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J1第16節(7月18日)、上位対決は札幌が1−2で川崎に敗れる

18・07・20
 北海道コンサドーレ札幌は7月18日にホームの札幌厚別公園競技場で川崎フロンターレと対戦。試合は前半、川崎DFエウシーニョがドリブルからミドルシュートで先制。後半早々にも川崎FW小林が追加点をあげ2点リード。札幌は試合終了間際にFW都倉のゴールで1点返すも時すでに遅し、1−2のスコアで敗戦となった。

 ロシアワールドカップ期間でのJ1リーグ中断後、再開初戦となったこの試合。勝ち点26で5位の札幌と、同27で3位につける川崎との上位対決。札幌は主力のMF宮澤、DFキム・ミンテが出場停止、MF三好が川崎から期限付き移籍のため出場出来なかった。対する川崎はブラジル人MFエドゥアルドネットが名古屋に、FW大久保が磐田に移籍と両チーム共にメンバーの入れ替えが影響するかも注目された。

 試合は北海道のナイター開催ということもあり、気温も19.8度(湿度は71%)と、本州開催に比べると暑さの影響は少なく、アグレッシブな立ち上がりで開始された。

 ボールを回しながら先に仕掛けたのは川崎。前半24分、敵陣中央でボールを受けたMF中村が振り向きざまにスルーパス。ディフェンスラインをうまく抜け出した小林がペナルティーエリア内でシュートを放つも札幌GKク・ソンユンがなんとか足に当て失点を回避。

 札幌のチャンスは前半29分、FWジェイが敵陣中央でキープし左サイドを駆け上がってきたMF菅へパスを送る。菅は深い位置から高めのクロスを供給するとペナルティーエリア内で都倉がヘディングで合わせるもGK正面でキャッチ。

 試合が動いたのは前半42分、札幌陣地に入った川崎エウシーニョがボールを持つと、右サイドから中央へドリブルでするするとペナルティーエリア付近まで侵入。スピードに乗ったままエウシーニョが左足を振り抜くと、シュートはGKクの正面に飛んだもののボールはクの手をはじきゴール。これは守護神クを責める前に、エウシーニョの長い距離のドリブルを許した、札幌の守備が甘かった。

 1点ビハインドで入った後半、まずは同点と意気込む札幌だったが、川崎に追加点を許す。後半7分、川崎が左サイドを崩し、ボールを受けたMF守田が前を向き、ペナルティーエリア内の小林へショートパスを送る。小林は細かいステップを入れながら左足で鋭く切り返すと、すぐさま右足で狙いすましたコントロールショットを放つ。札幌DFを翻弄したシュートは、クの指先をかすめサイドネットに吸い込まれた。

 0−2とされた札幌のチャンスは後半27分、DF福森が高い位置で川崎のバックパスをインターセプト。そのままペナルティーエリア左までドリブルで持ち上がり中央へ高弾道のクロス。走り込んだジェイがドンピシャのヘディングシュートだったがこれもGKの正面に飛んでしまい得点にはならず。

 ホームで一矢報いようと粘る札幌は試合終了間際にゴールを決める。アディショナルタイム5分(後半50分)、ペナルティーエリア手前で絶好の位置でFK獲得。キッカー福森が左足で低い弾道で狙うと壁を通り抜けたボールをGKチョン・ソンリョンがはじく。これに素早く反応した都倉が押し込み1−2とするも、試合はそのまま終了。アウエーの川崎が勝ち点3を持ち帰った。

 試合内容も、川崎に多くのチャンスを作られるなど、力負けの感のある札幌であったが順位は5位変わらず。これから夏場の厳しい戦いが続くが、この敗戦を引きずらず、上位に食らい付いていってほしいところだ。

