コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J1第3節(3月9日)、ホーム開幕戦は清水に5ゴールを浴びせ快勝

19・03・11
 3月9日、北海道コンサドーレ札幌は、ホーム開幕戦となる札幌ドームで清水エスパルスと明治安田生命J1リーグ第3節を行った。札幌は前半、FW鈴木の2試合連続ゴールで先制。一度は清水に追いつかれるが、前半終了間際にFWアンデルソン・ロペスがPKを決めて2−1。後半はAロペスが立て続けに3ゴールを奪い、清水に1点を返されるも、札幌が5−2で大勝。ホームに駆け付けたサポーターにゴールショーで笑顔を届けた。

 水曜日に行われたルヴァンカップから先発全員を入れ替えた札幌。前節浦和戦で快勝した時と同じスターティングメンバーでこの一戦に挑んだ。

 試合は、ボールを回す札幌を想定し、清水が連動したプレスと組織的な守備で対抗。その中、徐々に札幌が清水の包囲網を抜け、前線へボールを運ぶ機会が増えてくる。

 すると前半19分、ハーフウェーライン手前中央でボールを受けたDF宮澤が最前線で動き出していた鈴木に長いスルーパスを送る。鈴木はスピードを生かしてペナルティーエリア内にドリブルで運び左足でシュート。逆サイドのネットへ2試合連続の先制弾を沈めた。

 一気に勢いに乗りたい札幌だったが、清水も反撃に出る。前半36分、清水の右コーナーキックからニアでフリーとなった清水DF松原が頭で角度を変えるように合わせ同点ゴール。

 流れが悪くなるかと思われたが、この日の札幌は違った。前半アディショナルタイムに鈴木が左サイドからの長いドリブルで仕掛けペナルティーエリアに侵入。切り返したところを倒され獲得したPKをAロペスが落ち着いて決め、加入後初ゴール。1点リードで試合を折り返す。

 後半に入り、札幌はさらに攻撃的な姿勢を貫く。後半開始早々の4分、右サイドでボールを持ったMFルーカス・フェルナンデスがドリブル突破からセンタリングを送る。中央でMFチャナティップが競り合うとボールがこぼれ、素早く反応したAロペスが右足で押し込んだ。この日2点目のAロペスは歓喜のあまり、ピッチをジャンプで飛び出しあわやけがかというシーンもあったが、大事には至らずスタジアム中が胸をなで下ろした。

 2点差とし完全に流れをつかんだ札幌は、点を取るために前へ出てきた清水の背後を次々と狙い得点を重ねる。後半20分、カウンターから前線でボールを受けたAロペスが単独でドリブルからペナルティーエリア内に進入。フェイントの連続から最後は鋭い切り返しで清水DFをかわし、左足で蹴り込みハットトリック達成。

 さらに後半24分、チャナティップが巧みなドリブルでボールを運び、清水DFを4人引き付けたところでラストパス。これをAロペスが右足で豪快に蹴り込んでこの日4点目。ゴールあり、ひやっとするハプニングもありの「Aロペス祭り」を自ら祝った。

 その後、後半38分に清水FW滝に1点を返されるも、札幌はボールをキープしながら試合をコントロールし5−2のスコアで快勝。ド派手なゴールラッシュでホーム開幕戦を飾り、リーグ2連勝とした。

 札幌の次の試合は、ルヴァンカップグループステージ第2節(3月13日、札幌ドーム)V・ファーレン長崎戦を挟み、3月17日に札幌ドームで鹿島アントラーズとJ1リーグ第4節を戦う。

 (写真はいずれも3月9日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半19分、札幌FW鈴木(中央)が清水DFファン・ソッコ(3番)、立田(2番)の間をドリブルで抜き、2試合連続となる先制ゴールを決める


 上写真/前半36分、清水右CKをMF金子がニアサイドに蹴り、DF松原にヘッドで決められる。札幌GKク・ソンユンがジャンプして止めようとしたがボールはゴールネットに突き刺さり同点とされた。ビッシリのゴール裏サポーターからタメ息が漏れる


 上写真/前半45分、札幌FW鈴木(9番)が左サイドをドリブルで駆け上がり、清水DF立田(2番)がたまらずエリア内に入ってファール、PKとなる


 上写真/前半追加タイム2分、札幌FW鈴木が得たPKをMFアンデルソン・ロペスが志願して蹴り、再びリードする。このゴールが快進撃の幕開けとなる


 上写真/後半4分、2点目を決め喜んだアンデルソン・ロペスがサポーターに近づこうと思わずフェンスを飛び越え転落して転倒、左肩を痛そうに押える。DF進藤が心配そうに声をかける。この後、無事復活して2ゴールを追加したので安心したが、周知徹底はもちろん、防護柵(ネット)など対策が急務ではないか?


 上写真/後半20分、DF宮澤のパスを受けたアンデルソン・ロペス(11番)がドリブルで持ち込み、清水DF立田(2番)をかわしてハットトリックとなるゴールを決める、右FW鈴木(9番)


 上写真/後半20分、ハットトリックとなるゴールを決め、指を3本立ててベンチ方向へ走るアンデルソン・ロペス(11番)、左MF深井、荒野(右奥)が嬉しそう、右手前チャナティップ


 上写真/4得点を決めたアンデルソン・ロペス(11番)がヒーローインタビューでかわいい笑顔を見せた


 上:左側写真/後半24分、4点目を決めたアンデルソン・ロペス(11番)を笑顔で称える札幌のペトロビッチ監督
 上:右側写真/後半36分、自分の所に飛んできたボールを札幌MF菅(左)に手渡す清水のヤン・ヨンソン監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「前半、2トップの形にして、[2−2−1]という形で相手のビルドアップに対して前から行こうと思っていました。モビリティーのある選手が相手に多い中で、相手にスペースを与えてしまう展開になってしまいました。そういう中でもわれわれはチャンスを作れていましたし、得点シーン以外にもチャンスがありました。しかし、前半は相手に主導権を握られる展開が続きました。後半は相手のビルドアップをしっかり抑えようということで配置を変え、それが奏功しました。ボールを奪ってからの速い攻撃が機能しました。後半に関しては攻守ともに狙いどおりのサッカーができました。選手たちは強い気持ちで戦ってくれました。5得点以外にもチャンスはありましたし、リスクを負って攻撃的に仕掛けたからの5得点でした。私はあまり失点のところについてはコメントしないのですが、今日の失点のところは反省しなければいけません。ただし、試合後はわれわれの勝利を見て、サポーターの皆さんが喜んでくれたと思いますし、北海道が一丸となって戦い勝利を分かち合えたと感じています」


■清水エスパルスのヤン・ヨンソン監督のコメント
 「前半のほとんどの時間で自分たちらしさが見られたので、満足はしていました。後半もある程度は良いプレーが見られたのですが、残念ながら5失点をしているわけで、自分たちのミスが痛手になったと思います。もちろん、札幌もスキを突いてくる良いチームだったと思いますが、われわれも良い攻撃ができている場面はありました。この結果をバネにして、次の試合につなげていきたいと思っています」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影