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J1第31節(11月4日)、三好とクの活躍光る。仙台に1−0の勝利

18・11・08
 北海道コンサドーレ札幌は11月4日にホームの札幌ドームでベガルタ仙台と対戦。試合は前半スコアレスも、後半、MF三好のゴールで札幌が先制。その後、仙台がPKを獲得する決定機は、札幌GKク・ソンユンがチームを救うビッグセーブ。札幌ドームに集まった24,065人の前で札幌が逃げ切りの勝利をつかんだ。

 札幌は今節、日曜開催のため、暫定で順位を下げて5位。しかし、勝利でACL圏内の3位へと再浮上できるとあって、明確に勝ち点3を狙いに行った。その中、守備的MFの深井と荒野を出場停止で欠いたが、ここにMF駒井とMF兵藤を入れ、右ワイドにMF早坂を配置し、キックオフ。

 試合は前半、久しぶりの先発となった兵藤と、スキルフルな動きを見せる駒井、そしてリベロ的にゲームコントロールするDF宮澤の連携も生き、主導権を握る。

 前半15分と16分の札幌の連続攻撃。FWジェイからパスを受けたMF菅が左サイド敵陣深くからクロスを供給。ペナルティーエリア内へ走り込んできたMFチャナティップがヘディングシュートを放つもCKに逃げられる。この獲得したCKをDF福森がファーサイドに蹴り込むと、ジェイが頭で触り、こぼれたボールを三好がボレーシュートも、わずかに枠の外。

 続く前半29分にも札幌の惜しいチャンス。ジェイが左サイド敵陣深くからクロスを狙う。一度は防がれるが戻ってきたボールを今度はふわっとしたボールで逆サイドへ。これをペナルティーエリア内で早坂が技ありのトラップでGKと1対1の状況を作り、素早く右足トーキックシュート。しかし相手GKシュミット・ダニエルの好セーブにあい、得点には至らず。

 札幌が押し込んでいたが、前半39分には、両チームにチャンスとピンチが訪れる。

 まずは、札幌のスルーパスから三好が抜け出し、仙台GKシュミット・ダニエルがペナルティーエリアから飛び出しなんとか触る。ペナルティーエリア右に流れたボールを早坂が拾いペナルティーエリア内へ侵入したチャナティップへ横パス。チャナティップはワンタッチシュートを放つも、大きくクリアされる。

 ここから仙台が一気呵成のカウンター発動。ロングボールの対処を誤った福森のバックパスを見逃さずにFW石原がボールをかっさらいGKク・ソンユンと1対1に。石原はペナルティーアークから狙いすまして左隅をゴロで狙うもポストに当たりゴールとはならず。互いに決定機を生かせずスコアレスで試合を折り返す。

 後半も札幌のペースで試合が進み、後半9分に、札幌が敵陣中央左からFKを得る。キッカーの福森が左足で正確なクロスを送るとペナルティーエリア内でDF進藤がヘディングシュートを放つも、仙台GKシュミット・ダニエルにセーブされる。

 今度は後半27分、札幌がペナルティーエリア手前を細かいパスで崩しながら右サイドに振り、クロスを供給。これがDFに当たりペナルティーエリア内左にいた菅へボールが流れ、豪快な左足ボレーでゴール右サイドネットに突き刺した。札幌に待望のゴールか―と思われたが、GK前にいたジェイがオフサイドの判定でゴールとはならず。

 しかし直後の後半29分、今度こそ文句無しで札幌が先制に成功する。自陣からク・ソンユンがロングボールを蹴り込む。前線のジェイが競り合いながら後ろへ流すと相手DFにカバーされる。しかし、これを予測していた三好は、瞬時にクレバーな動きを見せる。カバーに入ったDFが大きくクリアしないよう、寄せのスピードをわざと緩め、DFがボールを触った瞬間に、待っていましたと一気にスピードを上げボールを奪取。最後は素早いドリブルから左足でゴールを奪った。三好の今期2得点目は、DFとの駆け引きと、うまさが光ったシーンだった。

 追いつきたい仙台は、後半31分に試合の行方を左右する場面を作る。途中出場のFWジャーメイン・良が右サイドからペナルティーエリア内へスピードに乗ったドリブルで侵入。ここで、こちらも途中出場の札幌DF石川が倒してしまいPKの判定。キッカーはFWハモン・ロペス。左隅に強く蹴られたシュートだったが札幌GKク・ソンユンが右手一本ではじきゴールを死守。ク・ソンユンの読みと、体いっぱいを使った素早いセーブは見事と言う他にない。