 次節札幌は7月22日にホームの札幌厚別公園競技場で7位のジュビロ磐田(勝ち点22)と対戦する。

 (写真はいずれも7月18日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/ワールドカップでの中断後、再開初戦の相手は昨年のJ1リーグ優勝チーム、川崎フロンターレ。先発メンバーは、次のようになった。前列左からMF菅(38番)、チャナティップ(18番)、駒井(14番)、荒野(27番)、DF福森(5番)、後列左からGKク・ソンユン(25番)、DF進藤(35番)、石川、FWジェイ(48番)、MF深井、FW都倉。キャプテンMF宮澤とDFキム・ミンテの2人が、累積警告で出場停止、川崎からの期限付き移籍のMF三好が契約上出場できないため、先発メンバーがどうなるかが注目されていた


 上写真/試合開始前に西日本豪雨災害で亡くなられた人たちに対し黙祷する両軍の選手たち、左から札幌DF石川(32番)、川崎MF中村(14番)、札幌MF荒野(27番)、川崎DF車屋(7番)、札幌DF福森(5番)、川崎DF谷口(5番)たち


 上写真/前半8分、札幌ゴール前に攻め上がる川崎キャプテンFW小林(11番)を懸命に抑え込む札幌DF石川(32番)、左MF駒井(14番)、その後方GKク・ソンユン、この試合、DFキム・ミンテが累積警告で出場できず、石川がCBに起用された


 上写真/前半42分、川崎DFエウシーニョ(18番)のミドルシュートは、札幌GKク・ソンユンの正面、キャッチしたかに見えたが、ボールはこぼれゴールに吸い込まれ先制点となった、右DF進藤


 上写真/後半18分、自陣MF荒野からのパスを受けた札幌FWジェイ(48番)は、川崎DF奈良に体をかかえられるようにして倒され、前に進めず、左都倉(9番)


 上写真/後半追加タイム5分、札幌MF小野の放ったシュートが相手のハンドを誘いFKを得ると、札幌DF福森(5番)が低いボールでFKを放つ


 上写真/後半追加タイム5分、札幌DF福森のFKを川崎GKチョン・ソンリョンが前にはじき、詰めていたFW都倉(9番)が決めて1点を返す、右川崎DF車屋(7番)。しかし、時すでに遅し、1−2で敗れた


 上写真/ホームで川崎に敗れ、悔しそうな札幌の選手たち、左からキャプテンマークを巻いたDF福森(5番)、MF小野(44番)、FW都倉(9番)、ジェイ(48番)、MF白井(19番)、駒井(14番)、チャナティップ(18番)、DF進藤(35番)、MF早坂(26番)、荒野(27番)、GKク・ソンユン(25番)


上:左側写真/後半7分、川崎のFW小林に追加点を決められ天を仰ぐ札幌ペトロビッチ監督
上:右側写真/後半14分、2点リードにもかかわらず、大声で選手を鼓舞する川崎の鬼木達監督

■北海道コンサドーレ札幌のペドロビッチ監督のコメント
 「敗戦したあとということで、残念な気持ちでいっぱいです。でも、これがサッカーです。川崎はリーグで最もパスサッカーが成熟したチーム。そうした相手でしたが、腰の引けた戦いはしたくありませんでした。ボールを積極的に奪いに行く守備、そしてゴールに向かう。そうしたオープンな戦いを選択しました。

 そんななかで悪い時間帯で失点をしてしまいました。やはり前半最後の失点は時間帯が悪かったです。0−0で折り返していれば、という展開でしたし、後半立ち上がりの失点も人数がそろっていた何でもない状況から決められ、非常に痛いものとなってしまいました。

今日も多くのサポーターが平日にもかかわらず、応援してくれたことに感謝したいと思います。そうした方々のためにも次の磐田戦に勝利し、後押しに応えたいと思っています」


■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント
 「アウェイの中でサポーターが力をくれましたし、その結果、応えることができた。それを本当にうれしく思っています。

 試合の方は、自分たちらしい主導権を握ったゲームが出来ていたと思いますし、欲を言えばやっぱり3点目をしっかり決めて、ゲームを決めたかった。最後の失点の場面まではすごく良い集中をしていたと思います。ただ、最後のところはまだ隙があったのかなと思うので、次に向けて修正していきたいと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影