コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

ルヴァンカップ第5節(5月9日)、甲府に完敗喫しグループステージ敗退

18・05・11
 5月9日、北海道コンサドーレ札幌は、ホームの札幌厚別公園競技場でヴァンフォーレ甲府とJリーグYBCルヴァンカップBグループ第5節を戦った。札幌は前半、甲府FW金園の2ゴールでリードを許す。後半に入っても札幌の攻撃は実らず、終盤には甲府に試合を決められる3得点目を奪われ、万事休す。0−3の完敗となり、グループステージ敗退が決まった。

 ルヴァンカップBグループ、現在4位の札幌が首位タイにつける甲府とのホーム戦。今節の結果によりグループステージ突破か、敗退が決まる可能性が高いだけに重要な一戦となった。

 札幌はJ1リーグ10戦負けなしと好調を維持。一方、甲府はJ2リーグではあるが前節を4−1と圧勝。4月30日に就任した上野監督体制での初勝利となり、こちらもチームが上向きの状態。札幌が中3日、甲府が中2日のスケジュールのため両チーム共にスターティングメンバーを大きく入れ替えるターンオーバーを採用し、キックオフ。

 試合は前半、勝たなければ突破は無い札幌がボールを保持しながらゴールを探る。対する甲府は守備ブロックを作りカウンターを狙う予想通りの展開に。

 その中、先に試合を動かしたのはアウエーの甲府。前半6分、甲府MF佐藤が金園とのワンツーでペナルティーエリア手前左に侵入。右足で放ったシュートは札幌DFに当たりボールは中央にこぼれる。これを金園が左足ワンタッチボレーの抑えの効いたシュートで先制。

 早い時間帯のゴールで流れを強引につかんだ甲府は、前半16分に追加点を奪う。札幌DF横山の不用意なバックパスを金園が逃すことなくかっさらう。慌てて飛び込んできたGK菅野もうまいタッチでかわし、無人のゴールに流しこんだ。

 札幌はその後、攻め込むシーンを増やしていくも、イージーミスが多く、なにかちぐはぐな印象。やっとゴール前まで持って行っても、最後のところで精度を欠く場面が目立ち、2点ビハインドのまま試合を折り返す。

 後半に巻き返しを狙う札幌は、なんとか打開策を図ろうとするも、甲府に決定機を作られる。後半16分には、甲府佐藤がペナルティーエリア手前からミドルシュート。これはGK菅野が外へはじくも、こぼれ球を拾った途中出場の甲府MF道渕がペナルティーエリア中央へ早いパス。最後はゴール前混戦から甲府MF阿部がシュート。至近距離だったがGK菅野は左手一本で防ぐ。

 甲府は後半25分にも、佐藤がペナルティーエリア左角あたりで切り返しから右足シュートを放つ。威力もコースも良いシュートだったが、GK菅野が今度は右手でボールを触りクロスバーに当て失点を回避した。

 札幌の惜しい攻撃は後半31分、宮吉がペナルティーエリア手前右からカットインで相手をはがし、思い切り良くシュート打つとクロスバー直撃。その跳ね返りがポストに当たりながら下に落ち、ボールがゴールラインを割ったのではないか、とペトロビッチ監督もアピールするもノーゴール。

 すると後半41分、甲府が試合を決定付けるダメ押し点をあげる。スルーパスからフリーとなった佐藤がペナルティーエリア右でルックアップ。しっかりと狙ったパスが途中出場の甲府MF曽根田に渡ると、スローモーションのように楽々流し込み3点目。ゴール前のDF数はそろっていたが、いかにもルーズな守り方がこの日の札幌を表していた。結局、一矢も報えずそのまま0−3の完敗でグループステージ敗退決定。勝った甲府は2位以内確定でプレーオフステージ進出を決めた。

 札幌の次の試合は5月13日、アウエーの味の素スタジアムで2位のFC東京(勝ち点26)とJ1第14節を戦う。

 (写真はいずれも5月9日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)

