーブ。試合はそのまま0−0でタイムアップ、輝きを放ったベテランGK菅野が勝ち点1をもたらしたゲームだった。

 札幌は次の試合、3月17日にホームの札幌ドームで行われるJ1リーグ戦を勝ち点4で8位の鹿島アントラーズと対戦する。

 (写真はいずれも3月13日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半11分、札幌の新人MF檀崎(17番)が長崎のゴール前に迫るが、GK富澤(21番)に阻止される、左DF鹿山(5番)、右イ・サンミン(26番)


 上写真/前半追加タイム2分、札幌左CKからの攻撃でDFキム・ミンテがヘディングシュートをするが決まらず、左端MF檀崎(17番)、右手前岩崎(13番)


 上写真/後半16分、長崎MF大竹(20番)の絶好機のシュートを札幌GK菅野が両手ではじき出す。菅野の手前DF石川(2番)、その右、MF白井、左端長崎MF吉岡(16番)


 上写真/後半19分、札幌MF小野(44番)が長崎MF磯崎(その左)と交錯して飛ばされる。左手前札幌MF檀崎(17番)、左端長崎MF名倉(34番)、右端DF鹿山(5番)


 上写真/後半44分、札幌GK菅野(1番)が長崎FW畑(29番)のPKを足先でスーパーセーブしチームを救う。中央札幌MF檀崎(17番)


 上写真/後半45分、長崎左CKからの攻撃を札幌DF中村(右から3人目)がクリアーする、左端MF小野(44番)


 上:左側写真/今回の試合では、多くの新加入選手と若手選手が起用された。前半6分、軽快なフットワークを見せる札幌の新加入選手MF岩崎(13番)、左は長崎のDFイ・サンミン(26番)。岩崎は14日に発表されたU−23日本代表選手に選ばれた
 上:右側写真/前半12分、長崎からの期限付き移籍から復帰した札幌MF中原(6番)がパスを出す。中原は前半40分に負傷し42分にFW藤村と交代、負傷の程度が心配だ


 上:左側写真/後半6分、長崎のDF香川(2番と)競り合う札幌DF濱(15番)、濱はFWジェイに代わって後半開始から出場した
 上:右側写真/後半34分、前線にパスを出す札幌のDF中村(24番)、中村はU−18からただ一人昇格、後半33分に石川に代わって途中出場した


 上写真/後半14分、札幌MF白井(19番)と長崎FW畑(29番)のマッチアップを見つめる札幌のペトロビッチ監督。左端札幌FW藤村(16番)、手前長崎MF中村(14番)


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日の試合については菅野(孝憲)に感謝しなければいけません。彼は今日、1対11の試合を戦っていたように思います。今日は平日にもかかわらずたくさんのサポーターが観に来てくれましたが、勝利をすることができず申し訳ない気持ちでいっぱいです。今日は私が札幌を率いてから一番悪い試合だった。指揮を執っているのは私自身ですから、私自身も何かを伝えることができなかったのだと思います。次の試合ではしっかり改善した姿を見せなければいけません」


■V・ファーレン長崎の手倉森誠監督のコメント
 「チームとしてリーグ戦で負けた後だったので、早めに力を示そうと。全員がその気になってコレクティブにやってくれたと思います。耐えるところを耐えて、仕掛けるところを仕掛けられた。最後にPKを失敗しましたが、外した畑(潤基)は前回、勝点3を取ってくれた選手ですし、リーグ戦につながる試合をやってくれたと思っています」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影