９月２６日に天皇杯ＪＦＡ第９８回全日本サッカー選手権大会のラウンド１６がヤマハスタジアムで行われ、北海道コンサドーレ札幌とジュビロ磐田がベスト８をかけて対戦した。

　週末に行われたリーグ戦から、札幌が先発１０人、磐田は９人を変更。互いに多くのメンバーを入れ替えるなど、控えの選手にとってはリーグ戦に向けてアピールの場ともなった。

　試合は、雨の中、立ち上がりからホームの磐田が攻勢に出る。豊富な運動量で攻守とも優位に立ち、札幌を押し込む。すると前半９分、磐田陣内深くから複数の選手が連動し、一気に駆け上がる。ボールをつなぎながらバイタルエリア付近まで来ると、札幌ＤＦラインの裏に抜け出したＦＷ川又に絶妙なスルーパスが通る。川又は札幌ＧＫ菅野との１対１を冷静に左足ワンタッチで流し込み先制。

　ビハインドを負った札幌だったが、直後の１１分に同点弾をあげる。ハーフウェーライン左でボールを受けたＤＦキム・ミンテは、しっかりと顔を上げて前方を確認。タイミングを計り、対角線のペナルティーエリア内へ走りこんでいたＭＦ早坂に正確無比なロングフィードを送る。これを抜群のコントロールで収めた早坂は磐田ＧＫ三浦の動きを見極めて確実にゴールに沈めた。

　このゴールで落ち着きを取り戻した札幌は互角の展開を見せ、１−１のまま試合を折り返す。

　後半も激しい主導権争いが続いていたが、先にスコアを動かしたのはまたしても磐田。後半１４分、コーナーキックのこぼれ球をペナルティーエリア内で拾った磐田ＭＦ山田がドリブルで切れ込み、対峙する札幌ＤＦ田中の股の下から右足を一閃。バウンドで加速したような低い弾道のシュートがネットに突き刺さり、再びリードを許す。

　諦めない札幌は後半２４分、左サイドを崩したＭＦ白井が中央へセンタリングを送るも、味方には合わずに反対サイドへ流れる。札幌がボールをつなぎ、ＭＦ小野がペナルティーエリア内に柔らかいロビングのパスを送る。これをフリーで待っていたＭＦ兵藤が頭で合わせ、同点とする。

　しかし、喜んだのも束の間。後半２７分、磐田の早い展開から札幌ＤＦラインの裏にボールを配給されると、カバーに戻った早坂の足に当たりオウンゴール。思わぬ形で追加点を献上。

　これで気落ちしたのか直後の３１分、札幌陣内へ蹴られたロングボールを拾った磐田ＭＦ荒木に、あっさりとミドルシュートを決められ２点ビハインド。結局札幌は、二度追いつく気迫はみせたものの２−４のスコアで敗戦。ラウンド１６で姿を消すこととなった。

　札幌の次の試合は、９月２９日に札幌ドームで１５位（勝ち点３０）のサガン鳥栖と対戦する。