 上写真/前半6分、昨年まで札幌でプレーしていた甲府FW金園(17番)が先制ゴールを決め大喜び、一方入れ替わるように札幌に加入したMF宮吉(31番)はぶぜんたる表情。甲府の選手は左からMF窪田(5番)、橋爪(28番)、DF山本(4番)、右端DFビョン・ジュンボン(3番)。金園はこの日2得点の大活躍、古巣に厳しいお礼参りを見舞った格好だ


 上写真/前半18分、ボールをキープして駆け上がる札幌FWヘイス(左端)に甲府DF山本(4番)が襲いかかる、右では甲府DF秋山(33番)と札幌MFジュリーニョ(7番)が厳しい位置取り。札幌の両外国人選手のコンビネーションがいまひとつだった


 上写真/前半41分、札幌MF宮吉(31番)が甲府DFビョン・ジュンボン(3番)とMF橋爪(28番)の間を抜けるように攻める


 上写真/後半5分、甲府の攻撃を防ぎ転じて攻め上がる札幌の選手たち。MFジュリーニョ(7番)からのパスを受ける宮吉(31番)、左からDF横山(2番)、GK菅野(1番)、FWヘイス(11番)、右端MF兵藤(6番)、28番は甲府MF橋爪(28番)


 上写真/後半27分、札幌MFジュリーニョ(7番)が宮吉の右からのクロスにヘッドで合わせるが、甲府DF山本(4番)とMF道渕(18番)の囲むようなマークにゴールならず、左から2人目にFWヘイス


 上写真/後半35分、札幌FWヘイス(11番)はMFジュリーニョのパスを受け、ドリブルで持ち込み左サイドを駆け上がるジュリーニョにパスを出しチャンスメイクをする


 上写真/後半37分、甲府の攻撃でDF山本とジャンプで競りながら、2種登録選手のコンサドーレU-18所属のDF中村が守る。他の選手は左から甲府FW太田(13番)、札幌MF早坂、甲府MF佐藤(26番)、札幌DF石川(32番)、MFジュリーニョ(7番)、GK菅野(1番)


 上写真/後半40分、札幌MF兵藤のロングパスに走り込んだDF石川(右)が甲府DF山本のタックルを受けながらシュートするが、GK岡に好捕される


 上写真/後半41分、甲府のMF曽根田の3点目が決まり拍手して喜ぶ甲府の上野展裕監督(左)と、右は肩を落とす札幌のペトロビッチ監督

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「負けた試合の後なので、残念な気持ちです。敵地での試合でも同じような試合展開で敗れました。なかなか縦のボールが入らず、横パスをつないでは奪われるという展開でした。今日については甲府のほうがベターな試合をしたと思っています。このグループステージ突破のために何がなんでも、という気持ちで試合に入りましたが、残念ながら敗れてしまいました。

 やはりまだ我々には足りない部分があるということで、こうした敗戦から学んでいきたいと思っています。この敗戦を必要以上に悲観する必要はなく、逆に、ここから学ぶことで今後につなげていけばいいと思います。若い選手にとっては、良い経験になったと思っています」


■ヴァンフォーレ甲府の上野展裕監督のコメント
 「今日、甲府のほうから寒い中、ファン・サポーターがたくさん来てくださってありがとうございました。選手はファン・サポーターのために戦いました。よくやったと思います。試合については、コンパクトな状況で点を取って有利な状況で進めることができた。追加点が取れたし、選手は躍動してくれた。これを次の試合につなげていきたいです。」

―プレーオフステージ進出が決まりましたが、そこに向けての意義は?
 「すべて大切な試合ですし、リーグ戦(グループステージ)通過をできたことは素晴らしいことだと思います。次の試合ができたことは、選手にとってもクラブにとっても甲府にとっても素晴らしいことだと思います」

―後半、押された時間帯がありましたが、前半の激しいプレスの疲れが出たことも原因の一つでしょうか?
 「疲労もあったと思いますが、さすが札幌さんの圧力を受けたと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影