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J1第20節(8月5日)、大声援に応えられず札幌が1−2で柏に敗戦

18・08・11
 北海道コンサドーレ札幌は8月5日にホームの札幌ドームで柏レイソルと対戦。試合は前半42分、柏のMF瀬川がシュートを決めて先制。札幌は後半、FWジェイがクロスに合わせ同点に。しかし、最後は柏のFW江坂に決勝点を奪われ、札幌が1−2で敗戦となった。

 柏は前節湘南に0−2で敗戦。監督交代後も1勝4敗と苦しい状況にあり、勝利で流れを変えるべく乗り込んできた。迎え撃つ札幌は前節のアウエー長崎戦を3−2で勝利。真夏のシーソーゲームを制した勝負強さをドームに駆けつけた26,805人の前で発揮したいところだった。

 試合は、ホームの大声援を受けた札幌がボールを動かしながら先制点を狙っていく。前半27分、MF宮澤がハーフウエーライン右から、裏に抜け出したMF駒井へ浮き球の縦パスを送る。駒井はヘディングでペナルティーアーク辺りにボールを落とすと柏DFの逆を突く形になりフリーのジェイが左足で強烈なシュート。しかしこれは柏GK桐畑にセーブされる。

 続く前半34分も札幌の攻撃。MF三好が自陣からスペースへ走り込んだジェイへパスを送る。ジェイはペナルティーエリア右でDFと1対1になりカットインのドリブルから最後は左足でシュートを打つもDFの足に当たり得点にはならず。

 札幌がゴールを奪えないでいると前半42分、柏に先制点が生まれる。センターサークル付近でDF鎌田が前線に縦パスを供給。ボールを受けたFW伊東はワンタッチでタイミング良く裏に抜け出した瀬川に浮き球の絶妙なスルーパス。ペナルティーエリア内に侵入した瀬川は札幌GKク・ソンユンの飛び出しにも冷静に右足でゴールに沈め、柏1点リードで後半へ。

 同点を狙う札幌は、後半14分に試合を振り出しに戻すことに成功する。右サイドで駒井がスピードに乗ったドリブルでゴールラインぎりぎりの深い位置からクロスを上げる。ペナルティーエリア内で三好がキープし、左にいたMF菅へパス。菅はワンタッチで低弾道の速いクロスを入れると中央にいたジェイがうまく左足で合わせ同点ゴール。

 ジェイの2試合連続弾で勢いに乗るかに思えた札幌だったが、後半23分、柏に再び突き放される。ロングホールの処理を誤ったDF福森が柏伊東のプレッシャーを受けボールを奪われる。伊東はドリブルでペナルティーエリア右奥まで進み、中央に入り込んだ江坂へマイナスの丁寧なパス。フリーの江坂は冷静に右足を振り抜きゴールゲット。柏が1−2と勝ち越した。

 諦めない札幌は後半31分に、MF菅からMF白井、MF深井に代えFW都倉を投入し、後半35分にビッグチャンスを迎える。ジェイが敵陣左サイドからドリブルを始めると緩急の変化をうまく使いDFを抜き去る。ペナルティーエリア内左までボールを運びマイナスのパスを選択。ペナルティーエリア内でMFチャナティップがフリーで狙いすましたシュートを放つもボールはわずかに枠の外。

 さらに札幌は41分に、三好に代えMF小野もピッチに送り出したものの試合はそのまま1−2で敗戦。大声援に応えることは出来なかった。この結果札幌は勝ち点30変わらず、5位の神戸も敗れたため4位をキープしている。

 次節札幌は8月11日にホームの札幌ドームで7位のセレッソ大阪(勝ち点29)と対戦する。

 (写真はいずれも8月5日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半4分、柏FW伊東(14番)に右サイドを破られシュートを許すが、体を張ってCKに逃れる札幌DF福森(5番)。左端キム・ミンテ(20番)、右8番はMF深井、右端柏MF手塚(17番)。この試合、柏の伊東が右サイドで躍動するシーンが目立った


 上写真/前半33分、柏の右CKからの攻撃、FW江坂のシュートは手を伸ばした札幌GKク・ソンユン(25番)のわずか上、クロスバーを越え事なきを得た。ゴール裏サポーターの「ふー、やれ、やれ・・・」というタメ息が聞こえてきそうだ


 上写真/後半14分、同点ゴールを決めた札幌FWジェイ(48番)が絶妙のアシストをしたMF菅と抱き合って喜ぶ


 上写真/後半23分、柏FW江坂(10番)が右からのクロスを札幌DF進藤のカバーをものともせず、素早く正確に蹴り込んで再びリードする。札幌のGKク・ソンユン(25番)


 上写真/後半31分、右サイドから札幌MF駒井の入れたクロスを、左サイドを駆け上がって菅(38番)が折り返す。流れるような展開をみせたが惜しくもシュートまでは行けず。左端MFチャナティップ(18番)、右へ柏DFパク・ジョンス(22番)、札幌FWジェイ


 上写真/後半34分、札幌FW都倉(9番)がジェイからのクロスをヘディングシュートするが、右にはずれる。夏休みとあってバックスタンドをいっぱいに埋めた観客の熱い視線はタメ息に変わった。このシーンの直後、この日の入場者数が、26,805人と発表された


 上写真/後半35分、左サイドを駆け上がる札幌FWジェイ(48番)と、そうはさせじと守る柏DF鎌田(2番)、二人の表情が凄い。左端途中出場した札幌MF白井(19番)


 上写真/後半41分から途中出場した札幌MF小野(44番)、その2分後の後半43分、柏選手のマークを受けながらパスを出す。終盤の札幌の猛反撃を演出するも一歩及ばず


 上:左側写真/後半32分、選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督と左奥柏の加藤望監督
 上:右側写真/前半42分、先制点を奪った直後、「(前半は)あと3分だ!」と合図する柏の加藤望監督と右奥札幌のペトロビッチ監督

■北海道コンサドーレ札幌のペドロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームは双方にとって良いゲームでした。非常に高いテンポで、どちらもチャンスを多く作り、見ている人には面白いゲームだったと思います。前半は非常に入りが良く、特に30分まではわれわれの狙いが出ていました。ただやはり、その中で得点を奪わなければいけませんでした。その後、前半の終わりに得点を奪われてしまいました。後半も非常に入りが良く、追いつくために選手がよく戦ってくれて、実際に追いつくことができました。しかし、そこから早い段階でミスから失点し、重くのしかかった1点となってしまいました。

 選手たちは強い気持ちで最後まで戦ってくれたと思います。そしてやはり、テンポの速い、面白いゲームだったと思っています。残念なのは、これだけのサポーターが札幌ドームで後押しをしてくれたのですが、それに応えられなかったことです。今日の試合を教訓に、次節はしっかり勝利したいと思っています」


■柏レイソルの加藤望監督のコメント
 「なかなか勝てない期間があって、それにもかかわらず、サポーターの皆さんは本当に熱い応援をしていただいて、今日も北海道まで多くの方に応援に来ていただいて、本当に大きくて熱い声援は選手の力になったと思います。選手たちもなかなか勝てない時期、でも、毎日、毎日トレーニングの中で本当に前を向いてあきらめずに自分たちのやるべきことを徹底してやってきたことが、今日の結果につながったと思います。これから先もまたそれを続けていくことによって積み上げていけると思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影