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J1第2節(3月2日)、FW鈴木の2ゴールで今季初勝利をあげる

19・03・05
 3月2日、北海道コンサドーレ札幌はアウエーの埼玉スタジアム2002で浦和レッズと対戦。札幌は開始早々にFW鈴木が得点を奪うと、勢いに乗って攻勢を強め、前半のうちに鈴木が2点目。危なげない展開で、試合を完全にコントロールした札幌が2−0の完封勝利。今季の初勝利をアウエーの地であげた。

 開幕戦を落とした札幌は前節からスタメンを変更。普段の1トップではなく新加入の鈴木とアンデルソン・ロペスの2トップとし、トップ下にチャナティップ、右サイドMFに前節で鋭い攻撃を見せていたルーカス・フェルナンデスを置き3−4−1−2のシステムで臨む。

 すると、この采配がピタリとはまり、立ちあがりの2分にいきなりの先制点を奪う。ピッチ中央でボールを受けたAロペスが左サイドを走るMF菅に大きくボールを展開。受けた菅は、グラウンダーのパスをペナルティーアーク手前に来たAロペスに送る。Aロペスはワントラップから、浮き球の絶妙なスルーパスを浦和DFの裏に落とすと、タイミング良くペナルティーエリア内に入ってきた鈴木が、巧みなトラップから左足でゴールに流し込んだ。

 一気に流れをつかんだ札幌は、テンポの良いボール回しでチャンスを作り、守備でも素早い切り替えからボールホルダーにプレスを掛け続け相手に自由を与えない。

 押し込む展開が続いていた前半27分、浦和が最終ラインからつなごうとしたところに、札幌の前線の3人が連動したプレスを掛け、チャナティップが前向きでインターセプト。間髪入れずに浦和DFラインの裏へスルーパスを通すと、スピードを生かして飛び出してきた鈴木が浦和GK西川との1対1を冷静に制し、この日2点目。

 リードを広げても札幌は攻撃の手を緩めず前へ出る。前半39分には右サイドをLフェルナンデスがAロペスとのワンツーで崩し、ペナルティーエリア内に進入。浦和DFを引き付けて中央の鈴木に横パス。完全にフリーとなっていた鈴木だったが、ここは枠の上。3点目とならなかったが、ホームの浦和を圧倒して試合を折り返す。

 後半に入ると浦和が配置を変更し、札幌のパスワークを封じに来たこともあり、前半のように多くのチャンス演出とはならない。それでも札幌の選手たちは落ち着いて浦和のプレスを回避し、ボールを保持しながら時計の針を進めていく。

 幾度かあったピンチも、GKク・ソンユンのファインセーブやDF陣が体を張った守備で跳ね返し、無失点。結局、前半にあげた2点のリードを最後まで保った札幌が2−0で快勝。新加入選手の活躍もあり、今季2戦目で初勝利をつかんだ。

 札幌の次の試合は、ルヴァンカップグループステージ第1節(3月6日、ニッパツ三ツ沢球技場)横浜F・マリノス戦を挟み、ホーム開幕戦となる3月9日に札幌ドームで清水エスパルスとJ1リーグ第3節を戦う。

 (写真はいずれも3月2日、埼玉スタジアム2002、撮影・石井一弘)


 上写真/前列左からキャプテンMF宮澤(10番)、菅、ルーカス・フェルナンデス(7番)、チャナティップ(18番)、深井(8番)、後列左からGKク・ソンユン(25番)、DF進藤(3番)、FW鈴木(9番)と2トップを組んだMF登録のアンデルソン・ロペス(11番)、DF福森、MF荒野。開幕戦先発だったFWジェイに代わって鈴木、MF早坂に代わってルーカス・フェルナンデスが先発。結果、鈴木の2発で完勝となり、ペトロビッチ監督の采配ズバリ


 上写真/前半2分、札幌FW鈴木(左から3人目の9番)の先制ゴールに喜ぶイレブン、鈴木の右にMFルーカス・フェルナンデス(7番)、アシストしたアンデルソン・ロペス(11番)、MFチャナティップ、荒野、宮澤(10番)、DF福森(5番)。浦和のDFマウリシオ(左端)、槙野(5番)は早い時間帯のゴールに気持ちの整理がついていない様子


 上写真/前半26分、浦和の攻撃を札幌GKク・ソンユン(25番)がキャッチして防ぐ、左からMF荒野(27番)、宮澤、DF進藤(3番)、右端浦和FW杉本(14番)


 上写真/後半4分、浦和の猛攻に札幌FW鈴木がジャンプしてヘディングでクリアー、超満員の浦和の熱烈サポーターからタメ息が聞こえてきそうだ


 上写真/後半5分、札幌アンデルソン・ロペス(11番)がゴール前に迫るも、浦和DF槙野(5番)が懸命に守る。左端MF山中(6番)、後方DFマウリシオ(2番)


 上写真/後半30分、札幌怒涛の攻撃でFW鈴木がシュートするが、浦和GK西川(右手前)にクリアーされハットトリックは成らず


 上写真/強敵浦和に2−0と勝利しハイタッチで喜ぶ札幌FWジェイ(48番)、鈴木に対し浦和のDF槙野(5番)は腰を折ってガックリ


 上写真/ヒーローインタビューから戻った2得点の鈴木(9番)がサポーターの声援に応える


 上写真/後半24分、厳しい表情で選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督、左後方に浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督が・・・


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「浦和レッズと対戦するというのは非常に難しいものです。ただ、たくさんの観客の前で勇気を持って自分たちの素晴らしいサッカーを見せようと選手には話しましたし、選手たちはそのとおり、勇気を持って実行してくれました。そして今日は結果がついてきたということは、私たちにとってさらに素晴らしいことでした。

 浦和レッズという強い相手で、かつアウェイゲームということで、もしわれわれ札幌が負けたとしても決して失うものはないと選手たちにも話をしていました。選手たちはしっかりと自分たちの戦い、素晴らしいサッカーを勇気を持って実行してくれたと思います。

 私自身は浦和を率いてきた、浦和で監督をしていたときのミハイロ ペトロヴィッチと、札幌で監督をしているミハイロ ペトロヴィッチは、監督としてのスタンスについて何も変わりません。やはり観客の前で素晴らしいサッカーを見せるということを大切に考えていますし、その上で勝利というものを目指していく。それが私の監督としてのスタンスです。その上で、もちろん負けることもありますが、それを恐れてしまっては私ではありません。良いゲームをするけど勝てないといったことをよく言われますが、私自身はミハイロ ペトロヴィッチという監督であり、私の監督としての考え方はどこのクラブに行っても変わりません。幸い、いま監督を続けられているのは、すぐにオファーをしてくれる場所があるからです。

 今日のゲームというのは、われわれが浦和レッズを上回ることができた試合だったと思います。今日はこういった形でわれわれが勝利しましたけれども、次どうなるかというのは誰も分かりません。その上で、今日に関していうのであれば、われわれは、今日は勝利に値するプレーができていたと思います」

■浦和レッズのオズワルド オリヴェイラ監督のコメント
 「前半の内容が非常に悪く、準備をしていたプレーを展開することができなかった。われわれの良くないところを相手がうまく突いた。相手チームにとっては素晴らしい試合になったと思う。後半になってから内容は良くなったが、十分ではなかった。われわれは本日の試合よりも良いプレーができるし、良いプレーをすべきだと思っている」
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影