 結局、ク・ソンユンのビッグセーブにも助けられ、最後まで集中を切らさず1−0のままタイムアップ。この完封勝利で札幌は勝ち点を51に伸ばし、再びACL出場圏内の3位へと順位を上げた。
 
 次節札幌は11月10日に札幌厚別公園競技場で6位の浦和レッズ(勝ち点45)と対戦する。

 (写真はいずれも11月4日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半20分、札幌MF駒井(14番)がボールをキープして前線に駆け上がる、同時に早坂(26番)も右サイドに向かって走り出す。呼吸がピッタリ合っている。右端仙台MF中野(23番)、左端FW阿部(20番)


 上写真/前半38分、札幌MF三好(41番)が、中央付近からチャナティップが出したパスに呼応してゴール前に迫るが、仙台GKシュミット・ダニエル(1番)、DF板倉(中央)に一瞬早くクリアされる。この直後、三好はGKと激突する


 上写真/後半29分、GKからのロングボールをFWジェイが落とし、ボールを拾った札幌MF三好(41番)が、幼馴染で親友の仙台DF板倉(6番)を振り切って先制ゴールを決める


 上写真/後半29分、札幌MF三好(41番)が先制ゴールを決め、ベンチ方向に走り出す。右仙台キャプテンDF大岩(27番)


 上写真/後半31分、札幌DF石川の反則でPKをとられた瞬間、手を上げて異議をアピールする左からMF三好(41番)、DF進藤(35番)、MF宮澤(右端の10番)ら。GKク・ソンユンは観念した表情で気持ちを切り替えていた。キッカーの仙台FWハモン・ロペス(37番)はPKを蹴る準備に入る


 上写真/後半33分、PKを蹴る仙台FWハモン・ロペス(37番)に向かって札幌GKク・ソンユン(25番)が大きく手を広げて威嚇。直後見事PKストップに成功する(トップページに写真掲載)


 上写真/後半追加タイム4分、札幌MFチャナティップ(18番)が、巧みなドリブルで仙台の守備陣を翻弄して時間を稼ぐ。左仙台MF蜂須賀(4番)とDF板倉(6番)、札幌MF駒井(14番)がすぐ後方でフォローしている


 上写真/札幌MFチャナティップ(18番)が前線にパスを出したと同時に試合終了、安堵感を見せる札幌の選手に対し、ぶぜんとした表情を見せる仙台の選手たち、左からFW石原(11番)、ハモン・ロペス(37番)、DF大岩(27番)ら


 上:左側写真/後半41分、主審の判定に猛然と怒る札幌のペトロビッチ監督、左奥に仙台渡邊晋監督が見える
 上:右側写真/前半39分、試合がとぎれた時、仙台MF椎橋(34番)に入念に指示を出す渡邊晋監督、中央奥で札幌のペトロビッチ監督がこの情景を見ている


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「仙台はやはり非常に手ごわい相手でした。モビリティーのある選手をそろえていましたし。ただ、選手たちはこの試合に絶対に勝つという姿勢をピッチで表現してくれました。前半から主導権を握り、数多くチャンスを作っていたと思いますが、それをモノにできないまま進みました。選手たちにとっては簡単な戦いではなかったでしょう。初めて3位を争う状況でしたから。しかし、やるべきことを選手たちはやってくれたと思います。速いテンポの試合を最後まで続けてくれていました。そして狙いを持った戦いを示してくれましたし、非常に多くのパワーを使って勝利をしてくれました。全体を通してもわれわれが勝利に値する戦いをしたと思っています。

 試合数が再びそろった中で3位に返り咲くことができました。残り3試合ありますが、どの試合も厳しい試合になると思います。でも、選手たちはどのチーム相手でもしっかりと戦い、札幌が強いということを示してくれました。引き続き、チーム一丸となって戦っていきたいと思っています」

■ベガルタ仙台の渡邉晋監督のコメント
 「札幌ドームまでたくさん駆けつけてくれたサポーター、そしてテレビ等々を通して、われわれにエネルギーを注いでくれた方々に、感謝を申し上げます。ありがとうございます。リーグ戦に関して言うとここ数試合なかなか勝ち切れていないので、そういった喜びや歓喜を届けられず、非常に悔しく思っています」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影